ドリトル先生の来日
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第三幕 日本に来てその四
「少し揺れた位じゃ驚かないでね」
「そうだった、日本は地震が多かったんだね」
イギリスでは殆どありません、それで少し揺れただけで皆大騒ぎになります。先生も地震に遭った経験は殆どありません。
だからです、王子にも言うのでした。
「大きな地震も」
「あるよ」
「前は大変だったね」
「神戸でも大きな地震があったからね」
「そのことは覚えておかないといけないんだね」
「そうなんだ、多少揺れても驚くことはないから」
王子が今電話で先生に言うのはこのことでした。
「地震が起こった時にどうしたらいいのかも話すよ」
「日本に来た時にだね」
「怖がることはないから」
例え日本で地震に遭ってもだというのです。
「先生は今まで沢山凄い目にも遭ってきてるよね」
「そうしたこともあったかな」
この辺りをあまり意識していないところが先生らしいです。
「まあ大したことはないよ」
「そこでそう言えるなら大丈夫だよ」
「地震にもなんだ」
「そう、怖がらないことが大事だから」
地震についてはです。
「それと台風にもね」
「ああ、日本にはそれもあったね」
「こっちも日本にはあるけれどね」
「台風については僕も知ってるよ」
「インドとかで遭ったんだね」
「サイクロンにね」
インドの台風はこの呼び名です、やっぱり物凄く怖いです。
「凄かったよ、風と雨がね」
「それもあるけれど」
「怖がらないでいいんだね」
「地震よりもずっとましだから」
だからだというのです。
「安心してね、落ち着いていけばいいからさ」
「そのことも皆に伝えるんだね」
「地震と台風にさえ落ち着いて向かえることが出来れば日本は大丈夫だよ」
「皆に伝えてね」
「そうするよ、じゃあね」
「うん、それじゃあね」
こうしたお話を王子としてでした、先生はこのことを動物達に言いました。するとホワイティがこう先生に言ったのでした。
「日本の地震って物凄いって聞いたけれど」
「うん、ホワイティも知ってるね」
「ええ、この前だって大騒ぎになったじゃない」
「日本も何とか立ち直ったけれどね」
「地震ね、それが起こってもなの」
「落ち着いて対処すればいいらしいからね」
「わかったわ」
ホワイティは博士のその言葉に応えました。
「そのことはね」
「あと台風もあるから」
「ああ、サイクロンだね」
ジップが応えます。
「あれが日本にもあるんだね」
「うん、それにも気をつけないとね」
「何か日本って結構危なくない?」
ガブガブは地震と台風のことを聞いて少し不安そうに言いました。
「地震に台風って」
「大丈夫だよ、落ち着いていればね」
「怖くないんだ」
「何でも怖いと思うから怖いんだよ」
先生は先生らしく言いました。
「怖くない、知っていればね」
「地震も台風も怖くないんだ」
「そう、幾ら揺れてもね」
それがあってもだというのです。
「だから落ち着いていけばいいからね」
「よし、それじゃあね」
ガブガブは先生の穏やかな顔を言葉を受けて安心しました。
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