ヘタリア大帝国
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TURN105 スカーレット=東郷その五
「それでいくぞ」
「わかりました」
秋山も頷く、そうして。
両軍はもう一度激しい殴り合いを展開した、その結果。
海賊達は遂に撤退に入った、その時に大和に通信が入って来た、その相手はというと。
「海賊からの通信です」
「ほう、何だ?」
「長官とお話がしたいとのことです」
「海賊の首領からか」
「その様です」
「わかった、それではだ」
東郷は秋山の言葉に頷いた、そうしてこう言った。
「受けよう」
「それでは」
こうして東郷はモニター越しにその首領と会うことにした、そこでモニターに姿を現したのは。
日本達も観ていた、そして目を剥いてこう言った。
「そんな、まさかと思いましたが」
「スカーレット!?生きていたのか!」
「鬼ではないあるか!」
中国も言う、彼もガメリカ大統領補佐官であった彼女とは何度か会っていて顔見知りであるのだ。それで言うのだ。
「嘘の様ある」
「君はあの事故で死んだんじゃないのか?」
アメリカもその彼女に言う、サングラスで顔全体は見えにくくしかも色は赤だがドクツのデザインに似た軍服なのでわかりにくい、だが。
紛れもなく彼女だ、それで彼も言ったのだ。
「それがどうして」
「お久し振りね、祖国さん」
スカーレットはそのアメリカにまずは微笑んでこう返した。
「いつも観ていたわ」
「観ていた?じゃあ君は」
「ええ、生きているわ」
そのスカーレット自身の言葉だ。
「こうしてね」
「ううむ、訳がわからないある」
中国はまだ目を見開き驚愕の顔のままである。
「何故生きているあるか」
「確かにあの事故で私は遭難したわ」
嫁いでいた日本からガメリカに向かう途中のその宇宙事故でだというのだ。
「けれど気付いたらチェリノブにいてね」
「ここにですか」
「ええ、ここにね」
今戦場となっていたこの星域にだと、日本にも答える。
「いたのよ」
「それが何故レッドファランクスに」
「そのことね」
「レッドファランクスの勢力圏は大西洋沿岸です」
日本はこのことから話す。
「それで何故ここに」
「そのことも話させてもらうわね」
「はい、お願いします」
「私は一旦このチェルノブから日本まで戻ろうとしたのよ」
東郷に娘のいるその国にだというのだ。
「けれどソビエト軍の監視が厳しくてね」
「それではチェリノブから動けませんね」
「動けなかったわ、けれどここにいたソビエト軍に船ごと捕まって」
「そこからですか」
「私達の記憶はなく明らかにガメリカの船だったので国外追放になったのよ」
「それで大西洋に行き、ですか」
「ウクライナから追い出されたわ」
黒海沿岸の星域だ、そこから地中海に行けるがそこもまたレッドファランクスの勢力圏なのだ。
「そこから今度はガメリカに戻ろうとしたけれど」
「今度もだな、こりゃ」
田中は話を聞いてこう直感した。
「邪魔が入ったな」
「ええ、レッドファランクスにね」
「そこで私がです」
ここでそのメイドが出て来た、そして言うのだ。
「お嬢様に彼等との戦いを勧めたのです」
「ただ、この間私達はずっと記憶力を失っていたのよ」
「ですが私達はその船から海賊達が乗り込んだのを受けてね」
「彼等を返り討ちにして」
そしてだというのだ。
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