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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0464話

 SEED世界でパンドラの箱の実験をしてから数日。現在の俺は再びオーブにあった。ただしオーブの行政府ではなくゲート付近だ。ここでオーブからの使者を待っている。
 ……そう、今日は以前からエザリアがブルーマーズ計画と同時に進めてきたオーブと麻帆良の交易に関しての交渉の日なのだ。なので今日の主役はあくまでもオーブと麻帆良の者達であり、俺はあくまでも仲介。第3者といった所か。

「無事交渉が纏まればホワイトスターの利用料やら何やらで結構な利益になるんだけどな」

 呟き、こちらに向かって走って来る2台のエレカに視線を止める。

「……って、おいおい。本気か?」

 先頭のエレカに乗っているのは恐らくオーブの交渉担当者だろう数名の男女。これはいるのが当然なので全く問題無いのだが、その後ろを走っているもう1台のエレカを運転しているのはアスランであり、その隣にはいつものように秘書風のスーツを身に纏ったカガリの姿があった。
 基本的にウズミの秘書として活動しているカガリとその護衛のアスラン。この2人がここに来るという事は、恐らく交渉団の一員な訳で……

「カガリに務まるのか?」

 恐らくはウズミが経験を積ませようとして加えたんだろうが、妙な発言をして魔法使い達を怒らせないといいんだが。
 そんな風に考えている間に2台のエレカが俺の前で止まる。
 そして先頭の1台から40代程の男が降りてきて俺へと頭を下げてくる。

「アクセル・アルマーさん、今日はよろしくお願いします」
「ああ。ただ分かっていると思うが、俺が出来るのはあくまでも仲介だ。この世界に有利に話を進める事も、逆に向こうの世界に有利に話を進める事も出来ない。それは理解しているな?」
「はい。勿論です。交渉に関しては私達が頑張りますので」
「……で、お前達は何でいるんだ?」

 2台目のエレカから降りてこちらへと向かって来ているカガリとアスランへ視線を向ける。

「む、別に勝手に付いて来た訳じゃないぞ。お父様から経験の為にもしっかりと見てこいと言われたんだ」
「そりゃよかった。何せどこかのお嬢さんは勝手にアフリカのレジスタンスに潜りこんでいた実績を持ってるからな」
「そ、それは……」
「アクセルさん、カガリをからかうのはその辺で」

 苦笑を浮かべたアスランに、軽く肩を竦めて視線向ける。

「で、お前の服装から言うと今回もカガリの護衛か?」

 サングラスに黒いスーツという、いかにもSPですと言わんばかりのアスランの格好に思わず小さく眉を顰めてしまう。

「はい。ウズミ様から頼まれまして」
「うーん……まぁ、護衛をすると言うなら構わないが……」
「その、俺が護衛だと何か拙い事でもあるんですか?」
「いや。MSがあるのならともかく、生身だと向こうの魔法使いにはまず勝てないぞ?」
「アクセル、お前アスランを馬鹿に」
「してる訳じゃない。純粋に生身での実力の話をしている」

 カガリの言葉を途中で切ってそう斬り捨てる。それでもまた納得してないようなカガリに、溜息を一つ。

「いいか、良く見ておけ。ついでだ、そっちの交渉団もだ。お前達がこれから交渉する相手がどういう力を持っているのか、その一端を教えてやる」

 その言葉にカガリやアスランだけでなく、交渉団の視線も集まっているのを確認してから瞬動を発動。次の瞬間、俺の姿は今まで立っていた場所から10m以上離れた場所に存在していた。
 にしても、この短い距離の瞬動を……しかも1回使った程度でSPを10以上も消費するとはな。さすがにコストパフォーマンスが悪い。莫大なSPを保持している俺に取ってはまだ許容範囲内ではあるが、普通の魔法使いだとネギま世界で使ってるように連発するのは難しいだろう。

「え? あ、あれ?」
「……」
「これは……」

 カガリが混乱し、アスランが唖然とし、交渉団のリーダーらしき男が絶句する。
 その様子を見ながら今度は普通に徒歩で歩きながら口を開く。

「瞬動という一種の高速移動術で、ネギまの世界でも一定以上の強さを持つ者なら一般的な技術だ。分かったか、向こうの世界は確かに科学技術においてはこの世界に大きく劣っているが、こと生身の戦闘に限定をするのならこの世界の者では足下にも及ばん」

 稀にラカンのように生身でもMSと互角にやり合えそうな規格外もいるが。

『……』

 さすがに瞬間移動の如き移動方法には唖然としたのかオーブ組が沈黙をする。……しまったな、ちょっと脅しすぎたか?

