ヘタリア大帝国
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TURN101 偽帝その六
「意地悪とかいじめとかね」
「そうした人として間違っていることは」
「そういえば宗教みたいだって言ってたよな」
「そうよ、共有主義もね」
一種の宗教だというのだ。
「それになるのよ」
「それじゃあ共有主義にも教義があるんだな」
「あるわよ、本当にね」
まさにそれがあるというのだ。
「赤本ね、書記長さんの書かれた」
「コーランみたいなものだな」
「まさにそれよ、あと資産論とか」
この本も話に出た。
「そういうのがイスラムで言うコーランみたいなものよ」
「成程な、わかった」
「まあ共有主義についてのお話はそれ位にして」
それでだというのだ。
「ロリコフ博士だけれどね」
「その変態ロリコン博士だな」
「確かにロリコンだけれどね」
ペドと言わない辺りにリディアの情が出ている。
「紳士でもあるのよ。間違っても手を出したりはしないから」
「だといいんだがな」
「見て愛でるだけの人よ」
そうした人としてのモラルは守っている人間だというのだ。
「所謂変態紳士なのよ」
「変態でも紳士か」
「そう、そういう人なの」
「じゃあ悪人じゃないんだな」
「悪人ではないわ」
リディアもこのことは保障する。
「ただ変態なだけでね。それにソビエトの科学を支えている人だから」
「うちの科学技術庁長官みたいな奴か」
ダグラスは彼をドロシーの様な者と考えてリディアに問うた。
「そうなんだな」
「そうね、近いわね」
実際にそうだというのだ。
「ソビエトの文部科学大臣でもあるのよ」
「文部!?」
皆この部分にかなり疑問を持って即座に声をあげた。
「ロリコン趣味の変態なのに!?」
「教育担当?」
「あっ、教育は実質的には書記長さんが全て統括してるから」
他ならぬカテーリンがだというのだ。
「ロリコフ博士は科学に専念してるわ」
「それは何よりです」
日本もその話を聞いてほっとした顔になる。
「ソビエトもその辺りは考えているのですね」
「まあ書記長さんは何でも統括してるけれどね」
完全な独裁者だというのだ、こうした意味でもファンシズムと同じである。
「で、そのロリコフ博士だったら」
「デンキウナギの細胞を使っても普通やねんな」
アルゼンチンが問う。
「そういうこっちゃな」
「そうなの、あの人ならね」
そうしたことが出来るというのだ。
「だから今のあの敵艦隊もね」
「その技術を使ってかいな」
「ビームを吸収してるのかもね」
「厄介やな、それやったら」
アルゼンチンも困った顔で言う。
「どないしたもんかいな、艦載機もあかんし」
「それなら鉄鋼弾やろ」
ペルーがそのアルゼンチンに返す。
「それで攻めたらええやろ」
「それがあるか」
「そや、それでどうや」
「そやな、ほなそれやな」
アルゼンチンも納得する、そして実際に東郷もモニターに出て来た平賀にこう言われたのである。
「とりあえず外相はまた復活した」
「そうか、それはよかったな」
「戦線に戻って来るその時を楽しみにしておいてくれ」
「是非な、それで今ここに出て来たのはあれだな」
「話は聞いた」
久重の口から話す。
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