仮面ライダーOOO The Original Story ~異世界戦記~
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001 夢と 復活と メダル
前書き
御アクセスいただきありがとうございます。
さまざまなサイトを転々とした私の一次、二次通しての処女作の改良版となります。
最初の作品ゆえ、お見苦しい点もございますが、何卒よろしくお願いいたします。
どこからか、声が聞こえる…
-力を求めよ-
「ん…」
「彼」は、朦朧とする意識の中、その声を聞く…
-選ばれし者よ-
「う…く…」
声の主が…近づいてくる…「彼」は…段々と意識を取り戻していく…
-我が力を受け入れ、求めるのだ-
「やめろ…くるな…やめてくれ…」
青年は、振り払おうと、腕を振るう。が、『それ』は、ゆっくりと「彼」の腕をつかむ…
-我が力を求めよ!さすれば…-
「やめろぉぉぉ!!」
「彼」は『それ』に殴りかかる…
そのとき、「彼」は我に返る…
ここは彼の部屋…拳は空を切り、「彼」はベッドから転げ落ちる。
「!?…うわあああ!!」
しばらくして「彼」は腰をおさえながら起き上がり、時計を見る…
AM4:30…起きるには早い時間だ…
「彼」は、先程の夢で、下着まで汗だくになっている…
「一体何だったんだ…」
・・
・・・
・・・・
「彼」は、シャワーを浴び、仕事先の制服に着替える。
「彼」の名は氷乃 蓮矢(ひのれんや)(24)、大企業『幸神コーポレーション』に勤める会社員で、
業績は人並みよりも頭一つ出ている、優秀な社員である。
蓮矢は、毎朝弁当を作ったついでに朝食も作る。そして、いつものようにコーヒーを啜っていると、突然携帯が鳴る。
同僚の伍塔(ごとう) 颯斗(はやと)からだ。
「もしもし?」
蓮矢が応答する。
「蓮矢か、今日出来るだけ早く来れないか?」
颯斗の声は、少し緊張しているようだった。
「颯斗…なにかあったのか?」
蓮矢がそれに気づき、たずねる。
「いや…いつもの時間でも問題はないんだが…」
颯斗が少し口ごもる。
「…なにかあったのか?」
首筋をかきながら蓮矢が再び尋ねる。
「その前に…俺とお前で…前の隊長たちの墓参りに行きたくてな…」
颯斗と蓮矢は、それぞれ幸神コーポレーションの特殊戦闘隊、自警団『ライドベンダー隊』の隊長と副隊長をしている。
元々隊長と副隊長はそれぞれ別にいたが、武装集団襲撃の際に殉職。他の隊員も、怪我をして戦うことができなくなり、結果的に、軽傷ですんだ2人が、職を引き継いだ。
現在は、人員も増え、2人を含めて50人が所属している。
「俺は構わないけど…てか…颯斗今どこにいる?」
蓮矢が聞く。
「俺は…墓にいるが…」
「分かった、すぐに行く。」
そういって蓮矢は電話を切ると、玄関を出た。
・・
・・・
・・・・
墓参りを済ませた2人は、蓮矢の車で会社へ向かった。
普段は、走って会社まで行く颯斗だが、墓からとなると流石に遠いので、乗せてもらった。
会社についた2人は、隊の控え室で防護服に着替えていた。
やがて、隊員たちが集結し、護衛の開始時間となる。
「よし、みんな行くぞ。」
「「「「はい!!」」」」
・・
・・・
・・・・
「会長、おはようございます。」
蓮矢が言った。
「ええ、おはよう。」
言葉の先には、調査団の代表でもあった幸神コーポレーションの経営会長、『幸神 由理子』(こうがみ ゆりこ)が到着した姿があった。
「伍塔くん、状況は?」
サングラスを外しながら幸神が尋ねる。
「はい、総員配置につきました。」
颯斗が答えた。
「そう…いよいよね…、800年前のことが…また一つ解明される…素晴らしいわッ!!」
目の前で大声を出され、颯斗は思わず目を瞑る。
幸神がここまで興奮するのも無理はない。
彼女はこれまで、調査団とともに、この研究に携わり、800年前のある国の情勢と『メダル』という、記録に残っているものを解明している。
今回の調査で何を究明できるか…それは幸神や調査団だけでもなく、颯斗や蓮矢もやはり胸を踊らせていた。
・・
・・・
・・・・
(…朝からのこの感じは…一体…)
やはり、胸騒ぎがする…蓮矢がそう感じた…その時だった…
――ドカァァァァン!!――
背後で建物が爆発し、蓮矢は思わず伏せる…
蓮矢は体を起こし、振り返る…
そこにあったのは、建物ではなく、もはや瓦礫だった。
「………」
あまりの出来事に絶句する蓮矢…
「…颯斗…颯斗!ハヤトォォォォ!」
しかし、何時までも呆然としている訳にいかない。
すぐさま親友、颯斗の救出へ向かった。
・・
・・・
