ハイスクールD×D ~ 元聖女の幼なじみはエクソシスト ~
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第一話『再会』
「よく無事だったわね」
俺とアーシアは今、部長に抱き寄せられていた。
なぜこんな状態になっているのかというと、その説明をするには少し時間を遡らなければならない。
その日、俺は部長の機嫌を損ねてしまい仕方なくアーシアと2人で自宅へと帰宅することになった。
あ、ちなみにアーシアと部長は、我が家である『兵藤家』にホームステイしている。
アーシアは、単純に住む家がないから。部長は…どうしてかわからないが、部長の許嫁だったライザーとの戦いが終わってから急に我が家で住むことになった。ま、嬉しいからいいけどな。
それで我が家に到着したはいいが、家の中から嫌な雰囲気、ーーーー例えるならアーシアを教会へと案内した時に、教会を見た時のような寒気のする雰囲気ーーーーを感じた俺は、急いでアーシアと家の中でへと突入した。
戦闘すら覚悟した俺たちを待っていたのは、
「お久しぶり、イッセー君」
俺も忘れていた幼なじみとの邂逅だった。
『紫藤イリナ』。
前にオカルト研究部の皆と一緒に見ていたアルバムの中に、聖剣と一緒に写っていた少年が彼女だったのだ。
イリナはかなりの美少女になっていたが、さすがの俺も教会関係者には反応せずに、いつでも母さんとアーシアを守れるように準備していたが、結局彼女ともう1人の教会関係者は、なにもせずに30分ほど談笑してから帰って行った。
久しぶりに帰ってきた日本。しかも幼い頃住んでいた町に再び来たので、あの頃を懐かしんでついつい寄ってしまったらしい。
母さんはもっと寄っていけばいいとイリナにいったが、ーー俺たちにとっては迷惑なことにーー イリナは「連れがいるから」とその申し出を断った。イリナが30分で帰って行ったのも、その連れから連絡がきたからだろう。携帯にメールきてたみたいだし。
…でも、メールを見たイリナの顔が若干青ざめて見えたのは何でだろうか?
まあ、なにもなくてよかった。
まぁ、俺とアーシアはできるだけ関わらないようにして、母さんに相手を任せていたが。
その後、部長が帰ってきたのだが、俺たちが帰宅したときと同様の反応のように血相を変えて部屋に入ってきて、俺とアーシアが無事なのを確認すると、間髪入れずに俺たちを抱きしめてきたというわくだ。
その後、心配しすぎて部長が情緒不安定のような状態に陥ったが、なんとか落ち着いたところで話を進める。
「昼間に彼女たちと接触したソーマの話では、彼女たちは私ーーーーーーこの町を縄張りにしている悪魔リアス・グレモリーと交渉したいそうなのよ」
「教会の者が、悪魔と?」
俺の問いに部長はうなずく。
これは驚きだ。敵対しているはずの悪魔とキリスト教徒。それなのにあちらから交渉とは。
「つまり、契約ですか?依頼?」
「……どういうつもりかはわからないけれど、明日の放課後に彼女たちは旧校舎の部室訪問してくる予定よ。こちらに対して一切の攻撃を加えないと神に誓ったらしいわ」
「信じられるんですか?」
「信じるしかないわね。彼女たちの信仰を。信徒にとって邪悪な存在である悪魔に依頼をするぐらいなのだから、相当切羽詰まって、かなりの厄介事なのは確実かしら…何か、嫌な予感がするわね。話ではこの町を訪れてきた神父が次々と惨殺されているみたいだわ」
部長は目を細め、難しい表情となっていた。
ーーーーーー何かがおきそうだ。
この世界の新参者である俺さえそう感じざるをえなかった。
☆
☆
翌日、駒王学園オカルト研究部部室に部員全員が集結していた。
アーシアサイド
今、私たちはソーナ会長が接触したという教会関係者を部室で待っています。
普段ならこの部室は柔らかい空気で包まれていて、皆それぞれ自分の時間をすごしたり、仕事に呼び出されたりとまったりした空間を過ごすんですけど、今は皆さん緊張しています。…祐斗さんは緊張というより凄くピリピリしてますけど。少し、怖いです。
それをみかねたリアス先輩は祐斗さんをたしなめます。
「祐斗。気持ちはわかるけど、少し殺気を抑えなさい。アーシアが怯えてるじゃない」
ふえっ!私ですか!?
「……そうですね。すまない、アーシア。少し気が立っていたようだ」
「い、いえ、そんなこと!」
正直祐斗さんが殺気だつのもしょうがないと思う。
『聖剣計画』
聖剣エクスカリバーの適合者を人工的に作るというその計画。
その教会の計画のせいで祐斗さんの人生はめちゃくちゃになったのだから。
その教会の関係者が来るとあったら、心穏やかでいられるわけがありません。
コンコン!
部室の扉をノックする音が。
どうやら来たようです。
『教会の者だが、リアス・グレモリー殿の部室はこちらでいいだろうか?』
扉のむこうから聞こえるのは少し高めだが、男性の声でした。
…………あれ?この声。どこか懐かしいような気が…。
「ええ、あってるわ。入ってちょうだい」
「失礼する」
リアス先輩に入室を許されて入ってきたのは、肩より長い銀色の髪をたなびかせた1人の男性。
…まさか、…あの人は!
「お初にお目にかかる、リアス・グレモリー。私は今回教会より派遣された、特務部隊小隊長」
ああ、雰囲気は少し違うけれど間違いない…。
「名は」「シオン君で‥すか?」「なに?」
その蒼い瞳が私を見ると驚愕の感情を映し出した。
ああ、やっと会えた。
部室のむこうから現れたのは、私の幼なじみ。
「アーシア…なのか?」
「はい、お久しぶりです。シオン君」
シオン・ラザフォードその人だった。
-2-
後書き
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