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ヘタリア大帝国

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TURN104 謎の女その九

「長所も短所もな」
「知ってるわ」
「それではだ」
 レーティアの目が光った、心理学の権威でもあるので言ったのである。
「スカーレット夫人のことを全て話してもらえるか」
「そこから作戦を考えるんだな」
「そうだ、采配も性格が影響する」 
 まさに心理学からの言葉だった。
「だからだ、ここはだ」
「わかった、それではだ」
「お姉ちゃんのこと洗いざらい話させてもらうわ」
 こう話してそうしてだった、二人はスカーレットのことをここで全て話した。それはハンナ達他の四姉妹のメンバーもだった。
 スカーレットのことが全て話される、そしてレーティアは言った。
「わかった、ではだ」
「対策が見つかったか?」
「おそらくこれしかない」
 会議室の己の席の前にあるパソコンを叩きだした、そのうえで部屋のモニターに仮想の戦陣を出して話すのだった。
 青が枢軸軍、そして赤が海賊達だった。その陣を見せて言うのだ。
「これまで我が軍は数を使ってきた」
「大軍には大軍の布陣がありますので」
 秋山がそのレーティアに応える。
「ですから」
「そうだな、しかし」
「この布陣は」
「大軍であることを捨てることだ」
 見れば枢軸軍の陣は密集だ、さながら一匹の大蛇の様に長大だ。
 その布陣で海賊と対峙している、しかしその数は互角だ。それを見せていての話だ。
「こうして囲むのではなくだ」
「正面から戦うのですね」
「そうだ、一気にだ」
 そうするというのだ。
「スカーレット夫人は勇敢だな」
「格闘技と射撃も天才よ」
 彼女の妹のキャロルの言葉だ。
「これはもう言ったわね」
「そうだな、例えどれだけ大勢の相手でも体格が優れた相手でも負けたことはない」
「マーシャルアーツやボクシングで戦ってね」
「格闘スタイルは蝶の様に舞い蜂の様に刺す」
 レーティアはこのことも指摘した。
「相手の攻撃をかわし一撃離脱を繰り返す」
「それは海賊の戦術そのものですな」
 マンシュタインも知っていた、彼ですら適わない相手であるからこそ。
「まさに」
「そうだ、戦術にも出ている」
「格闘戦での行動が艦隊戦にも出ている」
「何度も言うが人間にはそれぞれの性格がありそれは行動にも出る」
 レーティアは心理学者としての立場からこのことを看破する。
「全ての行動にな」
「お姉ちゃんは格闘戦でね、相手の急所を攻撃するのよ」
 ここでまたキャロルが話す、その姉のことを。
「相手が数とか体格に頼って押し潰そうとしたらそこで即座に反撃してね」
「反撃を加えるな」
「そう、つまりは」
「一緒だな、海賊の攻撃と」
 レーティアはまた言った。
「だからだ」
「ここはそれを見てなの」
「この陣はまさに蛇と蛇の戦いだ」
「数を互角にした理由はどうしてあるか?」
 このことを問うたのは中国だった。
「スカーレット夫人が体格が優れた相手との戦いを得意としているからあるな」
「そうだ、そして体格が劣っている相手にもだ」
「強いあるからか」
「素早い相手への対応も上手だ」
 レーティアはここでもスカーレットの格闘戦のデータを見て話す。
「動きを見切りその動きが止まった瞬間に急所を攻撃している」
「それも凄かったのよ、お姉ちゃんは」
 またキャロルが言う。
「けれどそういえば体格が同じ相手とはね」
「戦っていないな」
「格闘技で体格が同じ相手と戦うことって滅多にないわよ」
 キャロルは格闘技のことから話す。 
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