転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0462話
「ここが平行世界……実際に見るのは初めてだけど……」
ネギが呆然とした様子で海に囲まれた島国であるオーブを見て呟く。
その隣では神楽坂、長瀬、長谷川の3人も興味深そうに周囲を見回しており、フェイトだけがいつもの無表情に見える仕草でオーブを眺めている。
現在俺達がいるのは、オーブの旧モルゲンレーテの地下工場に設置してあるゲートから出た場所だ。
そんな5人と、これまた同様にネギの肩で珍しそうにキョロキョロしているカモを見ながら空間倉庫からアラスカ脱出時に入手した戦闘ヘリを取り出す。
「おい、そろそろ行くぞ。オーブの様子が見たいのなら用事が済んでから案内してやるから」
そう声を掛けられ、ようやく我に返ったのだろう。慌ててヘリに乗り込んでくるネギ達。
「って言うか、結局このヘリもお前が操縦するのかよ」
操縦席に座っている俺を見て、長谷川が呆れたように呟く。
「そりゃそうだろ。ブルーマーズ計画の根幹とも言えるパンドラの箱に関しては知ってる奴は少ない方がいいんだし」
「じゃなくて、車はともかく何でヘリまで操縦出来るんだよって話だ」
「そ、そうよそうよ。もし飛んでて落ちたりしたらどうするのよ!」
「大丈夫ですよアスナさん。何かあったら僕が魔法で何とかしますから」
「あ、それは無理だぞ」
ネギの言葉に待ったを掛ける。
「え?」
「そうか、そう言えばこれに関しては言ってなかったな。理由は分からないが、ネギま世界以外の世界では魔法を使うのに大量に魔力を消費する。しかもその時々によって消費する量も変動する。具体的に言えば『火よ灯れ』を使ったら『燃える天空』並に魔力を消費したな。それにこの世界では魔法なんて裏だろうが表だろうが存在していないんだ。将来的にならともかく、今の状況で人目に晒すのは面白くない」
「でも、それじゃあ落ちたらどうするのよ!」
ネギへと説明していると、神楽坂が大声でそう言ってくる。
「いや、そもそも何で墜落するのが前提で話を進めてるんだよ」
「だってアクセルだし……」
「……1度お前の頭の中を調べてみたいな。とにかく安心しろ。俺は元々特殊部隊の実行部隊を率いていた男だぞ。ヘリの操縦程度問題無く出来る。これでも士官学校主席だしな」
「う、うそ……あ、でもそう言えばアクセルってテストの成績は良かったし……」
神楽坂がなにやらショックを受けている間にヘリを発進させる。
「ちょっ、ちょっと。出すなら出すって言ってよね」
「まぁまぁ、アスナ殿。もう発進したんだからここで慌てても無意味でござるよ。それにアクセル坊主の手際を見る限りでは、まごつくこともないからきっと大丈夫だと思うでござる」
「……さすがに坊主呼ばわりは止めて欲しいんだがな」
「おっと、失礼。ではこれからはアクセル殿と呼ばせてもらうでござる」
ニンニン、といつものように笑いつつそう言ってくる長瀬。
「それにしても、こうして見るとオーブという国はかなり小さいらしいね」
ヘリの窓からフェイトがオーブの全貌を見渡しながら呟く。
「エザリアとかいう人から聞いた話では、地球の殆どの国やコーディネーターとかいう集団を敵に回して、この世界で起こった戦争で戦勝国になったって聞いたんだけど……」
そう言いながら、チラリとヘリを操縦している俺の方へと視線を向けてくるフェイト。
「もしかして君達の力かな?」
「ちょっと、それ本当!? この世界ってそんなに物騒なの!?」
「神楽坂、落ち着け。戦争はもう終わってるからそんなに物騒じゃないさ。フェイトに関して言えば大体その通りだとは言っておく。ただ、元々このオーブという国は高い技術力を持ってた国でな。地球連合軍、大雑把にだがお前達にも分かりやすく言うのならアメリカ、中国、ヨーロッパが作ったストライクダガーという機体――ブルーマーズ計画で使う予定のあれだな――よりも高性能の機体を作りあげる程度には技術レベルが高い国だ」
まぁ、連合軍に依頼されたガンダムをベースにしたからこそだったりするんだが。
と言うか……
「神楽坂、ホワイトスターでも言ったが俺の記憶を追体験してるのに何で今更驚いてるんだ。俺の記憶でオーブに所属して戦争をしてただろ?」
