転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0435話
『アクセル君、ネギ君! グレートパル様号の進路上に敵召喚魔多数! どうやら月詠とかいうのは偵察隊じゃなくて敵の先陣だったみたいだね』
甲板に響く早乙女からの通信。その通信を聞いてこれから向かう筈のオスティア廃都の方へと視線を向けると、確かに無数の敵が存在していた。どうやらグランドマスターキーを持っていた月詠以外にも鍵持ちはいたらしい。……まぁ、グランドマスターキーが7本という事を考えるとそれよりも下のマスターキー持ちだとは思うが。
「さて、どうするかだが……」
「一点突破だね。アクセル君や僕でグレートパル様号の進路上にいる召喚魔を片付けて、その隙を突く」
「だろうな。恐らく敵の中にはマスターキー持ちがいる筈だ。グランドマスターキーを使ってもそいつ等を消すのは無理だろうから、そっちはネギが雷速瞬動で倒して回ってくれ」
「うん、分かった」
「それと桜咲、お前も空中を飛べるからマスターキー持ちに回ってくれ」
「分かりました!」
「それ以外の奴は近付いてくる敵をここから迎撃だ」
その言葉に皆が頷く中、綾瀬が手を上げてくる。
「あの、よろしいでしょうか? 私達は杖で空を飛べるのですが……」
綾瀬のその言葉に、アリアドネー組2人も頷いている。
こいつらをどうするべきか。空を飛べるのはいいが、所詮はまだ騎士見習いでしかないのを考えると桜咲やネギのように敵に突っ込ませるのは厳しい。なによりもコレットとかいうのは魔法世界の住人だけにマスターキー持ちには手も足も出ないだろう。そうなると……
「分かった。ならこのグレートパル様号の死角から回り込んでくる敵を叩いてくれ。これからかなりの速度で飛ばすと思うから置いて行かれないようにな」
「はいです!」
杖、と言うか槍? に乗って甲板から飛び出していく2人。
「……うわ。あの数とかまさに雲霞の如くって奴だな」
『よーしよしよしよし。エンジン暖まってきたぁ。皆、しっかりと船体に掴まっててね!』
早乙女の声が船内へと響き渡ったかと思うと次の瞬間にはグンッ、と身体が置いて行かれるような錯覚に襲われる。瞬動等による加速ではなく機体に乗って感じる加速。ここ暫く感じていない独特の感覚だ。
「ネギ、桜咲、準備はいいな? さっきも言ったがお前達の狙いはマスターキー持ちだ。本来ならもう1本のグランドマスターキーを渡してやりたい所だが……」
「しょうがないよ。まさかここでもう1本手に入るなんて思ってなかったんだから、グランドマスターキーを使う訓練をしてるのはアクセル君だけで、その次がのどかさんなんだから」
……あぁ、そうか。そう言えばそうだった。俺以外にもグランドマスターキーを使える奴がいたな。
「宮崎」
「はい?」
基本的に遠距離攻撃力を持つでもなく、同時に空を飛べる訳でもない。つまり現状の宮崎は防衛するには戦力としては役に立たないのだ。なら。
空間倉庫から先程月詠から奪ったばかりのグランドマスターキーを取り出して宮崎へと渡す。
「え? え?」
「この一行の中で、俺以外にグランドマスターキーを使えるのはお前しかいない。で、現状のお前では戦力にはならない訳だ。だが、そのお前がグランドマスターキーを使えるなら?」
「……あっ! はい、分かりました。任せて下さい!」
俺の言いたい事を理解したのだろう。笑みを浮かべて頷く宮崎。
「基本的に近付いてくる敵の迎撃を中心にやってくれ。それと恐らくマスターキー持ちには効果が無いから、そっちは他の面子に任せるようにな」
「はいっ!」
グレートパル様号が速度を増していく中でそれぞれが迎撃の準備を整える。そしてやがて無数の召喚魔がこちらへと群がってきたのを見ながら……
『リライト』
魔力をグランドマスターキーに流しながらそう命じる。すると、次の瞬間には視界に入っていた召喚魔の殆ど全てが綺麗に消え去っていくのだった。その数、大凡9割7分といった所か。
「行け」
そして俺の言葉に雷速瞬動を使いつつ、あるいは翼を羽ばたかせつつマスターキーを持っている敵へと向かっていくネギと桜咲。
