転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0437話
「さて、準備はいいか? 行くぞ!」
俺、ネギ、小太郎、長瀬、古菲、桜咲以外のメンバーは既に全員長瀬のアーティファクトである天狗之隠蓑に入っている。よって、足が遅くなるという事はないだろう。
グレートパル様号の突っ込んだ場所から墓守人の迷宮内部へと突入し、どんどんと進んで行く。俺は地を走らずに混沌精霊としての力で飛んでいたりするが。ちなみに、混沌精霊としての力で影のゲートを使えないかという案も出たのだが、オスティアの時に念話を封じていたのと似たような仕掛けが施されているらしく、墓守人の宮殿の中では影のゲートは使えないらしい。正確に言えば影に潜りこむ事は出来るのだが、ゲートとして機能しないと言うのが正解か。
まぁ、よく考えればゲートという転移魔術は高難易度の為に使える者は限られているがその存在は広く知られている訳で、完全なる世界の本拠地とも言えるこの墓守人の宮殿でそれに対する防御をしているのは当然と言うべきだろう。
「っ!? 前方に敵の匂いやっ!」
通路を走っていると小太郎がそう告げてくる。この辺、さすが狗族だよな。
そう判断しつつ、空間倉庫からグランドマスターキーを取り出す。
ちなみにここに突入する時に宮崎へと渡したグランドマスターキーは既に回収済みなので、俺の空間倉庫には予備が1つある事になる。グランドマスターキーは残り5つ、か。
「この中で出て来る敵なら、まず間違い無くマスターキー持ちがいる筈だ。それ以外の敵は俺がグランドマスターキーで一掃するからお前達はマスターキー持ちを片付けろ!」
「俺に任せとけっ!」
小太郎の返事に皆が同意するように頷く。
そしてやがて通路の先からマスターキーを持った小型の個体が1、大型の竜のような個体が2、竜型と同程度の大きさを持つ魔族型の個体1。そしてその背後には無数の召喚魔らしき存在達の姿が。その数、ざっと数百と言った所か。
だが俺がこっちにいる時点でその手は悪手だったな。
持っていたグランドマスターキーを握り、魔力を込める。
『リライト』
その一言で20体程のマスターキー持ち以外の召喚魔は全て霞の如く消えていく。
「行け!」
そして突っ込んでいくネギ達。その様子を見ながら、自分のステータスを確認するが、そこに表示されているレベルやPP、撃墜数に変化は無かった。
やはりグランドマスターキーで敵を消滅させても俺が倒した敵とは認識されないらしい。あれだ、ドラクエでいう二フラムとかバシルーラで戦闘を終了させても経験値にならないようなもの……なんだろう、多分。
ともあれ、まさに雲霞の如く現れる敵召喚魔をグランドマスターキーを使って次々に消滅させていき、同時にマスターキー持ちはネギ達があっさりと倒していく。そうして敵を倒しながら進んで行くと、やがて縦坑へと到着する。
「ここは上です!」
恐らくルーナから前もって情報を貰っているのだろう。ネギが迷い無く向かう先を示し、螺旋階段状になっている縦穴の中を進む。
とは言ってもわざわざ階段を上がって行くのではなく、俺とネギは混沌精霊や雷精としての能力で空を飛び、それ以外の奴等は虚空瞬動の類を利用して縦坑の真ん中をショートカットしているのだが。
『リライト』
再度グランドマスターキーを使用し、縦坑に群がっている無数の召喚魔の中でもマスターキー持ち以外の全てを一掃。そこへとネギ達が突っ込んでく。
「なんちゅーか、アクセルの持ってる鍵を使うと圧倒的過ぎやな」
既にルーチンワークとなっている作業を行っていると、虚空瞬動を使いながら小太郎がどこか呆れたような口調で呟く。だが、そもそもこれがないとこいつら全員を相手に無駄な消耗をする事になって、こっちの戦力や体力も消耗するんだがな。
「楽が出来るならそれに越した事はないだろう? そもそも向こうだってマスターキー持ちが大量に出て来てるんだしな」
そんな風に話している間にも俺達の迎撃に出て来た召喚魔の最後の1匹をネギの拳が貫いて消滅させる。そして敵が一掃された縦坑を上がって行くと、やがて頂上へと辿り着く。
そこは縦坑の真ん中に円形状の足場が作られており、下から伸びている螺旋階段が繋がっている。そして足場と壁を繋ぐ通路が幾つか作られており、壁には扉が設置されていた。
「アクセル坊主のおかげで随分とスムーズにここまで来れたでござるが……栞殿、よろしいか?」
『はい』
長瀬が周囲を警戒しながら栞――ルーナのコードネームのようなもの――の名を呼び、天狗之隠蓑から神楽坂に化けているルーナ――面倒臭いから以下栞で統一する――が姿を現す。
「ネギさん、大丈夫ですか? この旧オスティアに突入する前からずっとその姿で戦いっ放しですけど。デュナミス様の強さは尋常ではありませんし、魔力残量等は……」
