ワンピース*海賊と海軍、七武海と白髭。「永久の愛を」《1st》
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第一章
*エースとの別れ*
雷が泣いた日。4
あたしの雷から蛆虫船長を守ろうとジンベエが蛆虫船長を腕に走り出した
マルコ「リノ!!!」
マルコの声は落雷の中へと消えていき、
あたしの周りに落ちてくる落雷に身の危険を感じたレオンたちが離れた場所で敵と戦っていた
リノ「エース・・・ねえ…エース…戻って、来てよ…
エースさえいれば、あたし…あたし……」
誰の声も今のあたしには聞こえないって自分でもわかってた
・・・なのに・・・
白髭「リノォオォォ!!!」
リノ「!」
怒りに満ち溢れたジジイの声が落雷に負ける事なくちゃんと、
あたしのとこにまでジジイの声が届く
あたしに背を向けたまま手に覇気を纏い、大きな突風がジジイの方から起こった
白髭「いつまで泣いてるつもりだァァァ!!!」
………何よ、
白髭「エースは!!お前に泣けと言ったのか!!?
こんな時!!エースはお前に何て言うと思うんだァァァ!!!?」
リノ「・・・・・・」
無茶苦茶な奴だってのはあたしが一番よく知ってるのに今のジジイの言葉は深く心に来た
分かってる、分かってるよ
〝泣くより笑って欲しいぜ〟
ってエースが言うのは分かってる
・・・でも・・・あたしは弱いからすぐには立ち直れない
何で皆・・・悲しいのに戦えるの・・・?
何でジジイも・・・本当は悲しいのに・・・戦おうとするの・・・?
白髭「エースは!!エースは・・・もう・・・!!!」
・・・何で・・・何で・・・?
あたしには理解出来ないよ・・・?
白髭「この世にはいねェーんだぞ!!!」
リノ「っ・・・・・・分かってる・・・・・・分かってる!!!」
白髭「ならば戦え!!」
リノ「!!」
センゴク「白髭ェェ!!何を言う!!」
大仏男との距離は結構離れているのに、
アイツの怒鳴り声がすぐ近くで聞こえたような気がする
さっきまでは敵味方関係なしに落ちていた落雷も
今では落ちなくはなったけど、
あたしの周りでバチバチ鳴っていた
まるで雷にも人格があるように自分の意思なんかじゃないのに
〝敵からの攻撃はすべて防ぐ〟とでも言ってるような気がした
白髭「〝エドワード〟の名を持つ者として恥ぬ生き方をしろと教えたはずだぞォォォ!!!」
ジジイの一言で戦場が一斉に静かになるとジジイが振り返ってあたしを見た
・・・確か小さい頃、初めてジジイの船に乗った時
〝お前はエドワードの名前を持って生まれた代わりに自由に生きろ〟
とか言われてあたしがどんな感じに?って質問したら
例えば俺みたいになって言った後で一人で大爆笑してたっけ
もっとマシな例は無いの?って聞いた時、それは自分で探せって言われたのも覚えてる
最初、〝エドワード〟っていう名は〝D〟に比べれば全然大したことないって思ってた
なのに今は違う
センゴク「エドワード・・・じゃと・・・?!海姫!!まさか貴様は・・・!!!」
エース・・・あたし、どうしてエースがあたしとは違ってすぐに船を下りなかったのか何となく分かったよ
リノ「エース・・・っ」
嬉しそうに笑うエースの手に自分の手を絡めて、空いた手で優しく包むと
すぐ後ろで今までに感じた事の無い殺気を感じた
リノ「!」
・・・けどその殺気の主は誰かすぐに検討がついた
センゴク「海姫ェェ!!これは一体どういう事だァァ!!」
レオン『! リノ!!』
やっぱ大仏男だ。
こんな殺気を出して近付いて来る奴なんてコイツしかいない
海軍の中にはあたしが恐いからって言って遠ざける蛆虫の方が多い
中将どもは必要な時にしか話しかけて、他の奴らはあたしを嫌な目で見る
白髭「!!」
センゴク「貴様は我々を騙していたという事かァァ!!」
リノ「っ・・・」
何でこういう時に限って・・・何も言えないの・・・!?
