ヘタリア大帝国
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TURN99 シベリア侵攻その九
「数歩な、中央がな」
「そういうことですか」
「数で勝る相手に向かうこともない」
どうしてもという場合以外はというのだ。先程までは強攻策も止むを得ないと考えていたがそれも時と場合による、今はというと。
「退きだ」
「そのうえで、ですね」
「仕掛けよう」
こう話してそうしてだった。
枢軸軍の中央はソビエト軍から逃れる形で退いた、それを見て。
ロンメルの挑発的な攻撃とパイプオルガンが思ったより効果がなく苛立っていたソビエト軍の将兵達は前に出ようとした、だが。
ここでだ、ジューコフが彼等に言った。
「待て」
「ですが司令」
「それは」
「駄目だ、待て」
軽挙妄動は慎めというのだ。
「迂闊に出てば敵の策に嵌る」
「そ、そうでした」
「そうなるところでした」
将兵達も言われて気付いた。
「ではここはですか」
「迂闊に攻めずに」
「そうだ、確かに突撃を仕掛けるがだ」
それでもだというのだ。
「迂闊には出ないことだ」
「わかりました、それでは」
「今は」
「はい、では」
こう言ってそしてだった。
彼等は自分達の感情に任せて前に出ることは止めた、これは一瞬のやり取りだった。
しかしその一瞬のうちにだった、枢軸軍は東郷の言葉通り数歩退き。
布陣を整えていた、ソビエト軍の魚鱗型に対して鶴翼だ。
東郷が率いる艦隊と大和はその鶴翼の中央、頭にある。そこからソビエト軍を見て秋山に対して言ったのである。
「これでよし」
「後は敵が来るのを待ち受けるのですね」
「そうだ」
「敵に対するに相応しい布陣ですか」
「数は劣ってもな」
それでもだというのだ。
「やり方はある」
「では」
「敵は絶対に来る」
カテーリンの厳命だ、それではどうしてもだった。
「そこで攻撃を浴びせる」
「そうしますか」
「まずは艦載機だ」
最初はそれだった。
「それにだ」
「次はですね」
「ビームだ、ミサイルもある」
とはいっても枢軸軍はミサイルは少ない、しかしまだあった。
「最後は鉄鋼弾だ」
「三段でいきますか」
「今回もな、ではいいな」
「わかりました」
「総員攻撃用意だ」
東郷はあらためて全軍に指示を出す。
「もう艦載機は発艦させておけ」
「そしてですか」
「攻撃範囲に入ったと同時に仕掛ける」
そうするというのだ。
「わかったな」
「わかったわ」
ハンナが応える、ハンナも機動部隊を率いているのだ。
「それじゃあね」
「ビームも何時でも攻撃を仕掛けられる様にしておく」
即座に一斉射撃を浴びせようというのだ。
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