「狂愛」
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「出会い」
席につき、15分くらい敦と翌日の仕事の予定を話ていると着物に着替えたママが席にやってきた。
その後ろには、この店では初めて見る顔の女性が立っていた。
「失礼します、初めまして美咲と申します」
その瞬間、完全に目を奪われた。
大きな力強い目に、スラッと通った鼻筋。
ボリュームのある唇に、僕のふた回り小さいのではと疑うほどの小顔。
そしてドレスからのぞく大きな胸、健康的な肉付きではあるが締まったくびれ。
そして、そこからのびる細く長い傷ひとつない綺麗な脚。
名前のとおり、そこに美しく咲く一輪の華のようだった。
「言うた通りやろ」
敦がママに得意げな顔をする。
「約束ね。ワインご馳走させてもらいます」と、ママ。
どうやら僕が美咲に反応するかどうかを賭けていたらしい。
実は僕自身、女性経験があまり多いとは言えず敦と行くクラブでは女性嫌いで通っていたようだ。
実は、うまく話せないだけであって決して女性嫌いなどではないのに。
しかし、周りが見て分かる程のリアクションだったのだろう。
これが敦がニヤついていた理由か。
そしてこれが僕の運命を狂わせる出会いになるのだった。
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