気まぐれな吹雪
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第一章 平凡な日常
17、入ファミリー試験、傍観!
ちーっす。
今日は武の入ファミリー試験の日だぜ。
場所は毎度のごとく屋上。
いつものようにフェンスにもたれ掛かり、いつものようにイチゴ牛乳を啜りながら、いつものように原作を傍観している。
原作っつっても、まだ獄寺と武のだんまりにらめっこなんだけどな。
ちなみに、あの危なっかしいフェンスは、長谷川率いる生徒会によって新しいのに変えられたぜ。
あ、そうそう。
いつも通り云々についてなんだが、今日はやたらめったらうるさい先公が黙りっぱなしでよー。
んで、クラスのやつらもやけに静かなんだわ。
長谷川だってオレのことを見るなり顔青ざめちまうしよ。
いやーなんでだろうねー?
……って、理由はハッキリしてんだよな。
今オレが来ている学ランと、腕についてる腕章のせいなんだよ。
話は今朝に遡る。
†‡†‡†‡†‡†‡
インターホンが鳴る音で目が覚めたオレは、イライラしながら玄関に出た。
来たのは宅急便。
通販とか使った覚えねぇんだけど、とか思いながら段ボールを開けると。
なんとまぁびっくり。
学ランと風紀の腕章が入ってるじゃねぇか。
しかもご丁寧に雲雀の手紙つきで。
〈やあ 荷物届いたかい? 届いたなら、今日からそれ着てきてね。じゃないと咬み殺すから。それと、僕の携帯番号とメールアドレス、登録するの忘れないでね。君のは知っているから問題ないよ。
最後に1つ。これからは朝の5: 00には学校に来ること。じゃあね。
雲雀恭弥〉
オレはなにも突っ込まないぞ。
何でオレの住所知ってんの、とか何でオレのケー番とメアド知ってんの、とか何で朝そんな早いの、とか。
理不尽すぎる……。
†‡†‡†‡†‡†‡
実行すんのかなり面倒だけど、雲雀に咬み殺されんのはもっと面倒。
それで、渋々学ランと腕章を着用して学校に行ったわけだ。
風紀委員相手じゃ、誰もなにも言えないわな、そりゃ。
っと、ようやく沢田のおでましか。
オレの回想終わっちまっただろ。
『山本、お前ツナのファミリーになる気はねぇか?』
『ファミリー? なんだそりゃ? っていうか何でオレなんだ?』
『ゴメンね山本。何か変に巻き込んじゃって』
『何の話だかよくわかんねーけど、ツナが関係してんのか?』
『う……うん。まあね……』
『いいぜ。前にも言ったけど、オレ、ツナに赤丸チェックしてるしな♪』
『え!?』
『それになんか面白そーだし。これで要もいたらもっとおもしれーんだけどな』
うん、何かおかしいよな。
何でそこでオレの名前を出すんだろうな。
いくら友達だからって、そういうところでオレを巻き込まないでくれよな?
『え? 霜月さん? て言うか、いつの間に仲良く……』
『霜月って奴はいねーが、ファミリーはおもしれーぞ』
『そうか? んじゃ、やってもいいぜ』
くっそー、これで確実にあのチビ介にオレの名前インプットされちまったじゃねぇか……。
あいつに興味持たれた時点でジ・エンド・オブ・傍観LIFEじゃん。
てなわけで、近くで長谷川が見ていることはさておき、入ファミリー試験が始まった。
リボーンはナイフやらボウガンやらサブマシンガンやらをぶっぱなし、何故か長谷川も斬魄刀を始解させ、獄寺はボムを放つ。
さらにはランボが乱入し、ミサイルランチャーをぶっ放した。
あ、ランボいたんだ。
てかよく雲雀気づかないね。
それとも、気づいてるけど無視してんのかな?
いや、後者はねぇだろな。
そんでもって、無事武はボンゴレフ ァミリーの一員になりましたとさ。
めでたしめでたし。
その後のリボーンの台詞がなきゃな!
『山本、あとでその霜月って奴、紹介しろ』
『ん? 別にいいけどよ、要は会ってくんねーかもな』
『なんでだ?』
『何か、人間嫌いっぽいし』
言い方ムカつくけどサンキュー武!
これで奴からの勧誘はなくなって……
『それでも一回会ってみてーぞ』
なくなって…………
『んじゃ、あとで聞いてみるぜ』
断れよ武ーーーっっ!!
リボーンに目ぇつけられたら最後、なにがなんでもファミリーに入れられんだろうがぁっ!!
「銀」
「……はい」
「短刀二本、今日中に終わらせろ」
「……了解です」
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