マジカル☆ウィッチルフェイちゃん!
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マジカル☆ウィッチルフェイちゃん、黄昏世界を救う!
図書館に篭ってはや数ヶ月。あらかた読破し、同時におじ様やアーシャさんと錬金術の技術交換を行い、私の腕は飛躍的に伸びました。そんなある日、おじ様とオフィーリアさんが、この図書館を破棄するという決定をしました。どうやら、旅に出るようです。
「俺もまだまだ知りたい事があるからな」
「私はマスターについていきます」
「私は修行ですね。ニオも一緒に行きますし」
「うん。私も行くよ!」
これは問題無い。そんな事より重要なのは別にあるのですよ!
「では、この蔵書は全て貰っていいですか!」
「はい。構いませんよ。ですが、保管する場所はいかがなさいますか?」
「やった! おじ様、いいところありますか? 特に空を飛んでいる拠点とかが嬉しいのですが……誰にも邪魔されないような場所が……」
「あるぞ。スタインフェーダーという場所だ。だが、あそこには負の遺産が……丁度言い。お前達でアレを倒して手に入れてしまえ。私は旅立つのでな」
「了解です、おじ様」
「ちょっ、アタシ達って、アタシも!?」
お菓子を食べていたベルちゃんが何かを言っていますが無視です。
「本が貰えるのですから当然です」
「いや、アタシは本とか苦手だし……」
「それでも魔女ですか?」
「いや、アタシはほら、実戦派だしね」
「じゃあ、実戦に行きましょう。それまでは、本はこちらに吸収しましょう」
本を全て魔道書に吸い込ませる。一冊も残さず全てだ。スラグ達も機能を停止させて貰っていきます。私の技術で改造は可能でしたし。
「では、皆様、いってらっしゃい。そして、行ってきます」
「うむ」
「ちょ、まだ食べて……」
お菓子を必死に掴むベルちゃんの首根っこを掴んで転移します。上空に転移した私は直ぐに白嬢を召喚して飛ばしていきます。
「きゃああああっ、黒嬢!!」
ベルちゃんも空中に放り出すと急いで箒を呼んで、飛行してきます。
「何するのよ!」
「必要な事です。お母様に移動拠点を蔵書付きでプレゼントすれば喜ばれますよ」
「……そうね、そうしましょう! じゃあ、ついでに風の王とも契約しちゃいましょう」
「わかりました。では、風の王から行きましょう」
「うん!」
そして、程なくして飛んでいる風の王を見つけました。
「よく来たわね、風の王! このウィルベルさんとルフェイと契約なさい!」
「ベルちゃん、来たのはこちらですよ」
「ほう、妾に喧嘩を売るか、良いぞ、遊んでやろう」
「ルフェイ、任せたわよ!」
「喧嘩売るだけ売って、それですか……まあ、いいですけど」
風の暴風を放ってくる風の王に対して、私は魔道書を開いて、闇を呼び出す。
「全てを飲み込め、ン・カイの闇よ」
「ぬぅっ!?」
次元が違うのですよ、次元が!
「アタシも忘れないでよ! ヘルリッヒ!」
ベルちゃんが飛び回りながら魔法を放ち、直ぐに巨大な魔法陣を形成してヘルリッヒといいながら、メテオスフォームの後に撃つ特大ビームを放ちます。
「ニトクリスの鏡」
さらに幻術も利用して、攻撃しまくります。相手の攻撃なんて余裕ですよ、余裕。クトゥグアとイクタァを放ちながら、自由に、そして苛烈なマニューバーを決めながら私とベルちゃんは空戦を行っていきます。断鎖術式ティマイオス、クルティオスを使い、高速接近してバルザイの偃月刀で切ったりしていくと、流石に動きを止めていきます。
「ルフェイ、止めの同時攻撃よ!」
「了解です、ベルちゃん!」
2人で風の王を挟みながら、必殺技を放ちます。
「「メテオスフォーム/天狼星の弓・黄金の剣」」
隕石と無数の黄金の剣が風の王に突き刺さり、両サイドから大ダメージを与えます。その後、ベルちゃんのとっておき(2回目)と私のとっておきを時間差で攻撃します。風の王が必死にベルちゃんの攻撃を防いでいる背中にハイパーボリア・ゼロドライブを叩き込んで封じてやったのです。
「いぇーい!」
「いぇーいです!」
ハイタッチを箒に乗りながら氷漬けになった風の王を回収し、そのへんの浮島に運びます。そこで解凍してあげます。
「さぁ、アタシ達と契約なさい!」
「おねがいしますね」
「むぅ、仕方無いの。よかろう、契約してやるぞ」
「やったね!」
「それじゃあ、次はスタインフェーダーです!」
