久遠の神話
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第五十九話 三人の戦いその十二
「似ている様でまた、です」
「違うのですね」
「そうです。現代の仕事のやり方です」
「また違うのですね」
「貴女のお考えはですね」
「商いになるのですが」
聡美はそうなるというのだ。
「そうではないのですか」
「はい、私はです」
あくまでビジネスだというのだ。
「それをしています」
「ではそのビジネスもです」
「すぐに出来ますね」
「神戸は多くの国から人が集まっています」
大阪や京都よりもだ、明治から国際港として栄えてきたせいである。
「アメリカ人もいますし中国人も。欧州からの人達も」
「貴女もまた然りですね」
「jはい」
男の言葉にこくりと頷いて答えた。
「そうなります」
「ですね。貴女とあの方もまた」
「同じです、そして貴方のお国の方々も」
「私の国の人間もですね」
男は声を微笑まさせて答えた。
「神戸にいて、ですね」
「はい、独自のコミュニティを築いておられます」
「ではそこに行けば」
「そしてです」
聡美は男の顔をじっと見上げてこうも言った。
「貴方の階級ならば」
「それに相応しい仕事が用意されますね」
「貴方の階級は元々そうなのでしたね」
「商人の階級でして」
それでだというのだ。
「その中でも私の階級はです」
「美術品に骨董品ですか」
「代々それを扱う階級です」
それが彼だというのだ。
「ですからこの日本においても」
「ではそれでお願いします」
「そういうことで。それでなのですが」
男は聡美とこの国での仕事の話をしてからだった。
今度は話を変えた、その話はというと。
「それで今はお昼ですね」
「はい、この国の時間では」
聡美は傍にあった壁の時計を見て答えた。
「丁度その時間ですね」
「十二時ですね」
男も時計を見て言う。
「いい時間ですね。それでは」
「お食事ですか」
「それにしたいのですが貴女は」
「私も今からと思っていました」
聡美は男に微笑みで答えた、実は彼女もそろそろ昼食にしようと考えそのうえで男と話をしていたのだ。
「そう思っていましたので」
「それではですね」
「何を召し上がられますか?」
「そうですね。ここは」
男は微笑みを作って述べた。
「日本のカレーを」
「それをですか」
「はい、それをです」
食べたいというのだ。
「如何でしょうか」
「日本のカレーですか」
「何処かいいお店をご存知でしょうか」
「日本人はカレーを好きな人が多いです」
それもかなりだ、今やカレーは日本の国民食にさえなっている。
「それでお店もです」
「多くあるのですね」
「美味しいお店が」
多いというのだ。
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