鉄槌と清風
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10部分:10:八神家(昼)
10:八神家(昼)
二度目のアースラ訪問の翌日…午前中は何時も通りに柔軟、ランニングなどの基礎をこなし。
八神家に御呼ばれする為に、士郎さんに報告と、桃子さんからお土産として、ミニシューの詰め合わせを預かって出かけることになった。
午後、普段なら修行をしている時間、何時もの木陰で、ぼーっと迎えが来るのを待っていると赤い髪の少女と、青い毛の大型犬が歩いてくるのが見えた。
「おいーす、ヴィータ、ザフィーラ、今日はよろしくな」
「はんっ、はやてが言うから迎えに来ただけだだけなっ」
「(…昨日は楽しそうに、良彦のことを)」
「(うっせ、ザフィーラ、楽しそうじゃねーよ、シグナムとかシャマルに聞かれたからだろ)」
「はいはい、とりあえず、早めに案内頼むよ、生もの預かってるんだ」
翠屋の箱をもちあげ、ヴィータの頭にのっける。
「何乗っけるんだよっ、たく、仕方ねーな」
がしっとしっかりとそのはこを掴み、
「こっちだ、早く来いよ、良彦」
すたすたと、箱を持ち嬉しそうに歩き出す。
「って、現金すぎだろ、おまえ」
「うっせ、美味い物を美味いまま食うのは大事なんだよ」
「(ともあれ、良彦は不案内だ、歩速を合わせたほうが良いと思うが)」
「(そ、そんくらい判ってるよ)」
まぁ、足は遅くないし体力もあるので、遅れる事は無いのだが。
「しっかし、知らない人の家いくのって緊張するよなぁ」
「どう見ても何時もとかわんねーだろ、お前」
「何を言う、スッゲー緊張して、足もがくがくだぞ」
「はっ、ならホントにガクガクにしてやんよっ!」
「ほう、できるのかよ、ん…下手に揺らすと中身ぐちゃぐちゃになるぞ?」
「ちっ、命拾いしたな、良彦」
そんな軽口を言い合いながら、暑い中を歩き…結構大きな一軒家、八神家にたどり着く。
「へー、結構大きいし、バリアフリーなんだな」
「そうじゃねーと、はやての生活が大変だろ」
「ま、そりゃそうだ」
すたすたと門の中にはいっていき、玄関をあけて
「ただいまー、良彦もついでに連れてきたぞ」
「俺はついでかよっ」
「ついでで十分だっつの」
奥から誰か来る気配が、して
「お帰り、ヴィータ…いらっしゃい、良彦君」
はやてが車椅子で出迎え、その後にピンクの髪をポニーテールにした隙の無い女性と、金髪のほんわかした感じの女性が付いてきている。
「主はやてから話は聞いている、良く来たな…私はシグナムと言う、よろしく頼む」
「いらっしゃいませ、八坂良彦君…ヴィータちゃんから話は聞いてるわ、私はシャマルっていいます、よろしくね」
「はい、八坂良彦です、今日はお招きありがとうございます」
ぺこりとお互いに一礼しあい
「ほな、挨拶も済んだし、どおぞあがってや」
スリッパを準備しながら、招き入れるはやて
「おう、お邪魔します、っと」
スリッパを履いて、すたすたと歩いていく、それを見て
「(ふむ…話には聞いていたが、歩き方に芯が通っているな、基礎はそこそこできているということか?)」
「(そうだな、だが…師が居ないらしいからな、これ以上は中々難しいだろう)」
「(とはいえ、無手のようだし、我らの中では、ザフィーラくらいしか教えられまい)」
「(…俺では、体の使い方がかなり違う、あの少年の動きは、独特だな…何処かで見たような気もするが)」
「(まぁ、ヴィータの友人だ、そこ等辺は気にしなくていいだろう)」
「(そうだな)」
と、念話でのやり取りがあったりして、リビングへ
「あぁ、そうだヴィータが持ってる箱、お土産だから皆出どうぞ…何人いるか判らないから、ミニシュー詰め合わせにしたけど、甘いもの平気だよな?」