ネギの雷速瞬動によりマスターキーを持つ召喚魔がその身体を貫かれ、あるいは吹き飛ばされる。同時に桜咲が振るう大太刀がマスターキーごと敵を切り裂いていき、その2人の活躍もあってマスターキー持ちの敵は急激に数を減らしていく。
だが……
「うげげげげげ! アクセル君、アクセル君! 敵、敵の増援が凄い出て来たよ!」
ネギと契約して手に入れたアーティファクトなのだろう銃を手に持つ明石が、旧オスティア方面を指さしながら騒ぎ立てる。
そう、確かにそこには大量の敵増援の数があった。それこそ俺が倒す事になった精霊達よりも多い数だ。
「確かに数は多いな。……だがこっちにグランドマスターキーが、しかも2つもある以上はその殆どは雑魚でしかないがな。宮崎、合わせろ」
「は、はい!」
敵が持っているであろうマスターキーよりも上位の存在であるグランドマスターキー。しかもそのうちの2つをこちらが持っているのだから、この時点で完全なる世界は数ではなく質で攻めるべきだったのだ。
持っているグランドマスターキーへと魔力を込めていき……
「行くぞ」
「はい!」
『リライト!』
俺と宮崎の2人掛かりで放たれたその魔法に、視界一杯に広がっていた筈の召喚魔達は殆ど全てが塵の様に消え去っていく。
「ネギ、桜咲。さっきと同様だ。マスターキー持ちの残りを狩れ!」
その言葉に数十体近くまで減ったマスターキー持ちへと突っ込んでいくネギと桜咲。あるいは甲板から小太郎の狗神が放たれ食い千切り、龍宮の銃弾が貫き、長瀬の放った巨大手裏剣が胴体を切断する。
『よし、敵勢力の殆どが消滅したのを確認! 行くよ!』
早乙女の声が甲板へと流れるのと同時に、更にグレートパル様号の加速が強まり旧オスティアを覆っている魔力帯へと上から突っ込むように向かっていく。
その視界の後ろでは再びどこからともなく現れた召喚魔達が姿を現しつつ、いつの間にか近くまで来ていたクルトや高畑率いる混成艦隊へと襲い掛かっていくのが見えた。
ちっ、マスターキー持ちを全て処理する事は出来無かったか。
だが俺達にも背後に構っている暇は既に無い。目で見える程に濃厚な魔力を纏っている旧オスティア一帯。ルーナから教えられた通りにその真上から突っ込んだのだ。
「くぅっ、揺れるな。皆落ちないように気をつけろ!」
ガタガタと激しい振動を感じながら魔力帯を突っ切っていくグレートパル様号。そして数十秒程でその魔力帯を抜け……まず見えてきたのは空中王宮。そしてその先には……
「アレが完全なる世界の本拠地、墓守人の宮殿か」
思わず口からその言葉が漏れると同時に、速度に乗ったグレートパル様号は墓守人の宮殿の横を通り過ぎていく。その時、俺は確かに見た。フェイト、神楽坂、アーニャの3人を。そして交差する俺とフェイトの視線。
普段は無感情なはずのその表情には、確かにルーナや調の言っていたように渇望、あるいは歓喜といった表情が浮かんでいるように見えた。
いいだろう。お前がそれ程俺に執着するというのなら、俺もそれに答えてやろう。京都から始まった俺とお前の因縁。どちらが上かを決定的なまでに教えてからこの魔法世界を救う為の方策を開示しよう。
視線が合ったのは確かにほんの一瞬だった。だが、俺の心には確かにそんな思いが浮かんだのだった。
そして、グレートパル様号は墓守人の宮殿の横を通り過ぎ、ルーナが指示した下方向へと向かい……
その瞬間、何の根拠も無く俺は右腕を前へと差し出す。
「生命ノ宴!」
右腕が白炎と化し、多数の虫へと姿を変えて飛び立っていく。そう、こちらへと向けられた無数の黒い針を迎撃する為に。
空中で衝突する針と虫。質量で考えれば針の方が圧倒的に上だが、俺の白炎で作られた炎獣である虫はその炎により針を燃やし溶かす。あるいは燃やしきれずに身体を貫通され、そのまま消滅する炎獣。
物理攻撃に対して俺程ではないにしても、それなりに耐性を持っている炎獣がああもあっさりとと消えてしまう所を見る限りでは、恐らくあの針には何らかの魔力が込められていたらしい。
総じて言えば互角と言っても良かっただろう。そして俺の炎獣が墓守人の宮殿から対空迎撃砲台の如く放たれた針を迎撃している間もグレートパル様号は速度を上げながら少しでも距離を取り……墓守人の宮殿最下層へとその船体を突っ込ませる。
