緋弾のアリアGS Genius Scientist
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イ・ウー編
武偵殺し
6弾 平賀文
アリアのいる自室から逃げ出した俺は、装備科棟へ向かっていた。
装備科棟の地下には多くの研究所が存在しており、所属する生徒に二人一組で与えられているのだ。
装備科棟に着いた俺はエレベーターに乗り、地下へと降りた。エレベーターから降りてしばらくすると、研究所に着いた。
研究所のドアにかかっているプレートにはこう書かれている。
<1008 薬師丸ミズキ・平賀文>
1008というのは部屋の番号で、平賀文というのはこの部屋のもう一人の使用者のことだ。まあ、文は自宅通学だからほとんどこの部屋を使わないんだが。そう、例えば新しい武器を手に入れたり、実験を思い付いたりしない限りは。
しかし今日はそのどちらかだったようで、ドアの隙間から微量の光が漏れていた。
コンコン
俺の部屋でもあるので別にノックしなくてもいいのだが、念のため(一度、ノックせずに入ったら、文が着替え中で大変なことになった)ノックをしてみる。
すると中から、
「はいはーい!入ってきてどうぞなのだ!」
という元気な声で許可が下りたので、俺は部屋の中へ入る。
「よう、文。珍しいな、おまえがここに残ってるなんて」
「おおー!ミズキ君こんばんはなのだ!あややは今、お昼に理子ちゃんからもらった爆弾で遊んでるのだ!」
「理子から?爆弾?……って、ああ。あれのことか」
おそらく今朝起きたチャリジャックのときに仕掛けてあった爆弾だろう。あの事件は理子が所属している探偵科と鑑識科が共同で調べていたから、解析が終わった爆弾の処理を押し付けられた理子が、その手のものが好きなあややにプレゼントしたんだろ。
「それで、ミズキ君はいったいどうしたのだ?こんな中途半端な時間から来るなんて珍しいのだ!」
「ん?ああ、ちょっと色々あってな。ここに逃げてきたんだ」
「色々?色々ってなんなのだ?」
「いや、えっと、それはデスネ……」
まずい!あややはよくも悪くも素直だ。俺がアリアと揉めてるなんて話をしたら、理子あたりに話してしまうに違いない。そしてそうなったらおしまいだ。恋愛系の話が大好きな理子のことだ。徹底的に俺やアリアのことを調べてくるぞ。へたしたら根も葉もない噂をたてられかねない。
しかし、親友である文に嘘を吐くのも忍びない。さて、どうしたものか……
「あ!もしかして噂の神崎さんと何かあったのだ?」
「ブッッッ!!!!」
あまりの驚きに、盛大に吹いた。
「うわ!ミズキ君、汚いのだ!」
「ごほごほッ!な、何でその話を……?」
「何でって言われても、あややは単に、お昼に理子ちゃんが色々なところで「A組のミーくんとアリアの熱愛発覚!」とか「ミーくんはアリアと付き合ってる!ミーくんは実はロリコンだった!?」とか言いふらしてるのを聞いたからなのだ」
「OK。だいたいの事情はわかった……」
なんつーことしてくれてんだよ理子。明日学校に着いたらきっちりお仕置きしなくては。
「それでそれで!?結局のところ、どうなのだ!?」
「どうなのだ、って何が?」
「ミズキ君と神崎さんの関係なのだ!本当に二人は付き合ってるのだ!?」
うっわー。目が超きらっきらしてるよこの娘。どんだけ期待してんだ。別に何もないってのに。
「別にそんなんじゃない。理子が勝手に騒いでるだけだ」
「そうなのだ?残念なのだ……」
おい、やめてくれ。そんなしょんぼりした顔するなよ。なんか俺が悪いことしたみたいだろうが。
「と、とにかく、俺はもう寝る。なんか手伝う事とか用事があったら呼んでくれ。なんでも手伝うから」
部屋に設置されているベッドの上に寝転がり、寝る準備をする。
「分かったのだ!ミズキ君、おやすみなさいなのだ!」
「おやすみ、文」
文に挨拶し、まぶたを閉じると、すぐに眠気がやってきた。
(今日は一日、色々あって疲れたからな……)
後書き
皆さんこんばんは!白崎黒絵です!
え?なんか今回は分量が少なくないかって?はい、そうなんです。ごめんなさい。
お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、今回はなんと初の完全オリジナル回なんですよね。
しかしこれがまた難しく、分量が大幅に少なくなってしまいました。もう一度言います。ごめんなさい。
オリジナル設定などが多数出てきた今回。中でも注目すべきは、装備科が誇る天才、平賀文ちゃんの登場です!いやーいいですよね、あやや。可愛いですよね、あやや。
それじゃあ今回はそのとっても可愛らしいあややさんからのコメントです!
「分量が減っちゃって、ごめんなさいなのだ!」
それではまた次回。今度もなるべく早く出来るように頑張ります!
疑問、質問、感想などありましたら送ってください!「緋弾のアリア」談義でもいいですけど。
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