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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0439話

「……妙だな」

 墓守人の宮殿をひたすら上へと登りなら思わず呟く。
 周囲に広がっているのは静寂。いや、微かに感じるこの気配は……
 ふと、道半ばでローブを被っている小柄な人影が目に入る。
 墓所の主とか言う奴か!?
 咄嗟に身構えるが……墓所の主は上の方を指さしてそのまま姿を消す。

「……どうなっている? 奴は完全なる世界の一員じゃなかったのか? ……いや、考えるまでもないか。どのみちリライトの儀式を止めなければならないというのは変わらないしな。戦う必要がないのならその分手間が省けたと思っておくか」

 呟き、改めて羽を羽ばたかせて進んで行くと……

「見えた!」

 墓守人の宮殿、最上階層。そして外へと繋がる扉。即ち、魔法世界を消す為の儀式場への入り口!
 空中で態勢を整えて、床へと着地。息を整えてから扉を開ける。
 あのフェイトなら不意打ちなんて真似はしないだろうが、さっきのような馬鹿もいるから念には念をって所か。
 そう思い内部の気配を探っていると、扉の向こうから声が聞こえてきた。

「入って来なよ。君だろう? アクセル・アルマー」

 気配も消してないし、それは気が付くか。
 扉を開けて外へと出ると、そこに広がっていたのは幾重にも円形状の舞台が繋がっている儀式場。その中央には俺達の最大の目標であるグレートグランドマスターキーの姿があり、調の姿もそこにある。そしてその近くには……

「神楽坂!?」

 そう、気を失っている神楽坂の姿がそこにはあった。
 ……小太郎達はミスったか何かしたのか。

「あぁ、そう言えば君達は彼女の救出も目標だったね。良かったじゃないか、僕を倒せば君達の目的は全て達成される」

 俺を待ち受けるように……否、実際に待ち受けていたのだろう。俺の入って来た扉から一番近い円形の舞台で俺を待ち受けるフェイト。
 俺もまた、そこへと歩み寄る。

「……色々と聞きたい事や言いたい事はあるんだがな、どうする?」
「そうだね。僕としても君と話しておきたい気はするよ。折角だし話してみようか」
「そうなると……そうだな、まずはこれから話しておくべきか。この墓守人の宮殿最下層で俺が言った話を聞いてたか?」
「それはこの魔法世界を救うプランがあるという話かい? 確かに聞いてはいたけど、そうそうすぐにはいそうですかと信じられる訳にいかないのは分かってるだろう?」

 いつもの無表情でバッサリと切り捨ててくるフェイト。……いや、多少目が興味深そうな光を放っているか?

「さて、何から話したものか。そうだな……俺の事は調べたか?」
「もちろん。京都での一件があった後に大急ぎでね。ただ、現実世界の方には伝手があまり無いから君の件に関しては殆ど分からなかったけど」
「麻帆良に侵入させた悪魔も戻ってこなかったしな?」
「なるほど、やっぱり彼等を倒したのは君だった訳か」
「そうなるな。悪魔まで派遣したのに悪いが、俺を調べてもまずお前達が知りたいような情報は一切入手出来なかったと思うぞ」

 その言葉にピクリと眉を動かすフェイト。

「その言葉は、僕達を侮っていると見ていいのかな? それとも絶対に自分の情報を得られないという自信の現れかい?」

 フェイトの言葉に首を左右に振る。

「違う、その時点から間違っているんだ。俺の情報を麻帆良やら現実世界やら魔法世界やらでどれ程深い場所まで探ったとしても、出て来るのは精々近右衛門がダミーとして用意したものくらいだろう」
「それは、どういう意味かな? それだとまるでこの世界には君の情報が何処にも無いと言ってるように聞こえるんだけど」
「ふんっ、やっぱりお前は察しがいいな。さっき突っかかってきたクァルトゥムとかいう奴とは大違いだ」
「……彼と会ったのかい? いや、それで君がここにいるとなると、つまりはそういう訳か」
「ああ。今頃は石になってその辺に転がってるよ」
「一応、彼は僕と同じ性能を持っているんだが……」
「確かに力だけを見ればお前と同等だったのかもしれないが、力を手に入れて有頂天になっているような奴に俺をどうこう出来るとでも思ってるのか?」
「……まぁ、彼は意図的にああいう性格として作られたからね」

