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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  番外編025話 452.5話

 アクセルの魔法世界についての説明が終了し、幹部一同が去った後の体育館。そこに残っているのは技術班のみとなっていた。
 当初はラテン語で書かれている教本をどうにか翻訳しようとしていたり、とにかく本に書かれている絵や図形、魔法陣といったものを解析しようとしていた技術班の面々だったが、ふとその中の1人が呟く。

「なぁ、俺達の魔法の講師になるっていう吸血鬼のお嬢ちゃんの側に控えていた子でちょっと気になったんだが……」

 その言葉に、隣で自分用のメギロートに積んであるコンピュータのデータベースからラテン語を検索していた技術班が顔を上げる。

「あ、俺も俺も。何か顔にアンテナみたいなのが付いてたんだよな」

 ポツリと呟かれた言葉に反応し、他の他の者達も顔を上げる。

「え? マジか? 魔法に集中し過ぎて気が付いて無かった。何、アンドロイド?」
「いや、あのネギまの世界……とか言ったか。あっちでは魔法が発展している代わりに科学の方はかなり遅れてるって話だぞ」
「じゃあ……っ!? もしかして魔法を使って動いているのか?」
「なるほど、アンドロイドというよりはオートマタって奴か。……興味あるな」
「けどどうするよ。魔法の講師をしてるあのエヴァって子やアクセル隊長とも顔見知りだったことを考えると迂闊な真似は出来ないし……」
「うーん、そうなると直接あのエヴァって子に頼んでも許可は出さないだろうなぁ」

 技術班の一同に、氷の盾を一瞬にして作り出した魔法が思い浮かぶ。あの時はただ感心するだけだったが、もしあの量の氷の塊を自分達の頭上に作り出されでもしたらどうなるかと。

「……死ぬな」
「ああ、間違い無く。けど、魔法で作られたオートマタを見逃す手はないのも事実」
「取りあえず無理矢理ってのはどう考えても悲惨な結果しか思いつかないから止めておくとして……やっぱり真っ正面から頼んでみるのが一番か?」

 タァンッ!

 呟いた技術班達の近く。その場所が唐突に弾ける。
 聞き覚えのあるその銃声に、恐る恐る振り向く技術班一同。その視線の先にいたのは……

「貴様等、アクセル隊長がお招きした客人に対して何をしようとしていた?」
『げっ! エ、エキドナ!?』

 まるでジャーン、ジャーン、ジャーンという銅鑼の音と共に現れたかのように口を揃えてその名を叫ぶ技術班一同。
 そう、そこに存在していたのは、最近では技術班の天敵と化していると言ってもいいエキドナの姿だった。
 その手に持っているのはシャドウミラー隊の専用に自分達が設計した銃器である事に気が付き、そしてギギギッとばかりに先程弾けたばかりの場所へと視線を向ける技術班一同。
 せめてもの慈悲と言うべきか、そこにあったのは本物の銃弾ではなく模擬戦闘で使用するゴム弾だった。
 ……それでも当たれば激痛間違い無しなのだが……

「……一応、俺達の事を考えて模擬弾にしてくれてはいるみたいだけど……出来れば銃は止めて欲しいなぁって思うんだ」

 冷や汗を垂らしながら呟く技術班を代表して呟かれたその言葉に、周囲の者達も無言で頷く。

「うむ。確かに私も最初はやり過ぎなのではないかと思った。ただ、最近こう思ったんだ。今まで私が幾ら注意してもお前達が騒動を引き起こすのは私が甘すぎたからだったのではないか、とな。つまりもっと厳しくすればお前達も学ぶ筈だと。つまりこれは躾けなのだ」
「ちょっと待て! それは横暴だ!」

 タァンッ!

 叫んだ技術班の足下に再び着弾。

「毎回毎回……お前達が騒ぎになる度に担ぎ出される私の身にもなれぇっ!」

 タァンッ! タタタタタタタタァンッ!

 連続して発射される模擬弾に、逃げ惑う技術班。

「ちぃっ、ここで皆一網打尽になるのは拙い。散るぞ!」

 それは運の悪い1人を犠牲にして残りが助かるという、ある意味では草食動物らしい行動だった。

「逃がすか!」

 散っていった技術班達へと銃口を向けようとして……ふとそこに残っていた人物に気が付く。

「ほう、お前が進んで犠牲になると言う訳か。見上げた心がけだ」
「……え? 俺!?」

 そう。その場に1人残ったのは話の流れに付いていけず、尚且つどこぞの特殊部隊並の動きで散っていった技術班達に置いてけぼりにされた人物。それはSEED世界からホワイトスターに留学しに来ていたコジロー・マードックその人だった。
 浅黒い肌を真っ青に染め、銃口を向けて近づいて来ているエキドナへと視線を向けるマードック。何故魔法に興味の無い彼がここにいたのかと言うと、単純に技術班の面々に付き合っていたからだ。そもそもマードックが留学しているのがシャドウミラーの技術を習得する為であり、そうなると自然に交流する相手は技術班となり……最終的に地雷を踏む結果になったのだった。

「うわあああああああああっ!」

 体育館に響く銃声と、マードックの悲鳴が暫く辺りに轟く。
 だが、この技術班とのやり取りでエキドナの人間性が著しく成長しているのは……本人が知ったら恐らく涙を流していただろう。嬉し涙か、悲しみの涙かは不明だが。 
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