とある蛇の世界録
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第八話
前書き
今回から視点を朧だけにしようと思います
ちょっと、疲れちゃって
転移をすると、オカルト研究部の部員がそろっていた
まぁ、当たり前だが
「朧! 無事だったの?」
「当たり前だ、私を誰だと思っている」
私は蛇神だぞ、余計な心配だ
「あなた、なんでそのシスターを連れてきたの?」
「それも愚問だ、彼女は私の友人、
助けないわけが無いだろう」
するとわめきだすお嬢様
「なんでシスターと友人になってるのよ!」
「なに、些細な事だ
つい最近彼女を教会へと案内してね
その時だよ」
「それはいつの事?」
私が三日前だと告げると、溜息を吐くグレモリー
幸せが逃げていくぞ
「アーシア、イッセーを治療してやれ」
頷き、イッセーの所へ向かう
イッセーが光に包まれると次の瞬間には傷が癒えていた
「なっ、悪魔を癒せる神器!?」
そして、何か考える顔になるグレモリー
「おい、アーシアを眷属になどと
不埒なことを考えるなよ。アーシアはシスターだ
神に祈れなくなったらどうする」
アーシアが望めば別だが、と付け加える
「そう、じゃあ。
あなたアーシアと言ったわね」
「は、はい」
少し上擦りながら返答するアーシア
私の服の袖をぎゅっ、とつかむ
悪魔に話しかけられたらそうなるのか?
「私の眷属になる気はない?
寿命が一万年くらいになって、普通より長い時間朧といられるわよ」
「朧さんと・・・」
あれ、揺らいでる?
「そうよ、ずっと一緒に・・・ね」
さすが、悪魔だな
「あの、ところで朧さんも悪魔なんですか?」
「ちがうよ、わたしは
ありとあらゆる蛇の信仰により存在する
蛇の神だ」
それを聞くとあわてだすアーシア
「か、神様!?
じゃあ私は、神様と友人に」
はぅあぅ、と頭から湯気が出そうなほど慌てている
「まぁ、落ち着け
それと先ほどの話だが」
「ひゃっ、ひゃい」
慌てすぎだろう、アーシア
「一万年の寿命・・・だったか
これより長く、というよりもはや不老不死だな
になる方法があるぞ」
「なんだよそれ! 朧!」
私の言葉に反応したのはイッセーだったが
ほかの連中も興味深々といった様子
「私の眷属になる、これがその方法だ」
眷属・・・
誰かが漏らした
「それはどういうものなの?」
「私の眷属になる事は
つまり、私の加護を最も受ける存在になるという事だ
例えば体が完全に消滅しても蘇るし、蛇と意思疎通が出来るようになる」
開いた口が塞がらないといった様子
「その、今までに眷属を作った事は・・・?」
「あぁ、あるよ」
「その方は今どこに?」
これも嫌な思い出だ、できれば葬り去りたいぐらいの
「殺したよ、私が」
部室の音がぴたりと止む
「ど・・・ういうこと?」
「どういうことも何もそのままの意味だ
私が殺した、この手で」
「何でそんなことを!!」
わめく、イッセーに目を向ける
「お前なんぞには、言わん」
私の出した冷たい声に、黙り込むイッセー
そしてアーシアの方に体を向ける
「幻滅したか、アーシア?
「私はこの手で人を殺した事がある
「そう、この手で・・・だ
「それを聞いてどう思った?
「もし、君が私の事を友人では無いと言うn「そんなことはありません!!」・・・アーシア」
「朧さんは私の大切な友達です!」
そう叫び、ポッケトに手を入れるアーシア
取り出したのは
「あの日、約束したじゃないですか!」
私が渡した、お守りだった
「だからそんな事言わないで、グスッ・・・ください」
泣き出してしまったアーシア
「あ、アーシア泣くな!
私が悪かった! だから泣くな!」
思わずアーシアに駆け寄る
「グスっ、はい・・・」
そして私は何度も言ったであろうこの言葉を
もう一度言う
「まったく、君は本当に優しいな」
後書き
あれ・・・カチコミは?
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