「うわあああああああああっ! 落ちる落ちる落ちる!」
いつの間にか俺の近くで振り落とされないように尻尾へと掴まっていた明石の声が周囲へと響く中、半ば床を削って進んでいたグレートパル様号がようやく止まる。
『連絡。今の着地で機体全体が結構なダメージを受けちゃったらしく、1時間程度は修理が必要っぽいね。不幸中の幸いで主機はそれ程酷い損傷は無いみたいね。悪いけどその手の事に詳しい茶々丸さんは残していってくれない?』
甲板へとこんな状況でもどこか楽しそうにしている早乙女の通信が響く。
現在の茶々丸は、その機械に詳しい知識を活かして早乙女の副長のような立場になっていたりする。
「ああ、構わない。本来なら墓守人の宮殿の外で待機していた筈なのがラスボスのダンジョン真っ直中にいるんだ。最低限の護衛は必要だろうからな」
『ありがと、じゃあなるべく早く修理を完了するからそっちも出来るだけ早く戻ってきてね』
早乙女へとそう返事をし……ふと、その人物の気配に気が付く。
ゆっくりとだが、こっちへと歩み寄ってくるその人影。
「ちぃっ、早速お出迎え……か?」
「動くな! それ以上近付けば……何?」
俺の横で銃を構えた龍宮もまた近づいて来た人影に気が付いて思わず動きを止める。龍宮の隣ではネギが現れた人影に信じられないとばかりの視線を向けていた。
褐色の肌、白髪と言ってもいい程のプラチナブロンド。そしてピエロの如きメイク。その人物に俺達は見覚えがあった。
……いや、あのスキル覧に書いてある魔族というのが本当なのだとしたら……待て。
ふと違和感に気が付き、目の前に立っているザジらしき存在のステータスを表示する。だが、そこに現れた名前はやはりザジ・レイニーデイだった。
ただし、名前は同様だがステータスの値が微妙にザジとは違うという事は……別人と考えてもいいのか?
一応訓練や戦闘経験によってステータスの値は変動するが、それでも2~3ヶ月程度でこうも変動するとは考えにくい。
だがそれを理解出来るのはあくまでもステータス表示を確認できる俺のみであって、ネギ達はそれに気が付けない。よって。
「ザ、ザジさん? なんでこんな所に!?」
ネギが慌てたような口調でそう問いかけ、向こうとしてもそれを利用する気満々なのだろう。と言うか、そうでもなければ麻帆良の制服を着たりはしない筈だ。
「こんにちは、ネギ先生」
「くっ!」
ザジの偽物と思しき存在が言葉を発した途端、龍宮の銃口が火を噴く。だが命中する前に何らかの力場に捕らえられたかのように空中で停止する。あれは俺の念動力と似たようなものか?
「っ!?」
力場に押されて止まっている銃弾へと念動力によって力を加える。最初は拮抗していたが、やがて徐々に弾丸が力場を貫いていき……
「やるポヨね。最大のイレギュラー、アクセル・アルマー」
「ふん、イレギュラーはどっちだよ。ザジ……の振りをしたお前が言える事か?」
「……ほう。どこで気が付いたポヨ? まさかザジじゃないとは思うポヨが」
「え!? あの人ザジさんじゃないんですか!?」
「そうだな。ただ名前はザジ・レイニーデイで間違い無いらしいから非常に紛らわしい。取りあえずポヨ・レイニーデイとでも呼んでおくか」
「……勝手に名前を変えられても困るポヨが」
「ザジさんがポヨさんで、ポヨさんがザジさんで……えっと」
「取りあえず奴はザジじゃない。そしてポヨという名前だ。それだけ覚えておけばいいさ」
混乱しているネギへとそう告げる。
「私に関してこうも早く見抜くとはさすがはイレギュラーという所ポヨね。なら、これはどうポヨ?」
ポヨがそう呟いたその瞬間に俺達の周囲は塗り代わり、墓守人の宮殿最下層から麻帆良へとその姿を変えていくのだった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:20
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
撃墜数:393
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