・・・・
『くう…やはり止められなんだか…』
『それ』は視界を確かめながら呟く。
『なんとか止めなければな…む…?』
『それ』は足元?に倒れている1人の男を見つけた。
『ぬう…こうなれば…借りるぞ!!』
『それ』はその男に飛び込んだ。
しばらくすると、男がむくりと起き上がった。
そこに立ち上がったのは、もはや倒れていた男とは言い難かった。
服はそのまま、ではあるが、目は銀色になり、髪も腰まで伸びて、かつ茶色くなっている…。
さらに男は足下に転がっているメダルを5枚と、それを入れるような窪みのある装飾品を見つける。
『ふふっ…我は運がいいようだな……ほう…どうやら我が手を煩わせることはなさそうだな…』
男は不適に笑うと、何かを見つけたかのように歩き出した…
・・
・・・
・・・・
男のいるほど近い場所で、一つの影が動きだしていた。
その影は、クワガタムシのような頭、カマキリを模したような胴体、そして、バッタに似た脚部をそれぞれ持った、いわゆる人外だった。
『ハアァ…ここは…俺は…!…そうか…ならば…クククククク…』
その人外は、自分の身体から一枚、銀色のメダル…『セルメダル』を取り出すとそれを目の前に投げる…
すると、メダルがミイラのような化け物に変わった…
『俺のメダルを取り返せ!!』
人外の声に応えるかのように、化け物は、外へと向かっていった…。
・・
・・・
・・・・
蓮矢は、建物があった『はず』の場所に、近づいたが、惨い。
建物の付近を張っていたライドベンダー隊の隊員は全滅。
ただ、死んでいるだけの者もいれば、腕や脚、首などの身体の一部が無かったり、腰から下、あるいは上が無い者、さらには、既に人としての原型を留めていない者もあった……。
蓮矢は、そのたびに自らの無力さを嘆いていた。『自分に、こいつらを救える力があったら』、と
蓮矢は、そんな自責の念にかられながら、親友の生存を信じ、辛うじて保っていた入り口から内部に入った。
「うう゛っ…!」
蓮矢を迎えたのは、上半身の至る所が焼けただれ、下半身が瓦礫の下敷きとなっている女性の死体だった。
恐らく事務をしていた者だろう。
蓮矢は、思わず目を背ける。
その時だった。
『コアアアア!!』
「!…うおっ!?」
ミイラのような化け物が襲いかかってきた。
蓮矢は、間一髪これをかわす。が、こいつがいる限り、中を進むなど不可能。
蓮矢は、再度身構えるミイラに向けて発砲する。
ミイラは仰け反り、2発目を喰らって倒れ込む。が、その傷から出ているのは、血液ではなくメダルだった。
蓮矢「これは…メダル!」
蓮矢は、一枚を拾い上げて驚愕する。
しかし、その隙を見逃してくれる訳もなく…
『グオオオオ!!』
蓮矢「うわっ!?」
蓮矢は入り口の付近まで突き飛ばされた。
防護服を着ていたため、目立った外傷は無かったが、ミイラの爪痕と至る所に刺さっている瓦礫の破片で、すっかりダメになっていた。
蓮矢は防護服を脱ぎ捨て、薄い格好になると、外に出た。
「くっ…何をやってんだ俺は…!」
蓮矢は自分の無力さに更に憤る…
力が欲しい…
しかし、そう簡単に逃がしてくれる筈もなく、ミイラに追いつかれてしまった。
ミイラが手を振り上げる…
蓮矢は死を覚悟した…
己の無力さを嘆きながら…
(~~力が…!!~~)
その時だった…
『ガアッ!?』
ミイラが、なにかに突き飛ばされた。
蓮矢は左を向く…
そこには
『「見つけたぞ…」』
伍塔颯斗とおぼしき、男がいた…
「…颯斗…なのか?」
蓮矢は変わり果てた颯斗の姿に愕然とした。
『「ハヤト?この男の名前か?ならば…当たらずとも遠からずだ…」』
男は得意げに応えた
「どういう意味だ?お前は颯斗なのか!?」
蓮矢が声を上げた。
『「我が名はラルフステール・インボーグ…人はラルフと呼ぶ。この世の王だった者だ…今はこの男の身体を借りている。」』
「何を勝手なことを…颯斗を返せ!!」
蓮矢がラルフの胸倉を掴む
『「ほう…よいのか? 我が離れれば、この男は10分もしない内に死ぬ…」』
ラルフがニタリと笑う。
「何…?」
蓮矢の手の力が弱まる。
『「それでもいいというのなら、離れるが?」』
表情を崩さないままラルフが言う。
蓮矢「くっ…ッ!」
蓮矢は、悔しそうに手を放した。
(フッ…容易いな…)
ラルフはそう思いながらほくそ笑んだ。
その時、背後では、ミイラが悶えていた…
そして、ぐちゃぐちゃと気持ちの悪い音をたてながら『それ』は、蜘蛛のような化け物に変わった…
『グオオオオオオオオ!!』
「なっ…、なんなんだコイツ!」
蓮矢が狼狽する。
『「ほう…成長型虫類…ウヴァのヤミーか…」』