「ありゃ、あんがとなぁ、こっちがお礼するのにこれじゃ、あべこべやわ」
「へんっ、良彦にお礼とかいらねーっていったじゃん」
「こら、ヴィータ、お世話になったらお礼はせんとあかんよ、昨日だった飲み物もらってたやろ、間ちゅーで」
「ちょ、そんな事h「あらあら、それは聞いてない話しですね、どういう事ですかはやてちゃん」…シャマルっ!」
「昨日ヴィータが汗だらだらで、べてッとしてた時、良彦君がスポーツドリンクあげたんや、飲みかけの」
「そんなことがったんですか、じゃぁ、ちゃんとお礼しないといけませんね、ヴィータちゃん」
「んな必要ねーよ、こんなのにっ」
「まぁ、俺もちびっ子にお礼強請るほど困ってないしな」
「誰がちびっ子だ、何回も言うけど、おめえもあんまかわんねーっつのっ!」
「ほほう…又言いやがったな、ヴィータァ!」
「言ったがどうした…やんのか、あっ!」
「上等だっ、表で「やめやめ、お互い恥ずかしいからて、喧嘩しちゃあかんよ」…恥ずかしくねー、ってか、八神のせいだろこれっ」
「そかなー、まぁそうしとこか、ごめんなヴィータ、良彦君…ほな、こっちどうぞ」
結構広いリビングに通され、おやつに、という事で持ってきたミニシューと、紅茶が用意されたのだが、それを持ってきたヴィータが…所謂メイド服を着て、真っ赤になっていると言う光景が見られた。
「お、おまたせしました」
真っ赤になりつつ、メイド服…普通は黒や紺色の部分が、赤で、ヴィータの髪の毛と、勝気な感じに似合っている。
「あ、あぁ…あんがと、てか、なんでメイド服?」
「あたしにいうな、はやてとシャマルが、これのほうが良いって無理矢理」
「ふーん…まぁ、可愛いんじゃ無いか、何時もそんな感じなら、もっといっ、っつぁっ!」
「何言ってんだ、この馬鹿っ」
おなじみ脛蹴りが、炸裂し、更に真っ赤になったヴィータは、お茶とかを置いて、脱兎の如く台所へ駆け込んで行く。
「ってー…褒めたのに何でだ」
「ヴィータは恥ずかしがりやさんやからな、ごめんなぁ、良彦君」
「精神的に幼くてな、すまなかった良彦」
「ごめんねー、でも可愛かったでしょ?」
「…ま、まぁ…なんか新鮮だったけど」
少しして、着替えたのか普段の格好のヴィータが戻ってくる。
「まったく、もうきないかんな、あんなの!」
「なんでやー、良彦君も可愛いいってたやんか?」
「あんな格好はずかしいんだっての!」
「ふーん、そういう事にしとこか、ほな、おやつにしよか、その後はゲームでもどうやろ?」
「俺は、其れで構わないけど、あんまゲームした事無いぞ?」
「だいじょぶや、乱闘系のゲームとかなら難しくないしなぁ」
「へへ、良彦集中攻撃で即効潰してやんよっ」
「はっ、できるもんならやってみろよっ」
「……確かにヴィータが他人と此処まで言い合いするのは珍しいな」
「そうね…良彦君と仲良しなのね」
「「仲良しじゃねー」」
「タイミングぴったりに言われてもなぁ?」
「えぇ、確かに」 「そうねぇ」
はやて、シグナム、シャマルに弄られる、良彦とヴィータ。
その間も我関せずと、餌入れのシュークリームを食べ、はやてのそばで待機しているザフィーラ。
八神家での、ある種の力関係が見える一幕であった。
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今回、守護騎士が全員でてきましたが、書き分けで来てるかが心配です。
次回は、八神家(夜)…夕食とか、お風呂とかあるかも?
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