ぷよぷよ物語
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ボクの記憶
前書き
ボクはエコロ。
さっきこの世界にきたばっかりなんだ。
でも何でこの世界に来たんだろう?
前は別の世界にいたんだけど、居心地が悪くなっちゃった。
とりあえずこの世界を歩き回ってみよう!
ここはとっても面白そうだ。
(注意:ネタバレを含みます)
(恋愛ではなく、エコロの旅物語です)
「ん~、誰もいないなぁ」
ずいぶん歩き回ったけど、だ~れもいない。
海、花畑、洞窟、草原・・・。
森の奥の奥の方まで来てしまった。
次はどこに行こうかな。
――――あっ!
女の子だ!ポニーテールの愛らしい子。
「ねぇねぇ、そこのキミ!」
「ぅわぁ!!ボクのこと?」
「そうそう~、キミのこと」
こんな森の奥に人がいないと思ってたのか、
酷く驚かれてしまった。
「ボクはエコロ。さっきこの世界に来たんだ」
「(キョロキョロ)そうなんだ!ボクはアルル。よろしくね!」
アルルか、可愛らしい子だ。
でもさっきから周りをキョロキョロ見渡してる。
「ねぇ、何か探してるの?」
「うん・・・」
話を聞くと、黄色くて額に赤い宝石がついてる
ヘンな生き物を探しているみたいだ。
「もしかしてサタンに捕まっちゃったのかな・・・」
アルルが小声でボソッと、心配そうに言った。
「サタン?誰だい、それは」
アルルの話によると、そこまで悪人でもないらしい。
でもいつも変な建物を建てたりして
皆に迷惑をかけているとか。
サタンに会ってみたいな。
とっても面白くなりそうだ。
「じゃぁサタンの所に行ってみようよ」
「気は乗らないけど・・・・よし、行こう!」
森を更に進んだところで木々が急に開けた。
目の前には大きな崖が。
そこに橋がかかっている。
橋を見ていると、その奥に大きなお城が目に入った。
「ここがサタンのお城かぁ・・・・」
橋を渡ってきて城を目の間にすると
橋の手前で見たよりはるかに大きかった。
そう思っていると、目の前の扉が開いた。
「ア~ルル~♡♡♡」
アルルの名前を呼びながら
中から変な角がついてるおじさんが出てきた。
でもこの人、すっごく大きな力を持ってるのが伝わってくる。
「この人がサタン?」
「そうだよ。いつもボクに馴れ馴れしくするんだ」
アルルは嫌そうな顔をしてボクの後ろに隠れた。
「いかにも、私がサタンだ。ところで君は・・・」
サタンはボクの事をじ~っと見てきた。
「ボクはエコロ!よろしくね」
何かを察したように
サタンは軽く鼻で笑った。
それも束の間、アルルの方に歩み寄って
「アルルから来てくれるなんて光栄だ!」
「ボクはただカー君を探しに来ただけだよ!」
サタンはきょとん、とした顔をした。
「カーバンクルちゃん?いつもアルルと一緒じゃないか」
「そうなんだけど…どこかに行っちゃって」
「なるほど。しかしここにはいないぞ」
「そっかぁ、無事ならいいんだけどね」
その黄色くて額に赤い宝石がついている
ヘンな生き物の名前が『カーバンクル』っていうんだ。
話の流れで理解できた。
「じゃあボクはカー君探してくるね」
アルルは走り去ってしまった。
残されたボクとサタンは
アルルの姿が見えなくなってから話を始めた。
「ねぇねぇ、サタンのお城の中見てもいい?」
「フンッ、やけに馴れ馴れしいやつだな」
少し表情を曇らせてしまった。
でもボクはこの中が気になるんだ。
「しかし珍しい客人だ。入るといい」
「ありがとうサタン!」
それからボク達二人は
城の中を歩き回っていた。
ボクが何かを思い出せないことや
さっきこの世界にきたこと、
楽しいことが大好きなことなど
いろいろな事を話した。
「あ~あ、み~んな自分の中に夢を押し込んで
もっと自由、そして全開にすればもっと楽しいのに!」
ふと思いつく。
「そうだ!ボクとサタンでもっと自由な世界をつくろうよ!」
「ほう・・・、悪くない。その話に乗ろう」
「じゃあ手始めにおじ様の好きなことしてみようよ」
「お、おじ様!?」
「だってもう家族みたいなものじゃないか~」
「まぁいいだろう・・・。」
おじ様は半分諦めたように許してくれた。
そしてこの素晴らしい計画に乗ってくれた。
これからもっと楽しくなりそうだ!
「そうだな・・・私は嵐が好きだ。
木々が荒れ、雨が滝のように降るのだ」
「ボクたちの力を合わせれば嵐を起こすのなんて
楽勝だよ!!!」
僕とおじ様が空に手をかざすと
すぐに雲が厚くなり、雨が降り、
木々が揺れだし、雷が轟く。
「ほらね♪」
「第一段階完了、ってとこだな」
「どんどん行こっ」
「ならば次は・・・
アルルと私のための素晴らしい空間をつくろう!」
「おじ様趣味全開☆」
「自由なのだろう?何をしてもいいのだ!
フッハッハッハッハッハ!!」
やっぱり楽しくなってきた!