 僅かに視線を逸らしている所を見ると、フェイトとしてもクァルトゥムは扱いに困る存在だったのかもしれないな。

「で、話を戻すとだ。この世界そのものに俺の情報が無いというのは正しい」
「……」

 無言で先を促すフェイトに、ニヤリとした笑みを浮かべつつ口を開く。

「改めて自己紹介だ。俺の名はアクセル。アクセル・アルマー。とあるテロ組織が起こしたテロの為に次元転移装置の暴走でこの世界に飛ばされてきた正真正銘別世界の人間だ。それも現実世界とこの魔法世界という1つの世界の中で別にある異世界という訳じゃない。平行世界、パラレルワールド。そういった類の別世界だな」
「この魔法世界とも違う……別の、世界?」
「ああ。そして、だからこそこの魔法世界を救う為の手段を提示出来る」

 ピクリ、と反応するフェイト。その視線が嘘を吐く事は許さぬとばかりに俺を見据える。

「具体的なその手段を聞かせて貰おうか」
「まず第1に。この魔法世界消滅の危機に陥っているのは火星にあるこの魔法世界の魔力が無くなってきているから。これは大前提だな?」
「そうだね。間違ってない」
「つまりは、火星に魔力を産み出す力が無い。もしくは極小さいというのが理由な訳だ。そして反面地球では魔力を産み出す力が強い。つまりは、火星をテラフォーミングして人が住めるようにすればその魔力不足も解消するだろう?」
「……確かにそうかもしれない。けど最短9年……いや、君が無数の精霊達を消滅させてくれたおかげで8年程度しか時間が残っていない。時間が足りないだろう」
「確かに宇宙に出るのに四苦八苦しているこの世界では10年、あるいは下手をしたら100年経っても火星のテラフォーミングは無理かもしれない。だが、そこで俺の話だ。俺が元々生まれた世界では、一部ではあるが冥王星付近まで進出をしていた。もっとも、そこで異星人に襲われたがな」
「異星人? それは何の冗談だい?」

 肩を竦めるフェイトだが、正直俺にしてみれば魔法世界の住人も異星人もそう大して変わらないんだがな。

「お前にとってはそうでも、俺の世界にとっては実際にあった話だ。で、詳しい経緯は省くが俺はその異星人達が使っていたコロニー並の移動要塞を本拠地にしている組織を率いている。そして俺がこの世界に飛ばされた原因でもある転移装置によって幾つかの別の世界と自由に行き来できるようになっている訳だ」

 正式に国交を結んでいるのはSEED世界のみだが。

「そしてその世界も俺の世界同様に科学技術が発展していて宇宙にコロニーを作る程度には宇宙進出している。……どうだ? この話を聞いただけでも火星をテラフォーミング出来る可能性があると思わないか?」
「……その話が本当なら、確かに可能性はあると思う。けど、君はその次元転移装置とやらの暴走でこの世界に飛ばされてきたんだろう? なら結局君の話している内容は机上の空論だと思うけど」
「ほう、俺の話を信じるのか?」
「正直君の情報が全く無いという状況や、君自身の規格外の能力を見てないと信じようとは思えなかったけどね」

 まぁ、確かにこの世界に来てから大魔王とか言われるようになったりはしているが……そもそも俺自身の生身での能力が規格外云々と呼ばれるようになったのはこの世界に来てからなんだがな。

「話を戻すが、何も俺だって何の手掛かりも無いままにこの世界に転移させられた訳じゃない。マーカーという平行世界間で機能する発信器のようなものがあってな。その修理も終わったのを考えると、そろそろ向こうから連絡が来てもいい筈だ。そして俺の本拠地――ホワイトスターという名称だが――との連絡を付けさえすれば自律行動可能なロボットをそれこそ数百、数千、下手したら数万単位で運用が可能だ。時間があれば億単位に届くのもそう難しい話じゃないし、同時に俺達が持つ科学力があれば火星のテラフォーミングも可能だろう」
「それで、本当にこの魔法世界崩壊のタイムリミットまでに間に合うと?」
「その辺は正直、微妙な所だな」

 そう告げた瞬間、フェイトの眉が再びピクリと動く。
 何かを言いかけて口を開こうとしたタイミングに合わせて言葉を続ける。

「そこで第2のプラン。正確には第1のプランの補助的なプランだ。魔法世界の崩壊の理由はあくまでも魔力不足であって、火星の魔力じゃなければ駄目という訳でもないんだろう?」
「そうだね、それに対する答えはイエスだ」
「なら話は簡単だ。火星のテラフォーミングが完成するまでの間はどこか他の場所から魔力を持ってくればいい」
「……何だって?」
「さっきも言ったが、宇宙に出るのに四苦八苦しているこの世界の科学技術では無理かもしれないが、俺達にとっては宇宙に出るのはそう難しい話じゃ無い。実際宇宙を自由に移動する為の艦船なんてのは大量に作られているしな。それを使って火星の近くにある惑星から魔力をどうにかして運んでくればいい。場所的には金星、あるいは木星といった所が火星から近いから最有力候補か。それに……」
「……取りあえず、金星は除外した方がいいと思うけどね」
「何でだ?」
「さて、それは君自身が解き明かすべき謎だと思うよ。それで、それに……の続きは?」
「あぁ、最終手段としてはホワイトスターにある転移装置を使って他の平行世界にある地球から魔力を運ぶという方法もある。もっとも、そのどれを選択するにしても魔力を運ぶ為のタンクや容器の類は開発しないといけないがな。ちなみに、その方法を取る場合は今ならおまけとして火星のテラフォーミングに使える人型機動兵器ストライクダガーという機体も付いてくるという大奮発だ」