そう言ってネギを心配する栞だが、あのいかにもな扉を見ながらその話しへと割り込ませて貰う。
「あの扉の先にそのデュナミスがいると見て間違いないのか?」
「むっ、……ええ。あれが墓所への扉です。墓所を通り抜けて上部へと上がれば……」
話しに割って入った俺に若干眉を顰めながらもその質問には答える栞。妙に生真面目な所は神楽坂の影響を受けているのか、あるいは元々の性格なのか。それはともかく。
「歓迎の準備は万全、か」
扉を見ながら口に出す。
「そうやな。まさに大歓迎お持て成しの準備は完了してるっちゅう感じやな」
「強大な気と魔力を隠そうともしていない所を見ると、小太郎の言う通りに正面から勝負を掛けてきたといった所でござるか」
「月詠も捕らえられて随分と数が減ったというのに、強気ですね」
桜咲の言葉の言葉を聞きながら敵戦力を推察する。
残っている敵幹部はこちらが把握している限りではフェイト、デュナミス、墓所の主、ポヨと言った所か。そのうちポヨは龍宮が押さえているのを考えると、自由に動けるのはそれ以外の3人とフェイトの従者が4人。だがグレートグランドマスターキーを放って置く訳にもいかない以上、待ち受けている幹部自体は多くて2人。そこにフェイトの従者達な訳だが……そうなると待ち受けているのはフェイトの可能性が高いのか? なら少しペテンに掛けさせて貰おうか。
「ネギ、それから小太郎達もちょっと聞いてくれ。これから俺はネギの影に潜りこんで気配を出来る限り消す」
「え? 何でそんな面倒な真似をすんのや?」
「最後まで聞け。あの扉の向こうにいるのは敵の幹部級がいるのは間違い無いだろう。で、そうなると間違い無くグランドマスターキーを持っている可能性が高いだろうから、それを無効化する為だ。ネギ、お前は何としても敵が持っているグランドマスターキーを奪う……とまではいかなくても、弾き飛ばすなりなんなりして敵の手元から離してくれ。そうすれば後は俺が何とかする」
「ちょっ、ちょっと待って下さい! それってもしかしてフェイト様や焔達にリライトを使うって言ってるんですか!?」
俺の言葉に栞がそう言ってくるが……
「そもそもお前達の目的は完全なる世界とやらに魔法世界の住人を送る事なんだから、自分がそっちに行っても構わないんじゃないのか?」
「そ、それはそうですが……でも、貴方達のプランが実行されるのなら……」
栞の言葉に、ネギもまた頷いている。
ここで揉めて余計な時間を取ったり、士気が落ちたり、最悪仲間割れになるのはありがたくない……か。
「あー、分かった。ならこうしよう。グランドマスターキーを使うのは待ち受けているのがフェイトじゃない時、つまりはデュナミスか墓所の主でフェイトの従者達はネギ達が鎮圧出来たら俺は手を出さない。これでどうだ?」
「……分かりました。色々と言いたい事はありますが、そちらも譲歩しているのは分かるのでそれで納得します」
「まぁ、もしリライトを使ったとしてもグレートグランドマスターキーを入手出来れば復活出来るんだから一時的なものだとは思うがな。……他に何かあるか?」
その質問に一瞬何かを言いたそうだったネギだが、今の状況を理解しているのだろう為に言葉を飲み込む。
以前のネギなら正面から正々堂々と戦いたいと主張しただろうに、随分と状況判断が出来るようになったな。あるいはそれだけ魔法世界の危機だと理解しているのかもしれないが。
「正直、不意打ちとかはあんまり好かんけど……今は手段を選んでいられる状況やないってのは理解出来るしな」
小太郎もまた同様に不承不承ではあるが納得し、桜咲、長瀬の2人も同様に頷く。
「よし、じゃあ頼むぞ」
ネギの影へと潜りこみながらそう告げ、俺が完全に消えたのを確認してその後は栞を再び天狗之隠蓑の中に戻してからネギ達は扉を開け放つ。
「ようこそ白き翼の諸君、次代の子等よ」
そう言ってネギを出迎えたのは、ゲートポートで俺と戦ったデュナミス、そしてフェイトの従者である暦、環、焔の3人だった。
なるほど。待ち伏せていたのはフェイトじゃなかったし、調の姿も無い。だが、これでこちらとしても遠慮無くグランドマスターキーを使えるというものだ。
そして敵の姿をその視界に捕らえた瞬間、ネギは雷速瞬動を使い突っ込んでいくが、それをフェイトと同様の多重魔法障壁を展開して防ぐデュナミス。
「けど、僕だって備えくらいはしている!」
魔力を込めた右手が鉤爪状になり、それを振り下ろすと魔法障壁が破壊されてネギの右手がデュナミスの顔面へと迫る。
「ぬぅっ!」
自身に迫ってくるその右手を視線で追いつつ、背後に浮かんでいるグランドマスターキーを手に取り影槍のようなものをネギへと放つ。……今だっ!