ラルフが顎に手を当てる。
「ヤミー?ウヴァ?」
古代語だろうか、否。
分かってはいるが、蓮矢には理解できない。
『「ヤミーはこういう化け物の総称、ウヴァはコイツを生み出したグリードと言う化け物の一人だ。」』
ラルフが説明した。
「こうなったら……どうするんだ?」
蓮矢がラルフを見る。
『「フフフ…少しじっとしていろ…」』
ラルフゆっくりと蓮矢に近づく…
「何をする気だ?」
蓮矢の声に耳など貸さず、ラルフは懐からなにかを取り出す。
そして、クモヤミーを再び衝撃波で吹き飛ばしながらそれを蓮矢の腹部にあてる。
「!」
するとそれは、蓮矢の腹に巻き付いた
「これは…」
蓮矢が目を丸くする。
更にラルフは、シルバーのホルダーから三枚の色の付いたメダルを取り出す。
赤・黄色・緑…美しく色彩の施された、先ほどとは違うメダル…
ラルフはそれを蓮矢に手渡す。
『「赤・黄色・緑の順に右から入れろ。」』
蓮矢は、言われるがままにメダルを入れる。
三枚目を入れたところで、セット部分が左下に傾く。
『「右腰のスキャナーでスキャンしろ。それで『変身』だ。」』
「変身…。」
蓮矢は、反応する。
変身とは、蓮矢が大ファンである『仮面ライダー』の代名詞と言うべき台詞だった。
彼の中の正義、これを決定付けたものだった。
「仮面ライダーは、人間の自由のために悪と戦う」
自分もそんな男になりたい。
その夢が、叶うはずのない夢が、
今叶うのだった。
スキャナーから、待機音が鳴り響く…
蓮矢は、メダルをスキャンした。
「変身!!」
『タカ!トラ!バッタ!タ・ト・バ!タトバ!タトバ♪』
奇妙な歌と共に現れたのはタカの頭部、トラの腕と胴体、バッタの脚部を持つ戦士、
『「フ…、オーズ復活の時だ。」』
ラルフが笑う。
「ああ…」
蓮矢は、あまりの出来事に収拾がつかない。
その時、衝撃波が当たり、しばらく起き上がれなかったクモヤミーが立ち上がり、オーズに襲い掛かる。
「!…でりゃあっ!!」
オーズは、向かってくるクモヤミーの腹にパンチを打ち込む。
『ガバアッ!?』
クモヤミーは、後方に吹き飛んだ。
「この力は…!」
これには、蓮矢自信も驚いた。
『「それが、オーズたる者の力だ。」』
「はあッ!!」
オーズは、更にトラクローを展開、起き上がり様のクモヤミーに斬撃を加える。
『ブゴッ!』
クモヤミーは、セルメダルを放出しながら苦しむ。
「でぇい!」
オーズは、クモヤミーを上に突き上げ、蹴りを入れる。
『グゥゥ!』
クモヤミーは再び吹き飛んだ。
『「トドメにはもう一度スキャンだ。」』
「!」
再度のスキャン。
『スキャニングチャージ!』
「てあッ!!」
オーズは高く舞い上がる…そして、足の先には赤・黄・緑のサークル。
「でりゃああああああああ!!」
タトバキック。
それはクモヤミーに直撃した。
『グオオオオオオオオ……』
長い断末魔と共にクモヤミーは爆散し、無数のセルメダルになる。
・・
・・・
・・・・
「颯斗は大丈夫なんだろうな?」
変身を解除して蓮矢が言う
『「案ずるな…我が憑いている限り、死ぬことは無かろうて…」』
自信に満ちた顔でラルフは言う。
『「それより、お前はどうするつもりだ?今のところ、オーズとして戦えるのはお前くらいだ。しかし、戦うとなれば、この男にも危険は及ぶがな…フフフ…」』
ラルフが不敵に笑った。
「人をおちょくるのもいい加減にしろ。…今は俺しか出来ないんだろ?」
蓮矢は、不愉快そうに言う。
その時。
「氷乃く~ん!伍塔く~ん!」
「幸神会長!?ご無事だったんですか?」
蓮矢が駆け寄る。
「私は不死身よ?死ぬわけ無いじゃない!」
幸神の言葉に、思わず失笑する蓮矢。
この惨事のあとでもブレない…流石は会長だ…
蓮矢はそう思いながら、いつしかラルフへの怒りも静まっていた。
to be Contiued
・・
・・・
・・・・
次回
幸神「そんなことが……素晴らしいわッ!」
蓮ラル「『「は?」』」
蓮矢「それは?」
幸神「コードネーム『メダジャリバー』!オーズの新しい武器よ!」
ラルフ『「獣種…カザリのヤミーか…」』
蓮矢「変身!!」
『タカ!ゴリラ!タコ!』
次回 獣と亜種と新兵器
後書き
第001話、お読みいただきありがとうございました。
いやぁ…
ヒッデェ!
文才のなさを見にしみて理解した処女作でした。
手を加えても安定した酷さで逆に安心する初投稿でした(あ、このサイト初ではなく)
結論・初めてって、こんなものだよね(はぁと
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