転生とらぶる
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スーパーロボット大戦OG外伝
0471話
ローズとの通信を終えて数時間。夕方近くなって約束通りに迎えに来た案内の車に乗った俺は、そのままイスルギ重工の本社……ではなく、街から車で1時間程の距離にある屋敷へと案内される。
「……ここは?」
思わず運転手へと尋ねると、初老の運転手は小さく笑みを浮かべて答える。
「ここはお嬢様の別邸。そうですな、一種の隠れ家的な建物と言えばよろしいでしょうか」
「隠れ家、ねぇ。そこに案内してくれたって事はそれなりに重要な人物と見られたのか……」
あるいは、何かあったら秘密裏に俺を消そうとしたのか。
そんな俺の内心を読んだかのように口を開く運転手。
「お嬢様にとっては重要な人物と秘密裏に会合を開く時に使われているようですので、アクセル様の考えているような事はないかと思います」
穏やかに話しつつ、屋敷の玄関付近へと車を止めて素早く降りてドアを開く。
「お疲れ様でございました。後は彼女の案内に従って下さい」
優雅に一礼をする初老の運転手。玄関へと視線を向けると、そこには40代程に見える中年の女の姿があった。
……メイドというよりはハウスキーパーと言った方が正確だろうな。
「いらっしゃいませ、アクセル様。お嬢様がお待ちですのでご案内させてもらいます」
さすが天下のイスルギ重工と言った所か。深く礼をするその仕草には運転手の男同様に優雅さすら感じさせる物だった。
「ああ、頼む」
短く言い、女の後を付いて歩く事数分。やがて一室の前へと辿り着き、ノックをする。
「お嬢様、アクセル様をお連れしました」
「ありがとう、入って頂戴」
中からの返事に扉を開けられ、女に促された俺は室内へと入っていく。
「ようこそ。そしてこうして直接顔を合わせるのは初めてですわね、アクセル・アルマーさん」
そう言って笑顔で俺を出迎えたのはチャイナドレスをその身に纏っているローズだった。その笑顔には俺と顔を合わせて嬉しいという様子しか見られない。……そう、表面的には。
「ああ。アースクレイドルからの通信では何度か顔合わせをしていたが、こうして直に顔を合わせるのは初めてになるな。ヴィンデル達と協力関係になった時に俺は地球を放浪していたし」
「そうですわね。それで私が量産型ヒュッケバインMk-Ⅱの奪取をお願いしたんですわよね」
その口調はあやかと同様の、いわゆるお嬢様言葉という奴だ。だが決定的に違うのは言葉に乗っている感情か。良くも悪くもあやかはまだ経験が足りないせいでその辺がストレートに出ていたが、ローズは俺と対して変わらない年齢で政治家や他の大企業のトップ達といった魑魅魍魎とやり合っているだけに、その辺のコントロールはさすがと言うべきだろう。
「さぁ、お仕事の話は後にしてまずは食事にしましょう。アクセルさんが来るという事で、今日は板長も腕によりを掛けて作りましたのよ」
そう言って示されたのは、テーブルの上に載せられた和食料理の数々だ。寿司があるのは個人的に高ポイントだな。だが、洋風の屋敷の割にはコック長じゃなくて板長なのか。
ローズの勧めに従い、席へと着く。当然このテーブルにしても椅子にしても洋風なのだが、何故かこの場ではそれが妙に一体感を醸しだしていた。
「まずはシャドウミラーの無事を祝って乾杯といきましょうか」
笑顔で日本酒の入った徳利を差し出してくるローズだが、俺は首を横に振る。
「いや、残念ながらアルコールは好きじゃなくてな。お茶か何かにして貰えると助かる」
「そうですの、残念ですわね……」
そう言い、俺をここまで案内してきたハウスキーパーに目配せをするとすぐに部屋から出て行って数分もしないうちに戻って来る。その手にはお茶の入ったコップが乗せられていた。
「では、無事を祝って……乾杯」
「乾杯」
コツン、というローズの持つ盃と俺の持つコップが甲高い音を立てる。
その後はお互いに当たり障りのない世間話をしながら食事をする。さすがにイスルギ重工の社長が雇っている料理人と言うべきか、寿司にしろその他の料理にしろどれもが幾らでも食べられる程に美味かった。
そして食事が終わり、一段落した所で少し離れた場所にあるソファへと案内される。ソファへと腰を下ろすと、直ぐに先程とは違う20代程のメイドが紅茶を用意してそのまま部屋を出て行く。……交渉の始まり、か。
お互いに紅茶を一口飲んでから、まずはローズから口を開く。
