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レインボークラウン

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第八十話

                  第八十話  風邪薬の難点
 お医者さんから言われたことをだ、今田先生はお家に帰ってから今日子先生にすぐにありのまま話した。
「コストがね」
「問題なのね」
「高麗人参入れたわよね」
「あと虎の肝とかもね」
「それにね」
 その他にも高価なものを惜しみなくだ。
「色々入れたから」
「お金がかかるっていうのね」
「実際に沢山作るとね」
「じゃあお店で売ったりとかは」
「出来ないって言われたわ」 
 あまりにもコストが高くなり過ぎてだ。
「それは無理だって」
「効果はあってもなのね」
「そう、確かに一粒で治るけれど」
 それでもだというのだ。
「一粒でね」
「けれどその一粒がなのね」
「物凄く高くなるから」
 だからだというのだ。
「無理って」
「ううん、効果はあっても」
「他のものでないとね」
「けれど普通の作り方だと」
 どうかとだ、今日子先生は今田先生に返した。
「あんな効果はないわ」
「私達基本的にコストとか考えないからね」
「魔女だからね」
 商売をする立場ではないのだ、魔女は。
「占いとかも出来るけれどね」
「それでもよね」
「そう、お商売のことは知らないから」 
 お金持ちであってもだ。
「そういうことはね」
「学んでこなかったからね」
「どうしても疎いから}
 だから作ることは出来てもだというのだ。
「そこまで考えることはね」
「しないのよね」
 それが問題なのだった、先生達はコストの問題に突き当たった、そしてこのことに対する答えはどうかというと。
「じゃあレシピは残しておくけれど」
「調合方法はね」
「けれどね、これはね」
「頼まれた時だけ作るってことでね」
「そうしましょう」
 売ったりはしないということになった。
「そういうことでね」
「ええ、それじゃあ」
 こう二人で話してだった。
 薬の調合方法を書いたレシピはちゃんと残された、しかしそれを積極的に表に出すことはしないことになった。


第八十話   完


                         2013・11・8 
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