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MS Operative Theory

作者:ユリス
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MS開発史①

——「外骨格」から「内骨格」へと進化した、モビルスーツ初期のテクロノジー——

 U.C.0070年代、ミノフスキー粒子散布環境化に対応した兵器としてMSが実用化された。

 ジオン公国軍が史上初の実戦型MS、MS-05(ザクⅠ)を完成させた時点で、頭頂高18mの人型兵器という基本フォーマットや、小型ミノフスキー・イヨネスコ型核反応炉、熱核スラスター(初期には科学熱燃料ロケット搭載機も存在した)、AMBACシステムなどの基礎技術は確立されていた。

 この時点で、MSは宇宙艦艇や宇宙戦闘機、そして主力戦車に代表されるAFVをも凌駕する戦闘能力と性能を示した。宇宙世紀におけるRMA(軍事における革命)が、結実した瞬間であった。

 次にMSに変革をもたらしたものが、MS携行用ビーム兵器—————ビーム・ライフルやビーム・サーベル—————の実用化である。

 ザク・シリーズなど、ジオン公国軍が一年戦争初期に運用したMSは、対艦や対コロニー用として、核バズーカを装備することもあり、絶大的な火力を誇っていた。

 しかし、核バズーカは陸戦用の装備を持つこと、南極条約によって核兵器が使用禁止になったことにより、MSの相対的な火力は低下した。非大量破壊兵器の中でも最大の火力を持つメガ粒子砲も実用化されていたが、MSが携行できるサイズまでの小型化は困難であった。

 しかし、地球連邦軍が「エネルギーCAP」の開発に成功、遂にRX-78(ガンダム)用のビーム・ライフル「XBR-M-79-07G」が実用化された。

 これにより、MS用マシンガンなどの実体弾式火器を主兵装としていたMSは、ビーム・ライフルの装備により、宇宙艦艇をも一撃で撃沈するほどの攻撃力を獲得したのである。この語、ビーム・ライフルはU.C.0080年代中期にはほぼ全てのMSの標準装備となった。

 関連技術の成熟により、最強の兵器の座を確固たるものとしたMSだったが、問題点がなかったわけではない。整備性や拡張性の面における問題が指摘され始めたのである。

 これを解決し、さらなる駆動性と柔軟の向上を目指して開発された技術が、駆動内骨格とも形容される「ムーバブル・フレーム」である。一年戦争期のMSは、装甲外殻式のモノコック構造や、モノコック構造とフレーム構造を融合させたセミ・モノコック構造などを採用していた。

 これらは生産性の向上に寄与したが、装甲外郭内に機器を搭載する都合上、拡張性に乏しく、整備性も低下する傾向にあった。これに対し、ムーバブル・フレームは駆動式の内骨格であるため、機器類をフレームに追加することが可能となり、理論上は無限の拡張性を確保可能であった。

 こうしてムーバブル・フレームは、それ以前のMSを第一世代MSという過去の存在に追いやり、新世代MSの中核をなす技術となった。ムーバブル・フレームは、以降のMSにも受け継がれ、第三世代MS(可変MS)や第四世代MS(高火力⁄サイコミュ搭載MS)を生み出す基礎を形成していった。





補足事項

——MS支援システムの進化——

 MSは一年戦争で他の兵器を凌駕する戦闘能力と汎用性を実証した。しかし、重力下を中心とした行動半径の狭さや、攻撃力、防御力の不足が指摘され始めた。

これらの問題は、新型MSの開発と併せて改定されることがほとんどだが、開発期間や資金的、技術的問題などから、既存のMSに対応した支援機器が開発されるケースも多くみられた。

特に、MSの行動半径と展開速度を大きく向上させたサブ・フライト・システム(以下SFS)は、U.C.0150年代に至っても使用され続けている。


■サブ・フライト・システム

 MSの行動半径を拡充させるために開発された、MS用の航空⁄航宙機。MS用の増加ブースターとも言える機材である。U.C.0080年代中期以降、急速に普及した。


■外装式大型兵器

 ビーム・ライフルの実用化に伴い、MSや艦艇の耐ビーム能力も向上した。そのため、メガ・ランチャーなど、それを撃破可能なMS用大型ビームも開発された。


■フルアーマー・オペレーション

 攻撃力と防御力の向上を図るため、兵装内蔵式の増加装甲も検討された。しかし、コスト面などに問題を抱えていたため、一部の試作機に採用されるに止まった。

 
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