デュナミスの意識がネギへと集中しているこの好機を見逃さず、潜んでいたネギの影から飛び出す。影槍のような攻撃をまともに腹へと食らい、後方へと吹き飛ばされていくネギから分離したかのように現れた俺にデュナミスもさすがに困惑したのか一瞬だけ動きを止める。そしてその一瞬は俺が行動を起こすのに十分な時間だった。
「加速」
精神コマンドの加速を使い、瞬動を同時使用。デュナミスの横を通り過ぎ様にその手に持っていたグランドマスターキーへと手をかけ、渡すまいと力を込めたデュナミスから文字通りに力尽くで強奪していく。そして……
『リライト』
瞬動の動きを止めて反転。グランドマスターキーの先端をデュナミスへと向けながら魔力を通し、魔法世界の住人にとっては致死性とも言える呪文を唱える。
「ば、馬鹿な……あの忍者のアーティファクトに潜んでいる存在は感知していたが、まだ他にもいただと……?」
完全なる世界の幹部でもあり、恐らくまともに戦えばそれなりに苦戦したであろう相手は無念そうに呟きながら霞の如く消え去っていくのだった。
『デュナミス様!?』
身体が崩れていくデュナミスを目にし、焔、環、暦3人の悲鳴が周囲へと響き渡り、その隙を突くかのように小太郎が焔へ、長瀬が環へ、桜咲が暦へと攻撃を仕掛けていく。
ネギは、と見ると先程のデュナミスの一撃がそれなりに効いたのだろう。腹を押さえながら床に踞っている。
「貴様ぁっ! よくもデュナミス様を!」
小太郎が相手をしていた焔が、そう怒声を響かせながら俺の方を睨みつけてくる。そして同時に俺の周囲に炎が燃え上がり……
「それは悪手だ」
混沌精霊としての力でその炎を操り、俺の制御下へと収める。
「しまっ!?」
怒りの余り俺の能力を忘れていたのだろう。いや、調から得た情報だとこの焔という女は火を操る力しか持っていなかった筈。その時点で俺に対しては半ば無条件で手も足も出ない、か。
そのまま焔から奪い取った炎を使い、尻尾を伸ばして長瀬を攻撃している環へと投げつける。
「環っ、避けて! ぐっ!?」
焔が叫ぶも、その隙を突かれて小太郎に文字通り取り押さえられる焔。……女を攻撃出来ない小太郎らしいといえばらしいが。焔相手にそんな事をしていたら……
「あ、熱っ! ネギ!」
「うん!」
身体を炎と化た焔を火傷をしながらも押さえつけていた小太郎がネギを呼び、ネギは急いで眠りの魔法を使って焔を眠らせる。
そしてそうなれば後は早かった。多勢に無勢。いくら竜族、あるいは時を操るアーティファクトを持っているとは言ってもこちらも殆どが一流、あるいは超一流といえる実力を持っている面子だ。竜族である環が竜へと変化したとしても、あるいは暦が獣人としての力を発揮しても多少抗う時間を伸ばすだけになるのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:20
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
撃墜数:393
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