「さて、それでは取引の内容を伺いましょうか」
口元には笑みを浮かべているものの、その目に宿っているのは冷徹なまでの商売人としての視線。まさに目は口ほどにものを言うって奴だな。
「そう、だな。まずは俺の目的から言った方がいいか?」
「そうしてくれると助かります」
「大まかには2つと小さい目的が1つある」
「では、まずはその大きい2つと言うのを聞かせて貰いましょうか」
紅茶を一口飲み、舌の滑りを良くしてから口を開く。
「まず1つ目。マオ社に忍び込んでヒュッケバイン等に使われているブラックホールエンジンの詳細な設計図やデータの類を盗み出したいので、それに協力して欲しい」
「……」
イスルギ重工最大のライバルでもあるマオ社の、最重要機密に近いであろう技術情報を盗み出すと聞いても眉をピクリとも動かさない、か。
「2つ目。ヒュッケバインMk-Ⅲが2機あるのは知ってると思うが、そのどちらかの動力源であるトロニウム・エンジンの奪取に協力して欲しい」
「っ!?」
さすがにこれは予想外だったのか、小さくだが鋭く息を呑む。
「その目的はどちらも動力源ですわね。どのような意図があってそのような物を欲しているのか聞いても?」
「単純に俺の新型機に必要な動力でな」
「……アクセルさんの機体はこの世界でも最高レベルのスペックを持っていた筈ですが……それが新型機、ですの?」
「ああ。確かにこの世界でも最高レベルではある」
そう。この世界では、な。
「けど、こっちにも色々と事情があってな」
「その事情というのは聞かせて貰えないのかしら」
ゾクリ、とするような流し目でこちらを見てくるローズ。……全く、レモン達のような恋人がいない状態で、尚且つローズの本性を原作知識として知ってなければどうなっていた事やら。
そんな風に思っている自分に苦笑をしつつ口を開く。
「別に構わないさ。それ程複雑な事情がある訳でもないからな。ただ単純にグロウセイヴァーが俺の反応速度に付いてこれなくなってきたってだけだからな。全力で戦闘をすると、数度の戦闘ごとにオーバーホールをしなければいけない程にな」
「それは……ですが、インスペクター事件終了後にシャドウミラーの機体が観測された事はありませんが?」
「俺達がそうそう他の奴等に見つかるようなドジな真似をするとでも?」
まぁ、正確に言えば別の世界で活動していただけなんだが。……それにしても、こっちではOGs。即ちインスペクター事件が終了してからまだ数ヶ月程度なのか。俺にとってはギアスの世界、SEEDの世界、ネギまの世界と2年程前の話なんだが。
「……まぁ、いいでしょう。ちなみに聞いておきますが、小さい目的と言うのは?」
「ん? あぁ、そっちで匿っているスレイ・プレスティを紹介して欲しいと思ってな」
「へぇ……彼女がうちで匿われているというのを良く知ってましたわね」
「そう難しい推理でもないさ。元々プロジェクトTDに関してはイスルギ重工が引き取っていた筈だ。そしてスレイ・プレスティとは何度か接触した事があるが、アイビス・ダグラスに対して色々と因縁がある。そのアイビス・ダグラスがヒリュウ改やハガネの方に付いた以上はスレイ・プレスティの行くべき場所はそう多くない。何しろプロジェクトTDを続ける為には相応の技術力や資金といった物が必要になるからな。そうなると、一番有力なのはかつてプロジェクトTDを擁していたイスルギ重工になる」
「……まぁ、いいでしょう。ですがアクセルさんの好みがああいう女性だとは知りませんでしたわね。確かに私がスレイ・プレスティを匿ってはいますが、だからと言って付き合う相手を決める権利はありませんわよ?」
「そうだな、まずは一度会ってからだな」
いや、嫌いなタイプじゃないのは事実だけどな。ただ、あのブラコンぶりがある限りは他の男に目を向ける気は無いだろう。そして俺はそのブラコンの原因であるフィリオ・プレスティの治療をする予定なんだから……
「そちらの要望は分かりました。最後の件はともかく、1つ目と2つ目。……特にトロニウムの件はもし協力するとしても非常に危険な橋を渡る事になるでしょう。私がその危険な橋を渡るメリットはなんでしょうか?」
さて、交渉についてもいよいよ本番か。
「一応、今の状態でこちらが出せる手札は3つある。まぁ、こちらの希望も3つだしな」