「この嵐は・・・・」
「アコール先生、どうしたんですか?」
「いえ、何でもないですよ。嵐がひどくなる前に
アミティさんも早くお帰りなさい」
「はーい」
「おい、彗星の魔道士」
「うん、この嵐の力は・・・・・」
「嫌な予感がする」
「シェゾはここであま~いお菓子でも食べててね」
「りんごーー!」
「あ、アミティ」
「この嵐、なんだか原因があるみたい」
「原因?」
「アコール先生の様子がおかしかったの」
「それはとっても気になります」
「あれ?二人共?」
「アルル!久しぶり!とか言ってる場合じゃないんだけど・・・」
「この、嵐。なんだか原因があるらしいです」
「またサタンが何かしてるのかな?」
「ならそのサタンとやらの元に行くしかないですね」
「アコール先生!?」
「アミティさん。貴方のお家はこっちではないはずよ」
「ごめんなさい先生・・・。でも私、原因が知りたいんです」
「・・・。先生としては生徒を危険な目に合わせたくないのですが・・・。」
「ボクたちもいます!」
「そうですね、三人なら任せられるでしょう
この嵐を止めてきてください」
「よし。アルル、アミティ、行こう」
「「うん!」」
「あはは!すごいいい部屋になったね!」
「さすがだ。あとはアルルと一緒になるだけ」
ボクは皆と楽しい思いをしたいだけ。
今はおじ様も楽しそうだし僕も楽しい。
最高の気分だ。
「サタン!!・・・とエコロ!?」
「丁度来たかアルル!私と一緒に夜空のハネムーン☆を
堪能しようではないか!!!!」
「ヤダ!」
「なら力づくで・・・!」
「ヤダっ!!」
「く・・・そこまで否定されると傷つくぞ・・・」
「それよりこの嵐を止めてください」
「そうよそうよ!」
アルルの友達らしき二人。
おじ様の自由を奪いたいらしい。
この二人も自分の夢を出したらいいのに。
「皆もっと自由になろうよ!」
そう、自由。
そうすればみ~んな楽しい。
「そうだ。私の夢ももうすぐ叶えられそうだ」
「ボクは我慢も必要だと思うんだ!」
「我慢?なんでする必要があるのさ。
そんなのぜんぜん面白くない」
この子達はボクとおじ様の
自由と夢を奪いたいのかな?
ならば
「おじ様とぷよで勝負して
君たちが勝ったら嵐を止めるよ」
おじ様は頭に変な帽子をかぶった子に勝ち
おじ様は頭にぷよのピンが刺さってる子に勝ち
おじ様はボクと最初に出会った子に負けた。
「ボクが勝ったんだから嵐を止めて!」
「くそ・・・でも従うしか・・・・」
そうはさせない。
もっと皆で楽しくなりたいんだから。
「ボクがおじ様の手助けをするよ!」
ボクはおじ様の力を解放させた。
それはあまりにも強力で
ボクの手にも、おじ様本人の手にも負えないほどだった。
「くっ・・・力が制御、できないっ」
「ぷよ勝負で勝つしかないだろうな」
「シェゾ!?」
「久しぶりだな、アルル」
「ついてくるなって言ったのに~」
「レムレスまで・・・」
「とりあえずここは僕にまかせてよ
君たちにはあま~いお菓子をあげるよ」
誰だろう。この怪しい人。
でも今のおじ様に勝てる人はいないと思うんだよね。
ほらほら、押されてる。
まだ4連鎖が最大だよ?
本当に勝てるのかな。
・・・・あれ?
ボクは何をしているんだろう?
何を忘れていたんだっけ?
皆で楽しくなりたかっただけ・・・?
「グラッサージュッ!!」
「負けた・・・。それに力が引いていく・・・!」
考え事をしてるうちに決着がついていた。
おじ様、負けちゃった。
これはもうしょうがないね。
嵐はおさまり、太陽が顔を出した。
僕はこれから何をし――――
「思い出した」
皆ボクを見て首をかしげている。
何を?と言わんばかりの顔で。
そう、ボクの正体。それは
「ボクは時空の旅人。どこの世界にも存在していない存在。
違う世界からまた違う世界へと時空の旅をする存在」
「だからボクはまた、違う世界に行くことにするよ」
「やはりそうだったのですね」
「アコール先生は知ってたんですか!?」
「ええ、それに・・・レムレスさんも」
「んー、まぁね」
ボクは皆の表情を確認して安心した。
もう、皆怒ってない。
「ぐぐぐ~!」
遠くから黄色い生き物が走ってきた。
この騒ぎに気がついて来たらしい。
「あ!カー君!どこいってたのー!?」
「ぐーぐぐ~!」
「どんぐりガエルたちと遊んでたのね!」
「ぐー!!」
カーバンクルも無事見つかったみたいだ。
さて、楽しかったこの世界にさよならしよう。
「じゃあ皆、ボクはもう行くよ。
楽しかった。ありがとう!」
皆寂しそうな顔をしてくれた。
またどこかで会えるといいな。
ボクは時空の旅人。
此処にいるけど此処にはいない。
どの世界でもいないという存在。
さぁ、旅を続けよう――――――
後書き
長くなってしまいました(;´Д`)
相変わらず文章力がなくて・・・申し訳ないです。
これからもジワジワ話を増やしていこうと思います。
第二作品目、
☆ここまで読んでくださりありがとうございました☆
♡Araki桜♡
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