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レインボークラウン

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第七十話

                第七十話  転校生の使い魔は
 華奈子はまだトランプを操っている、それはホームルームがはじまるまで続けるつもりだった。そしてそれは美奈子もだった。
 そしてだ、こうも話すのだった。
「そういえばだけれど」
「どうしたの?」
 美奈子は華奈子に対して問うた、やはりトランプを動かしながら。
「今度は」
「うん、転校生の娘の使い魔だけれど」
「ああ、そういえば使い魔は魔女には絶対にいるからね」
「そう、どんなのかしらね」
「私達だと二匹だから」
 美奈子は自分達のそれぞれの使い魔達から話した。
「それも犬と猫とか。違う動物ずつでしょ、魔女の使い魔は」
「だったら何かしらね」
「ううん、どうもね」
 美奈子は首を捻った、首を捻るとそれだけでトランプもその首を捻った方向に動く。華奈子の首の動きにもトランプは動いていた。
 そのトランプを見ながらだ、美奈子は華奈子に言うのだった。
「想像がつかないわね」
「そうなのね」
「使い魔っていっても色々だから」
 美奈子は考えている、それでこう言った。
「例えば蝙蝠とか」
「あれっ、そういえばあたし達の中に蝙蝠を使ってる娘いないわね」
「今田先生達は使っていてもね」
「そうでしょ、とうもね」
 こう話してだった、そして。
 華奈子は蝙蝠と聞いてこう言ったのだった。
「ねえ、蝙蝠と一緒にいる動物って何かしらね」
「蝙蝠と?」
「そう、何かいたかしら」
「蝙蝠は哺乳類だからね」
 美奈子はこのことから話した、蝙蝠の生物の種類からだ。
「そうね、ももんがとかむささびとかかしら」
「あっ、どっちもお空飛ぶし夜行性だしね」32
「そう、そうなるわよね」
 美奈子は華奈子に対して言う。
「じゃあ若しその娘が蝙蝠ならね」
「むささびかももんがかしら」
「そうね、そうなるわよね」
「ええ」
 二人で話す、そして華奈子はその話の中でまた話した。
「使い魔はセットになるからね」
「そうね、犬と猫も相反する様でそうだしね」
 犬と猫は共にペットだ、それでそうなるのだ。
 二人は間際になって使い魔のことも考えた、そうして。
 その話の間もトランプを動かしている、そしてだった。
 頃合を見てだった、美奈子は華奈子に言った。
「私これで止めるから」
「そうね、それじゃあね」
「自分の場所に戻るから」
 魔法から授業に向かう、魔女は魔法と学校の両方の中にいるのだ。それで美奈子もそこに戻ったのである。


第七十話   完


                       2013・9・9 
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