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久遠の神話

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第五十八話 大刀その二

「貴女も賛成してくれたではありませんか」
「最初は」
 聡美はまだ続く剣士達の戦いを見ながら言っていく。
「そうでした。ですが貴女は一度では終わりませんでしたね」
「一度の戦いでは集まらなかったからです」
「力が」
「だからです」
 それ故にだというのだ。
「私は彼等を使っているのです」
「何度も生まれ変わったあの人達を」
「そうしているのです」
「罪を犯したのは一度の生だけです」
 それだけだったというのだ。
「その後は」
「後はですか」
「罪は消える筈です。彼等を戦わせることは」
「間違いだというのですね」
「そうです、ですから」
「貴女も頑固ですね」
 声の言葉は難しい顔になっていた。
「どうしてもですか」
「一度ならよかったのです」 
 聡美は声の言う通りだった、やはり引かない。
 そのうえで声にさらに言うのだった。
「ですが貴女は彼等を神話の頃より気が遠くなるまで」
「止められないのです」
 声はまた己への免罪符を出した。
「私は。それにあと少しです」
「あの方が目覚めることが」
「あと少しの力が集まれば」
「あの方を目覚めさせられるだけの力が備わるのですね」
「あの方が神となり」
 声には切実なものもあった。
「そうなります」
「神ですか」
「神と人の境目は何か」
 こうした話にもなる、声が言うには。 
 聡美の前では今も戦いが行われている、高代は防戦から攻めに入った、剣を前に突き出しそのうえで二人に光の矢を放つ。
 そうして攻めるが大石も風の矢を出して相殺する、コズイレフはというと。
 剣を大地に刺す、そこからマグマの柱を出しそれを盾として高代の矢を防いだ、次にそのマグマをどんどん噴き出させた。
マグマは次々と沸き起こる、そしてだった。
 それで二人を襲う、その中でコズイレフはこう言った。
「マグマもね」
「熱だと」
「そうだというのですね」
「そうだよ、それに入るよ」
 だからだというのだ。
「僕が使えるんだ」
「そういうことですね」
「さて、どうかな」
 コズイレフはマグマを操りながら二人に問うた。
「このマグマ、防げるかな」
「防いでみせます」
「私もです」
 マグマ達は無数の蛇の様に蠢き二人に襲い掛かる、そのマグマ達に対して。
 二人はそれぞれ力を溜めてだった。
 構えから縦横に剣を振るった、すると。
 無数の鎌ィ足に星、それ等が乱れ飛び。
 マグマ達の周りについて囲み力を解放させた、するとその力で。
 マグマを相殺させた、二人は共同ではなくそれぞれそうしたのだ。
 それを見てコズイレフは言った。
「凄いね、二人共」
「咄嗟ですが」
「潰させてもらいました」
 二人はそれぞれコズイレフに答えた。
「力と力は潰し合うもの」
「そのことからです」
「そうだね、マグマ達は今の僕の最大の力だけれど」
「ではこれで、ですね」
「貴方は」
「うん、戦えないよ」
 力が残っていないというのだ。 
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