「うん!」
それから、2人で移動して空に浮かんでいるゆりかごのような神殿へとやって来ました。私達は直ぐに侵入して中に入ります。すると、巨大なスラグが動き出そうとしていましたので……取って置きを使います。
「━━━━」
声にならない声を上げて停止させました。
「ふっ、一度聞いた声を解析し、命令権を行使するなどこのマジカルウィッチルフェイちゃんには容易い事です」
「もう魔女の領域にいないからね、アンタ」
「何か言いましたか?」
「いや、何も」
「よろしい。さて、ちゃっちゃと修理と魔改造をしちゃいましょう。目指せ天空の城ラピュタですよ」
「あれって映画だからね! 本当に作る気なの!」
「ベルちゃん」
「なによ?」
「成せば成る。成さねばならぬ、何語もですよ。不可能なんて文字は私の辞書に存在しません!」
「あっそ……勝手にすればいいわ。私は火の王を探してくるから、終わったら連絡頂戴ね」
「は~い。後、火の王や水の王、土の王なら多分、こことこことここですよ」
「……」
「ベルちゃん、ちゃんと本を読んで調べましょうね」
「うるさいうるさいうるさい! アタシの方がお姉さんなんだからね!」
駄々っ子ベルちゃんの頭をなでなでした後、お菓子をあげると大人しくなり、出て行きました。まったく、子供ですよ。
「さて、錬成と行きましょうか」
素材を無視し、魔力による等価交換の法則を一部無視して錬成し、新品同然にした後、魔改造を行う。球体状のこの遺跡は元の神殿の様な姿になったので、其の辺に存在する浮島を連結させて陸地を生成。内部も錬成し、巨大な施設へと改造。中心部の空洞には無数の本棚を設置し、全ての本を配置。無重力システムを使い、好きな様に使えるようにします。
浮島にはドックを東西南北に設置。空竜を大量錬成して防衛戦力にあてます。そのさい、魔力で材質を変化させ、魔法金属オリハルコンへと生成。武装も荷電粒子砲や超電磁速射砲、巨大チェーンソーなどを装備させ、足には断鎖術式ティマイオス、クルティオスを搭載したシールドを装備。戦力は問題ありません。
研究施設は特に改造し、この世界の死した大地を再生させる為にテイルズシリーズを執筆し、世界樹ユグドラシルのいえ、大樹カーラーンの種子を作成し、培養する。ここまで大体6ヶ月。
『こちら、ウィルベルさんだよ。所在確認とれたから契約しにいこう。ポイントは……』
「了解です。これより、ラピュタは転移します」
『結局その名前にするんだ……まあ、いいけど』
それから7ヶ月かけて世界中を旅して、火の王、風の王、土の王、水の王と契約した。その後、世界の果てへと向かい、荒野が続く世界をひたすら進みます。辺り一帯、地平線まで荒野になった不毛の大地で大樹カーラーンの種子を埋める。
「火の王、風の王、土の王、水の王、あとはよろしくお願いしますね」
「よろしくー」
「「「「任せよ」」」」
私の遥か膨大な魔力を1年かけて与え続ける。急激に成長していく大樹は根を生やし、世界を再生させていく。いろんな場所に圧倒的な速度で大地を回復させていく。既にマスターテリオンを軽く超えて突き放す魔力を手に入れたルフェイちゃんが1年もかけて魔力を与えたので当然です。種子もいっぱいできたので、存在しない土地と呼ばれる所に植えまくってあげました。
「さて、戻りましょうか」
「2年もかかったけど、この世界はこれで大丈夫だよね」
「はい。少なくとも黄昏があと8回くらいこない限りは問題ありませんよ」
「よーし、大婆様に報告して課外授業を終えるよー」
「そうですね。精霊の数も増大するでしょうが、其の辺は知ったことではありません。むしろ、私達魔女にとっては嬉しい事ですから」
「そうだね。題名を付けるなら、大精霊育成計画!だよね」
「ええ、そうですね。レポートを頑張って作りましょう」
「うぇー面倒だよー。ルフェイ、共同って事で……」
「駄目ですよ、ベルちゃん。どうせお母様にバレます」
「そ、そうよね……折檻された後で作らされるより、ちゃんと作った方がいいよね。よ~し、やるぞー!」
「おー!」
私とベルちゃんは報告書を書いて、お母様に提出しました。ちゃんと褒めていただきました。世界を救うとはいいことをしました。でも、お母様的には精霊の方が大事そうです。実際に種子を要求されましたから。
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