| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

天使に愛に

作者:蛙男爵
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

4





目を閉じると いつでも彼女はそこにいて


半分頂戴と悪戯に微笑む



そして僕は何も言えずに差し出すんだ



目を開ければ
もちろん誰もいない

声も消えてしまった



急に寂しさに襲われた僕は
袋に入ったアイスを 粉々に砕いた


混ざり合った二本のアイスを見て
何とも言えない感情がこみ上げる


一つ口に入れると

冷たさと いつもの味が広がる



彼女に合う前は これを一つ買えば
一人で二人分食べれると 得した気分だったのに


今の僕には多すぎて
足元を這う アリの行列に一欠片 分けてあげた



自転車に跨がり
ペダルを漕ぐ




錆びついた この自転車の音を
無性に聞きたくてたまらなかった











 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