センゴク「っ・・・!!
何も言わない・・・そうか、ならばお前も敵と見なす!!」
遠くで誰かがあたしの名前を呼ぶ声が聞こえる
けどもう何も出来ないって思った
何となく分かってたんだと思う。
あたしの力じゃ大仏男には叶わないんだって。
あたしを庇うように電撃の盾が大仏男の巨大な手を食い止めていたとしても
あたしよりも強い大仏男が盾を押し潰し、本当に殺されるって思った時――
リノ「?!」
エースから貰った炎がユラユラと揺れだし、
暖かくて大きくなった炎がもう少しであたしに触れそうになった大仏男の拳を跳ね返した
リノ「う・・・そ・・・っ・・・エース・・・ありがと・・・ありがと・・・!」
〝愛してる、いつまでも傍にいる〟
ついさっきエースが耳元で言ってくれた言葉を思い出すと
嬉しくて涙が止まらなかった
エースはあたしが悲しむと分かってた
・・・エースは・・・何もかも分かってたんだ・・・
何で・・・あたしは何もしてあげれなかったの・・・
リノ「エース・・・!!」
嬉し涙と悔し涙が入り混じって頭の中にはエースの優しさでいっぱいだった
白髭「リノォォォ!!」
リノ「!?」
ジジイの声が聞こえて頭を上げると
あたしの頭上には剣や銃を構えた蛆虫どもがあたしを殺そうとしていた
けどミファルが時渡りで違う場所へと移動すると
ほんの一瞬の出来事に頭が真っ白になって
それから自分が今、何処にいるのか気付いた時にはさっきまでいた場所から煙が上がっていた
リノ「う・・・そ・・・っ・・・そん・・・な・・・!!」
ハンコック「リノ!!」
リノ「やめて・・・エースが・・・!!」
ハンコック「止めるのじゃリノ!!」
エースのとこへ行こうとしたあたしの腕を引っ張り、
ハンコックがあたしをレオンの背中に乗せて船が留まっている場所へと連れて行く
リノ「お願いだからやめて・・・ハンコック!!エースが!!エースが…!!」
レオン『リノ!!いい加減にしろ!!』
リノ「っ・・・」
レオン『アイツはもう・・・いないんだぞ・・・!!』
何で皆・・・何でそんなに・・・
人が目の前で亡くなって平然そうな顔でいられるの・・・?
自分が愛した人じゃないから・・・?
リノ「なんでよ・・・!!分かんないよ・・・!!・・・何で・・・!?」
レオン『悲しいのはお前だけじゃない!!』
リノ「?!」
そう言ったレオンの声がわずかに震えていた
顔は見えなかったとしても・・・レオンの声からは・・・少しだけ、レオンの気持ちが分かった
・・・けどまだ終わった訳じゃなかった
ハンコック「なんじゃ・・・あの黒い煙は・・・」
リノ「え・・・?」
横にいたハンコックが止まって振り返ると
レオンも止まってあたしたちは黒い煙を見上げた
ベガルス『見たことの無い煙だな・・・』
ラフュー『・・・そう遠くはないぞ。』
エルノ「メリーサ、あそこでは今何が起きている」
メリーサ『・・・・・・・・・』
リノ「?・・・メリーサ・・・?」
メリーサ『・・・リノ、お前は見ない方が・・・』
リノ「貸して・・・!!」
メリーサが持っていた宝玉を無理矢理奪うと
いつもみたに言う事を聞きたがらない宝玉に軽く電撃を流し込むと
宝玉に映ったのはジジイが撃たれているところだった
リノ「ジジイ・・・!!」
ハンコック「何ということじゃ・・・!!」
宝玉の中でひたすら流れている光景にあたしは何も出来なかった
ただただ呆然と見てるだけで目の前が真っ暗になっていく__
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