……手段を選ばないと言うのなら、それこそこれからOG外伝で起きる出来事を教えてやるという手段もあるのだが……それをやると原作の流れが狂ってしまう可能性が高い。バルトールや修羅、デュミナス辺りまでは俺が個人でどうにか出来るかもしれないが、その後。ダークブレインとシュウのネオ・グランゾンに関しては俺1人で相手にするのはかなり難しいだろう。やはりここは以前のインスペクターやアインストの時と同様にハガネやヒリュウ改に動いて貰うのがベストの筈だ。
「へぇ、3つですか。それを聞かせて貰えるかしら」
そんな風に考えていると、紅茶を口に運びながらローズが話を促してくる。
「まず1つ目。ガン・ルゥという機動兵器だ。6m以下の大きさしかないという点ではAMやPT全盛のこの時代だと軍に売りつけるのは難しいかもしれないが、民間の警備会社とかになら十分だろう。ちなみに、提供出来るのは1機だけだから解析に回すことをお薦めする。また、注意事項としてこの機体の動力源はこの世界では未知の物質だ。その辺を考えると宝の山……とまでは言えないが、それでも交渉材料にするだけの価値はあると思っているよ」
まぁ、KMFモドキと言うだけあって作りは粗雑で能力も低いが、それでもこのOGsの世界にあるAMやPTとは全く別の設計思想で作られた代物だ。イスルギ重工としては興味深いだろう。サクラダイトなんかは正真正銘この世界では未知の物質だろうから研究する価値はある筈だ。
「へぇ、確かにその話を聞く限りでは興味深いですわね。その機体はシャドウミラーが元々存在していた世界にあった兵器なのかしら?」
「どうだろうな。だがイスルギ重工の利益になるのなら機体の由来はどうでもいいだろう?」
「確かにそうですわね。そのガン・ルゥと言いましたか。確かに取引の為の材料として価値があると認めましょう。……もっとも、アクセルさんの言ってる内容が事実であるのなら、ですがね」
「そう焦るなよ。実機は用意してある。説明が全て終わって、それで交渉が成立したらきちんと見せるさ」
俺のその言葉に笑みを浮かべるローズを眺めつつ、紅茶を口に運ぶ。
「そして2つ目。これもまた機動兵器だ。スペック的にはそう大した事はないし、ガン・ルゥのように未知の物質が使われている訳でもない」
「でしたら、残念ながら取引材料にはならないのでは?」
「そうだろうな。科学技術的にはリオンよりも低い筈だ。だが、リオンやゲシュペンストといったAMやPTとは違う設計思想の機動兵器だ。こう聞くと興味が無いか?」
「……ちなみに、その機体のお薦めの点は何なのでしょう? ガン・ルゥという機体は未知の物質が使われているとの事でしたが」
チラリ、と大企業の社長としての視線を向けてくるローズ。その視線に籠もっているのは冷徹なまでに自分達の利益になるかどうか、という点だ。
「そう、だな。その機体。ストライクダガーと言う名称なんだが動力炉がある種のバッテリーでな」
「バッテリー? また、時代錯誤な物を」
まぁ、核融合ジェネレーターや、その発展系であるプラズマジェネレーターを使った兵器を作っていればそう思うのも仕方ないか。
「確かに機動兵器の動力炉としては問題外だろう。バッテリー故に時間制限とかもあるしな。だがイスルギ重工が作っているのは、何も兵器だけではないだろう? 民生品の類には十分活用出来ると思うが? まさか民生品の類に核融合ジェネレーターを使う訳にも行かないしな」
「……確かに。ですがそのストライクダガーと言いましたか。それ程の価値を秘めているとお思いで?」
「確かにバッテリー自体は古い技術だが、だからこそそのバッテリーをメインにして開発してきた機体には価値があると思うがね。それと、こっちはおまけだがストライクダガー用に開発されたビームライフル、ビームサーベル、対ビームシールドをセットで付けよう。当然どれもこの世界では既に実用化しているものだが、違う設計思想故に得られるヒントもあるんじゃないか?」
その言葉には思う所があったのだろう。視線の圧力が若干ではあるが弱まる。
「まぁ、その件に関してはいいでしょう。では、最後の取引材料をお聞きしましょうか」
さて、いよいよ最後。そして最大の駒となるべき技術のお披露目だ。これをイスルギ重工が……否、ローズがどう判断するかによってこの取引の全てが決まると言ってもいいだろう。そう思いつつ、口を開く。
「最後の交渉材料。それは……魔法、だ」
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:411
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