「あー、もちろん今のはその世界の発展方法の違いって訳だ。現にこっちのSEED世界では人型機動兵器であるMSが普通に使われるようになっていたり宇宙にコロニーを幾つも浮かべているが、それは向こうのネギま世界では到底出来ない事だ。だからこそ交易する価値ありとウズミが判断してお前達交渉団を派遣したんだろう?」
「……そうですね。今回の交渉は頑張らないといけません」

 交渉団のリーダーが頷き、その他の面々も同様に改めて今回の交渉がどれ程の大事であるのかを理解する。……まぁ、異世界との交易を行う為の交渉なんだからどう考えても一大事業ではあるんだろうが。もしこの交渉が上手く纏まったらオーブの名前は間違い無く未来永劫このSEED世界に残るだろう。麻帆良に関しては、裏の世界の人物である魔法使い達がする交渉だから表向きに名前が残る事はないだろうが。
 とにかく気を取り直したオーブの交渉団一行と俺は、エアカーに乗ってゲートへと向かいSEED世界からホワイトスターへ。ホワイトスターから麻帆良へと転移を完了する。





「ここが、麻帆良。思ったよりも普通の……普通の?」

 雪広財閥と那波重工の協力により、ゲートを囲むようにして作られた建物から外に出たアスランが呟き……世界樹の姿を見て思わず絶句する。
 まぁ、あんな馬鹿でかい木が都市の中央にあれば当然だとは思うが。

「ようこそ麻帆良へ。アクセル・アルマーさん、それとオーブ連合首長国の交渉団の皆さん。私は今回案内をさせて貰う葛葉刀子と申します」

 オーブの交渉団一行が世界樹に見とれていると、スーツ姿の女が姿を現す。葛葉刀子。確か魔法使いじゃなくて神鳴流の剣士だったか。
 涼しげな表情を浮かべながら小さく笑みを浮かべているその様子に、我に返った交渉団のリーダーが頭を下げる。

「初めまして、オーブの交渉団を任されておりますダイチ・レーリックと申します」

 交渉団のリーダー――ダイチ・レーリック――が笑みを浮かべて頭を下げ、葛葉と握手を交わす。

「では早速ですが、今回の交渉の場所へと案内させて貰います」

 そう呟き、俺達を先導するように歩き始めた葛葉の成熟した女の色香を醸し出しているその背へと思わず声を掛ける。

「あー、一応聞いておくが交渉場所は学園長室とかだったりしないよな?」
「……ええ、もちろんです。当然相応しい場所を用意しております」

 それは良かった。まさか一国と一国。この場合はオーブと麻帆良――いや、MMと言うべきか――の交渉をまさか女子中学校でやる羽目になったらどうするかと思った。
 そんな風に考えていると、何故かカガリとアスランの視線が俺へと向けられているのに気が付く。

「どうした?」
「いや、どうしたじゃないだろ。何かお前、ここに来てから調子が変だぞ? 妙に動きが鈍いと言うか……」

 カガリのその言葉に、思わず意外そうな視線を向けてしまった俺は悪くないだろう。一般的な軍事訓練を受けた訳でもないカガリが、学園結界で能力を大きく落としている俺の様子に気が付くとは思わなかった。もし気が付くとすればアスランだとばかり思ってたんだが……いや、一応明けの砂漠で活動してたって事は最低限の訓練は受けているのか?

「……何だよ?」
「いや、何でも無い。まぁ、簡単に言うとこの麻帆良という場所は人間以外の存在には厳しい環境な訳だ。取りあえず今は俺の事よりも交渉を成功させるのを最優先にしろ。俺に関しては気にしなくてもいい」
「分かった」

 カガリが不承不承頷き、そこから10分程歩いた場所。女子寮から駅に向かう途中の通路の脇に一軒の家が建っていた。見覚えのないその割と大きめの家に視線を向けていると、葛葉は躊躇せずにその家の中へと入っていき、俺達もまたその後に続く。
 なるほど、わざわざ交渉用に家を一軒建てたのか。この辺は麻帆良の魔法万歳といった所か? あるいは葉加瀬辺りが動いたのかもしれないが。
 家の中に入り、スリッパに履き替えると葛葉がこちらへと振り向く。

「交渉に関してですが、このまま始めますか? それとも一度休憩した方がよろしいでしょうか?」
「このまま始めて下さって構いません」

 交渉団の一員であるレーリックの言葉に葛葉が頷き、そのまま奥の部屋へと向かう一行。一応俺も今回はシャドウミラーの代表として見届け人的な役割があるのでその後に続く。……まぁ、エザリアがいる筈だから難しい判断に関してはそっちに任せればいいんだがな。
 そんな風に思いながら進んで行くと、やがて1つの部屋へと案内される。部屋の中は会議室のようになっており、近右衛門を始めとする魔法先生が数人揃ってこっちを待っていた。そして少し離れた場所にはシャドウミラーとしてエザリアの姿もある。

