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とある蛇の世界録

作者:arice
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第六話

 
前書き
『蛇』とは一体? 

 

 ・・・第三者サイド・・・

 アーシアが炎に包まれた

 「ライザー! てめぇ!」

 激昂するイッセーは、ライザーを睨む

 「ふははは、これはゲームなんだよ! さあどうするリアス
  もう降参したほうがいいんじゃないか?」

 高笑いをあげ、降参を進めるライザー

 「ふざけないで! イッセー、アーシアの敵を討つわよ!

 「はい!」

 魔力を手に集めるリアス
 篭手を構えるイッセー
 炎を撒き散らすライザー

 誰一人として気づかない

 その現象に



 「はぁ、まったく。これだから嫌なんですよ」

 
 聞こえるはずの無い声


 この声は


 「悪魔の相手は」





 アーシアの声だった





 ・・・第三者サイドアウト・・・



 ・・・アーシア?サイド・・・

 はぁ、我が父上も人使いが荒い
 いくらあの人に似ているからといって、こんな娘に私を預けるとは

 「アーシア!? 無事だったの!?」

 「えぇ、まあ。あの程度の炎、サウナの方が私を苦しめますよ」

 よくあんなのでフェニックスなど名乗れますね
 私、驚きを通り越して呆れてますよ。ホントに

 「・・・アーシア? 違う! お前は誰だ! アーシアは何処にやった!?」

 あぁ、あいつは元人間でしたね
 悪魔とは違いますか。それでも嫌いですけど
 まぁこの娘、我が主は例外ですが

 「我が主は今、中で休んでおられますよ」

 そう言い、自分の胸に親指を突き立てる

 「我が主?」

 「はい、この体の本来の持ち主の方です」

 「それって、アーシアの事?」

 その質問に頷きで返す

 「じゃああなたは何なの?」

 「私ですか? 私の名前は――――」





 ―――夜刀神[やとのかみ]と申します 谷のように感服してヤトと呼んでください


 
       以後よろしく・・・

 ・・・ヤトサイドアウト・・・



 ヤトめ、悪魔嫌いが悪化していないか?
 
 「朧君? 彼女は、あれは・・・なんだい?」

 「あいつは私の娘だよ、名は夜刀神。私はヤトと呼んでいる」

 呆けるサーゼクス

 「ヤトは所謂疫病神だ。昔、あいつの現れた村は村人が全員死ぬという呪いを
  持っていたんだ。それにより神の土地と人の土地とを区別するために立てられた
  『標の杖』というものと社によって祀られてきた
  日本の神だよ」

 「か・・・み・・・」

 「そうだ、神だ」

 まぁ、私もなんでそんな呪いを持っているかは知らんが
 相当苦労したんだろうな
 
 事実、あの『おまもり』に封じられてしまったわけだしな

 「その神様は強いのかい?」

 「サーゼクス、毘沙門にあったことはあるか?」

 頷くサーゼクス、その顔は緊張した面持ちだ
 それは仕方がないといえるだろう
 毘沙門は大体サーゼクスと同じレベルの強さだからな
 ・・・真名開放をしない状態でな

 真名開放とはその名の通り
 自らの名を解放し、神格をより強固にするというものだ
 これをするには人々の途絶えない信仰が必要となるんだが
 説明はあとで、だ

 「大体あいつ位の強さだ
  思いのほかアーシアとの相性が良くてな
  今出せる力は七割くらいかな」

 唖然。それがもっともな表現だ

 「日本の神は強いぞ、上級悪魔なんぞ
  まさしく雑魚そのものだ」

 ということで、頼んだぞ。ヤト



 ・・・ヤトサイド・・・

 はいはい、分かりましたよ父上

 「ぐかぁ! お、お前は何なんだ一体!?」

 「だから、夜刀神だっていってるでしょうに
  私神様。アイアムゴッド。
  わかった? 理解できた?」

 これだから焼き鳥頭は

 私は焼き鳥の胴体を横に蹴り払う
 吹き飛ばされ、フェンスに激突する焼き鳥
 本当に雑魚だな

 「神様・・・」

 主の主が漏らした言葉に律儀に返す
 私ホントに良い子だな

 「そうです、神様。日本の。
  行方市に祀られてる神様」

 そういって胸を張る
 ・・・ちっちゃいな、仕方ないか

 そして焼き鳥復活

 「ふん! 神だろうと何だろうと、フェニックスの敵ではない!」

 「はぁ、無理ですよ。あなたごときには私を倒すことなど不可能です
  私は父上、朧の加護を受けているから体力切れなどもありませんし」

 意外と役に立つんですよね、体力が無限って

 「朧・・・そうか! あそこにいたあの黒髪の女か!
  あんな雑魚の加護など、大した事ないんだろうが!
  部屋の隅でぢぢこまりやがって!
  親子ごっこしてんじゃねえよ!」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?





             今なんと言った?


 ・・・ヤトサイドアウト・・・



 『―――親子ごっこしてんじゃねえよ!』

 「あ・・・」

 「はは、いわれてるよ?」

 「い、いや。私はいいんだが・・・・・サーゼクス」

 「うん?」

 あいつ。地雷ふんだぞ

 「グレイフィアに伝えておけ――――――最悪あいつ死ぬぞ」

 「は?」


 ・・・リアスサイド・・・

 ライザーが叫んだ瞬間だった

 世界が凍えた。いや違う・・・?

 これは・・・・・・・・・・・・・・殺気?

 「――――――――った」

 「あん?」

 「い――ん――ていった」

 「は、図星か。とことん雑魚だな」

 か、体が・・・震えて・・・

 どういうことなの・・・・?

 俯くアーシア、いやヤト

 これは、あの子・・・の?



 「いま、なんていったって聞いてんだよ!!!」



 次の瞬間だった、本当に次の瞬間


  ライザーの体が消えた


 「は・・・・・?」

 「な、何が起こって・・・」

 私たちが戸惑っているとヤトが叫ぶ

 「親子ごっこだと・・・?
  貴様ごときに何が分かるっ!
  お父様の気持ちも・・・・・私の、私たちの感謝も・・・・・
  知らない貴様に、何が!!」

 まさか、あの子が? ライザーは? まさか・・・
 でもあの子は一歩も動いていない筈・・・

 「これだから、これだから悪魔は!」

 その時、彼女の目が私とイッセーに向く


 こ、怖い。あの子が。怖い
 怖い、怖い、怖い、助けて


 「殺してやる、全員、一人残らず・・・」

 せ、せめてイッセーだけでも・・・そう思ったときだった

 



 「やりすぎだ、ヤト。少し落ち着け」



 この声は・・・・・朧?


 ・・・リアスサイドアウト・・・


 「お・・・とう、さま」

 「そうだ、お前の父だ」

 「なんで・・・ここに・・・」

 「お前、あれを使おうとしただろう?」

 ヤトの体が、あからさまに反応する

 「あの、ご、ごめんなさい」

 涙目になって謝ってくる
 まぁ、かわいいだけなのだが
 主にアーシアが

 「別に怒っているわけではない」

 「で、でも・・・」

 まだぐずるヤトを優しく抱き寄せる

 「すまなかった、私のせいだ」

 「お父様・・・ひっぐ、ごめんなさい。えっぐ、ごめんなさい―――」

 泣きながら何度も謝る、ヤト


 こうして、ゲームは幕を閉じた

 そして今回のレーディングゲームは私たちに大きな爪跡を残した




 
  
 

 
後書き
今回の話は、先々への布石。つまりフラグですね
重要なワードが大量にあります
考えてみてください 
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