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MS Operative Theory

作者:ユリス
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タイヤ系MS①

——完璧な全領域戦闘能力を持つ究極の機動システム——

 「地球クリーン作戦」とは、地球上における都市の破壊やリガ・ミリティアに代表される反ザンスカール勢力への排除を目的としたザンスカール帝国軍ベスパの軍事作戦である。

この作戦を実行するに当たりザンスカール帝国は、重力下での運用や水中、陸上などの多様な環境に対応したモドラッド艦を開発した。アドラステア級戦艦に代表されるモドラッド艦は、「ラッド」と呼ばれる巨大ホイールを持つ特殊艦艇で、その形状から「バイク戦艦」とも呼ばれる。

数十mもの直径を持つラッドは、MSだけでなく新路上にある建造物なども容易に破壊する。この兵器は地球環境を汚染しないだけでなく、その威容によりリガ・ミリティアなどの反ザンスカール勢力を封じ込めるための恐怖兵器としても利用された。

 モドラッド艦は、ガチ党党首フォンセ・カガチの構想にドゥカー・イク大尉(当時)の技術的アイデアと、彼が収集したバイク型兵器のデータを基に開発された。「バイク」という特殊な形状が採用された背景には、「旧世紀以来のバイク乗り」を自任するイク大尉の構想があったことは間違いない。

イク大尉が率いたガッダール隊がバイク型兵器で得たデータは、タイや装備式兵器の有用性を示し、それがバイク戦艦の建造につながると号時に機動兵器に巨大ホイールを装備するプランも進められた。

これはモドラッド艦のデータベースとなった戦闘バイク甲及び乙や、ZM-A03G(ガリクソン)とは異なり、バイクと言う形状には拘らない方向で進められた。

バイク型兵器が地上戦で有効であることは証明されたが、これは陸戦用MAに近いもので、そのままMSに採用した場合、汎用性を著しく低下させることは確実であった。

そこでベスパは、ラッドのオプション化を検討し、MSの汎用性を損なわず行動領域や戦闘能力を向上させるサブ・フライト・システム(以下SFS)仕様のラッドを開発した。

これはかつてのメガライダーの様な「MSが騎乗するバイク」ではなく、ラッドの中央をMS騎乗スペースとしたモノホイール(一輪)タイプのSFSであった。これがアインラッドと呼ばれるもので、ミノフスキー・フライト技術を応用したと思われる飛行能力や、タイヤによる高い走破能力を持つ。

更に、タイヤ表面を装甲として利用できるうえ、左右にビーム・シールドを展開することで高い防御性能を発揮する究極のSFSであった。しかも、アインラッドはSFSの系譜に属するため、特別なソフトウェアなしで運用できるほか、宇宙でも高い機動性を発揮した。

そのため、ベスパ製汎用MSの標準装備として広く利用されている。また、同時にアインラッドでの運用に特化したZM-S24G(ゲドラフ)や、専用のアインラッドを標準装備する半可変MS、ZM-S21G(ブルッケリング)も開発されるなど多様な展開を見せた。





補足事項

——アインラッドと通常SFS——

 アインラッドやツインラッドなどのタイヤ型SFSは、それ以前のSFSが持っていた機動性や行動範囲の拡大といった要素に加え、攻撃力と防御力を向上させるフルアーマー・システム的な装備となっている点も特徴と考えられる。

 従来のSFSは、機能を限定することで低コスト化を実現し、なおかつMSの弱点を補強するが、タイヤ型SFSは高コストではあるがMS単体の性能を極限まで向上させている。両者は同じSFSであるが、対極の存在であると言っても過言ではない。

 
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