「オーブ連合首長国の皆さん、良く来て下さった。儂がこの麻帆良を治めておる近衛近右衛門という者じゃ。同時に関東魔法協会の理事も務めておるので今回の交渉の麻帆良側の最高責任者だと思って貰っても構わんよ」
「っ!? ……初めまして。オーブ連合首長国の交渉団代表のダイチ・レーリックといいます」

 近右衛門の後頭部を見て一瞬驚いた様子を見せたが、それを押し殺してレーリックがそう言い、近右衛門と握手を交わして勧められた席に着く。
 ちなみに、その後ろではアスランが近右衛門の後頭部を見て驚きの声を叫び出しそうになったカガリの口を押さえていたのだが……魔法使い側はそれをスルーしてくれたらしい。まぁ、麻帆良側でも何に驚いているのか大体分かっているからこそだろうが。

「アクセル君……いや、アクセル殿も良く来てくれた。今回の交渉が実現したのは間違い無くアクセル殿の率いるシャドウミラー、そして仲介してくれたエザリア殿のおかげじゃ。今回は見届け人という事になっておるらしいがよろしくお願いする」

 こちらに向かって頭を下げてくる近右衛門。さすがに公の場だけあっていつものように君付けではないか。

「ああ。今回の交渉はホワイトスターを中継地とした異世界間で行われる初の交渉となる。この交渉が以後の異世界間交易に関する下敷きとなるだろうから、双方忌憚のない意見を出し合ってくれ。エザリアからも言われていると思うが、あくまでも俺達シャドウミラーは今回は見届け人でありオブザーバーだ。どちらの世界か一方だけに有利な風にはしないつもりだから安心してくれ」

 そう言い、エザリアの隣へと移動して腰を掛ける。

「アクセル・アルマー。お疲れ様です」
「ああ、そっちもな。麻帆良とオーブの仲介役をしてくれて助かった」
「任された仕事をこなしただけです」

 薄い笑みを浮かべるエザリアと話している間にもオーブと麻帆良の交渉は早速始まっていた。まずオーブの代表であるウズミの娘のカガリを紹介して主導権を握ろうとするオーブ勢。それを老獪さで受け流す近右衛門と言った所か。
 オーブ勢の希望する輸入品はいわゆる魔法関係の代物だ。具体的に言えば魔法学校で使っている魔法書や初心者用の魔法発動体、あるいはマジックアイテムの類や出来れば魔法使い数人を派遣して欲しいといった内容。
 それに対して麻帆良側で希望しているのは当然より進んだ科学技術を持っているオーブの工業用品等だ。そもそもオーブはSEED世界の中でもコーディネーターを受け入れている為に、コーディネーターと戦っていた連合軍に比べれば科学力・技術力共に高い。……まぁ、さすがに人口の殆どがコーディネーターであるプラントには及ばないだろうが。
 本来であればお互いが自分達の武力や権力といったものを臭わせるような交渉になるのが普通なのだろうが、異世界間交易、そしてその最重要組織であるシャドウミラーのリーダーである俺がいるというのもあってか、それ程生臭くない状態で交渉は続いていく。
 交渉自体もエザリアを通してお互いの妥協点を探ったりしていたのだろう。数時間程度で無事締結される事になるのだった。
 とは言っても、あくまでも今日結ばれたのは初の異世界間交易の第一陣。その為にお互いが無理な要求はせずにオーブ側からは高い科学技術を活かして作られた機械部品の類、それとM1アストレイを1機。麻帆良側からは魔法の教科書と魔法発動体とマジックアイテム各種。そして魔法の指導役となる魔法使いが1人。
 本来であればオーブ側としてはM1アストレイを1機であるとは言っても輸出するのを渋っていたのだが、魔法使いとのトレードという条件で結果的に話が纏まる事になった。……随分とオーブ側に有利な条件ではあるが、1国と1学園都市である事を考えれば妥当な所だろう。
 こうしてお互いに契約書に署名をし、第1回の交易交渉は無事終了したのだった。
 今回の交易が無事に成功すれば2回、3回と交易は進んで行くだろう。その交渉に関してはシャドウミラー側から何人か出す必要もあるだろうが、わざわざ俺が出る必要は無いと思う。 
 

 
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊
    ???

撃墜数:411 
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