「え? あ、そう言えばそうだったわね。こうしてリアルに見るとどうしても……」
そんな風に会話をしつつもヘリを飛ばして約30分。セイラン家所有の無人島の1つへと到着する。あぁ、無人島は無人島でも魔法球に取り込んだ島じゃない。別荘の類も何も無い、本当の意味での無人島だ。
……セイラン家が所有していたので結果的に俺の物になったんだが、何の為にこんな島を所有してたんだろうな? まぁ、自然はたっぷりあり……と言うか、自然しかないというのが正しいから魔力を集めるのには向いてるんだろうが。
「この島なら魔力を集めるのを誰かに見られるという事もないだろう。俺の島だし何があっても問題無い」
「えっ!? アクセル君の島なの、ここ!」
「例のセイラン家が所有していた島だからな。結果的に俺に譲渡された訳だ。それより驚くのはいいからパンドラの箱を試してみろ」
「あ、うん」
ネギが頷き、草むらの地面へとパンドラの箱を置く。すると次の瞬間、ホワイトスターで見た時に比べてかなり眩い光がパンドラの箱から放たれる。
「ホワイトスターの時は30秒くらい経ってから光ったんだがな」
「そうだね。多分、魔力量の差じゃないかな。ホワイトスターはあくまでも人工物であるのに対して、ここは地球だから」
ネギがそう言葉を返しつつも、やがて微かに眉を顰める。
「どうした?」
「うーん……確かにホワイトスターよりは魔力の量も質も上なんだけど、それでも麻帆良で実験した時と比べると数段階くらい下なんだよね」
ネギの言葉に、その理由を考える。
魔力の量や質が低い。それが恐らくこのネギま世界以外で魔法を使う時に大量に魔力を消費する理由なのだろう。そうなると……待て。低い? いや、ホワイトスターやSEED世界の魔力が低いんじゃなくて、ネギま世界の魔力が高いんじゃないのか?
ふと思いついたその内容を皆に……と言うか、ネギとフェイトへと話してみる。
バカレンジャー2人は話の内容が分かっていないらしく右の耳から左の耳に通り抜けて行ってるし、長谷川は頭が悪い訳じゃないが、あくまでも常識的な範囲でだしな。
「なるほど、その可能性はあるかも。僕達の世界が魔力に満ちているんだとすると……」
「うーん、でもそうなると他の世界から魔力を集めて魔法世界を維持するというのは難しいんじゃないかい?」
ネギが頷き、フェイトが難しい顔でそう尋ねてくる。
「いや、そうでもない。ネギまの世界が魔力で満ちていると言うのなら基本的には他の星から魔力を持ってきて、ホワイトスターやSEED世界の魔力に関してはどうしようもなくなった時の緊急時用と考えればいい」
「つまり予備電源みたいな扱いって事か」
長谷川がポツリと呟く。
「そうだな、その考えでいいと思う。それにしても1度はネギま世界の他の惑星で魔力を吸収出来るかどうか試してみないといけないが。もし他の惑星でも碌に魔力を回収出来ないようならまた別の手段を考えないといけないしな」
「あぁ、そうそう。その件だけど、金星はやめておいた方がいい」
「ん? そう言えば以前もそんな話をしていたな。何でだ?」
「……そうだね、君達にもこの事に関しては言っておいた方がいいか。魔族を知ってるよね」
尋ねるように聞いて来たフェイトに、神楽坂が真っ先に反応する。
「当然でしょ! そもそもあんたが麻帆良に送り込んだんじゃない。あのエロ悪魔!」
そう言えばヘルマンの趣味か何なのか、あの時は妙に色っぽい下着に着替えさせられていたな。
そんな風に2人のやり取りを見守っていると、フェイトが小さく首を振る。
「ちょっと違うね。ヘルマン伯爵は悪魔。悪魔と魔族は似て非なる者、違う存在なんだよ。で、その魔族達の住んでいる魔界が金星に存在する訳だ」
「……ちょっと待て。つまりそれは火星に対して魔法世界があったように、金星に対して魔界があるという認識でいいのか?」
「そうだね。概ねその方向性で間違ってないよ」
まさか金星に魔界があるとか……いや、魔族がいるとなるとそれも不思議じゃないのか? それで悪魔と魔族が違う存在なら、悪魔が住む場所もどこか他の星に異界として存在してるんじゃないだろうな。