 ストライクダガーは鹵獲したのはいいがシャドウミラーでも持て余しているいらない子だから、その処分も兼ねてるんだがな。

「なるほど、君の提案は分かった。まだ話を聞いただけだが、実際に成功の見込みもあるだろう」
「どうだ? 受けるか?」
「……残念ながら成功の見込みがあるからといって、はいそうですかと計画を乗り換える訳にもいかないのが実情でね。それに僕としてもこれまでこの計画の為にここまで頑張ってきたんだから、そう簡単に乗り換えるという訳にもいかないさ」

 そう言いつつも、どこか迷うように微かに揺れている目の光。それを見た俺は敢えて挑発的な口調で言葉を紡ぐ。

「自分の意地で魔法世界を救う為のチャンスを見逃すのか?」
「……確かにそうだね。僕達の目的はあくまでもこの魔法世界を救う事なのは間違い無い」
「それに、このリライトの儀式は何も今すぐにやる必要はないんだろう? なら魔法世界が崩壊する寸前まで待って、それでも駄目なようなら最終手段としてやればいいじゃないか。本当に取るべき手段が無いと言うのなら俺もお前達に協力してもいいし。ついでにMMのように現実世界でも存在出来る人間達に関しては俺が引き受けてもいい。ホワイトスターはそれこそ1つのコロニー並の大きさがあるからな。1億人程度ならどうとでもなる」

 何しろ現在ホワイトスターに住んでいるのはシャドウミラーだけであり、居住施設には圧倒的な余裕もある。もちろんホワイトスターに移住する以上は俺達の意志に従って貰う事にはなるが……火星に放り出されたりするよりはマシだろう。

「なるほど、それは確かにいい案かもしれないね」

 フェイトにしても、MMの人員を心配しなくてもいいというのは渡りに船なのか結構乗り気に頷く。

「さて……意見も出揃ったし、ゲームでも始めようか」
「ゲーム?」
「そう。もしこのゲームで君が勝ったら、僕は君に従って君のプランを推進しよう。ただしそれはあくまでも君が勝った場合だ。先程も言ったが、僕としてもこれまで進めてきた計画がある以上はそう簡単に乗り換える訳にはいかないからね。だからゲームだ」
「内容は?」
「簡単だよ。僕と君が手加減無しで戦って、勝者の方のプランで魔法世界の救済を行う。ただし時間制限は付けさせて貰うよ。現在行われている儀式が完成するまでがタイムリミットだ。当然リライトの儀式が完了すれば魔法世界は消滅するよ」
「……いいだろう」
「大魔王と呼ばれた男の本気、楽しみにさせて貰うよ。……あぁ、そうそう。君が精霊の群れに襲われた理由を知ってるかい?」
「いや、そう言えば知らないな。お前はその理由を知っているのか?」
「これまではあくまでも予想だったんだけど、君の説明で何となくね。恐らく精霊達は君が別の世界の存在だからこそ惹かれたんだと思うよ。実際君の契約したグリフィンドラゴンは恐らくこの世界で生を受けた魔獣にも関わらず現実世界に移動出来る筈だ」

 ……なるほど。俺の血を受け止めるだけの器があれば確かにそれは可能かもしれない。精霊にしても自我があるとしたら消滅をしたくないと考えるのはそうおかしな話では無いだろう。だが……

「それが何故あのタイミングだったんだ? 俺が召喚魔法の契約をしてから襲われるまでは随分と時間のズレがあるが?」
「さて、今も言ったようにあくまでも予想だからね。恐らく精霊が群れと化して暴走するには他の要因もあるのかもしれない」
「ふんっ、結局は詳しい理由は分からないという訳か」
「残念ながらね。……さて、そろそろ話は終わりにしてゲームを開始しないかい? 君にしても時間を消費するのは嬉しく無いだろう?」
「……そうだな。じゃあ、始めるとしようか」
「そうだね、始めるとしよう」
『この世界を救う為の第一歩を!』

 俺とフェイトの声が重なり、同時に瞬動を使ってお互いの間合いを詰めていく。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:20
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊

撃墜数:393 
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