そんな俺の表情を見て何を考えているのか大体予想したのだろう。フェイトが微かな……ほんの微かな笑みを浮かべて首を振る。
「安心していいよ。異界があるのは金星だけだから、他の惑星で魔力を集める分には問題無い筈だ」
「……そうか。助かる。もし全ての星から魔力を集めるのが駄目だとなると手の打ちようが無かったからな」
そう安堵の息を吐くが……
「まぁ、僕が知らないだけで何らかの異界がある可能性は否定しきれないけどね」
いらない突っ込みを受けるのだった。
「……まぁ、取りあえず非常電源的な扱いではあるがこのSEED世界からでも魔力を集められるというのは判明したんだ。今回の目的は果たしたと思っていいんじゃないか?」
「うん、ちょっと残念な結果だったけど確かにそうかも」
ネギとしては他の惑星まで行かなくても、このSEED世界やホワイトスターで十分な魔力を回収出来るというのがベストだったのだろう。
「ねぇ、この世界でもホワイトスターでも駄目だったんならギアスの世界って言ったっけ? あそこは駄目なの?」
意外に鋭い神楽坂の言葉に小さく首を振る。
「あそこはやめておいた方がいいな。危険度が段違いだ」
その言葉に、俺の記憶を追体験していなかった長瀬、長谷川、フェイトの3人とカモ1匹が説明を求めるような視線を向けてくる。
「そうだな、簡単に言えばそのギアスの世界というのは外国に占領されてるんだ。しかもちょっと前に日本人が大規模なテロを行った為に矯正エリアというランクに格下げになって日本人に対する風当たりが異様に強い。……と言うか、占領した国以外の人物にはというのが正しいか」
「うわ、マジか。さすが平行世界。そういうパターンもありな訳だ」
うんざりしたといった様子で長谷川が呟く。
「だろうな。お前達自身は自覚がないんだろうが、お前達の世界、ネギま世界は俺が見てきた中では屈指の平和さを誇る世界だよ」
何しろ俺の元々の世界はインスペクターに占領されるは、アインストに感染したベーオウルフのキョウスケが暴れまくっていたし、そこから脱出したOGsの世界ではここも同じくアインストやらその他諸々が暗躍。ギアスの世界は既に日本はエリア11にされており、SEEDの世界では戦争真っ直中に転移した。
……こうして見ると、麻帆良って本当に平和なんだな。
「へぇ、色々と物騒なんでござるな」
長瀬の言葉に思わず苦笑を浮かべて全員でヘリに乗り込む。
「そうだな、このまま帰るのもなんだしちょっとオーブに寄っていくか? あそこは基本的に日系人が多いから、日本と似たような感覚でいい筈だし」
「うお、マジか。異世界の街並みを体験とか。……いや、ブログにアップ出来る内容じゃねーか」
長谷川はともかく、他の面々は楽しそうにしていた――フェイトも微妙に笑顔を浮かべていた――ので取りあえずゲートの方へと向かう。……前に、一応オーブの方へと連絡を入れておく。幾ら同盟国だとは言ってもこの辺はしっかりしておかないとな。ちなみにこの島に来る前にもきちんと連絡済みだったりする。
到着したのはオーブ本島にある飛行場。そこでヘリを空間倉庫へと収納し、VIP用の通路から街中へと出る。
「うわ、こういうのを体験するとアクセルが本当に重要人物だと認識するわね」
神楽坂の驚きの声を聞きつつ、街中で適当に買い食いをしながら歩いて行く。
基本的に日系人が多数を占めている関係上、それ程舌に合わないものは無く、南国であるオーブ産の果物を皆で摘んでいると……
「アクセル!? 戻って来てたって本当だったのかよ!?」
周囲にそう驚きの声が響き渡った。
声のした方へと振り向くと、そこにいたのは褐色の肌と金髪の人物。前回の戦争でアークエンジェルの捕虜となり、そのまま済し崩し的にオーブに移住してきたディアッカ・エルスマンだった。
後書き
アクセル・アルマー
LV:40
PP:120
格闘:270
射撃:290
技量:280
防御:280
回避:310
命中:330
SP:478
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
???
撃墜数:411
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