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真・恋姫無双 矛盾の真実 最強の矛と無敵の盾

作者:遊佐
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反董卓の章
  第4話 「俺の意見は――――」 

 
前書き
反董卓連合の話が始まり――ませんでしたm(_ _)m
前回、投稿した後、忙しかったせいか風邪を引きまして……熱にうなされた拍子に思い出しました。
「あ! 盾二の話で書かなきゃいけない部分いれてないじゃん!」
なので、また話が伸びまして……そうしたら3万字を超えそうになりました。
こりゃまずいと2つに分けたのですが……実は、書きたかった部分は、結局書ききれていません。

この後の拠点フェイズにそれ入れる訳にはいかないし…………どうしよう!? 

 




  ―― 盾二 side 漢中 ――




「ふう…………今日はこんなもんにしておくか。馬正、これで最後だ」
「はい。ちょうど鉄も無くなりましたな…………また、仕入れさせておきます」
「頼む。とはいえ、賢者の石も残りあと一つか…………」

 俺は、手の中にある拳大の塊を見ながら、そう呟く。
 仙人界から持ち帰った賢者の石も、残り一つ。
 あと、せいぜい数百トン程度の純金しか作り出せない。

「これまで創りだした純金の量だけでも、億の単位の資金になっております。十分ではないでしょうか?」
「まあな…………とはいえ今回作った金も、漢中の拡張に使ったら殆ど残らないからな。あとはじゃがいもの特産と、米の料理での名産品で資金を生み出さなきゃならない」
「それと、例の益州と荊州との三州交易ですな。梁州内の安全は、警邏隊の巡視を強化することで対応しますが…………問題は益州と荊州内での街道警備が、どの程度安全かということですが」

 馬正の心配もわかる。

 益州への交易はまだいい。
 基本、交易先は桔梗がいる巴郡であり、道中には紫苑がいる南充がある。
 二人共、信頼出来る武人だ。
 交易が始まれば必ず商人たちの安全を考えて、街道の警備を強化するはず。

 問題があるとすれば、荊州の方だ。
 劉表自身は、街道警備を厳しくするとは言っていたが…………紫苑が抜けた今の劉表陣営で、しっかりとした街道警備ができるのだろうか?

 そもそも白帝城での騒動は、劉表の部下への求心力が低下していることが原因だった。
 あの騒動の結果、俺の提案した『劉表が仕掛けた策略により解決』ということで広まっているはずだから、多少は睨みが効くようにはなっているとは思うが……

「まあ、州内での賊による交易被害はその州が責任を負う、とはしているから大丈夫…………ってわけにもいかんよなぁ」
「本来ならばそこまで責任を負う事はないとは思いますが……玄徳殿が許しますまい」

 まあ、桃香なら街まで護衛しなきゃ、とか言い出しそうではあるが……
 さすがに軍が州境を越えるのは、侵略行為になってしまう。

 それに、毎回軍が商人にくっついて行く事自体が無理だ。

「う~む…………ちょっと早いけど、傭兵ギルドでも作るかなぁ」
「ぎるど、でありますか?」
「ああ……まあ、いずれは作ろうと思っていたんだよ。何でも屋の民間斡旋所。荒事専門の奴らの仕事でってね」
「民に商人の護衛をさせる、と?」

 まあ、この辺は元の世界のゲーム知識がネタなんだが。
 いわゆる『冒険者』ってやつだ。
 ただ、この案も細部を詰めないと、色々厄介な問題が起こりそうなんだよな。

 要は、自国内に管理できない武力勢力を抱え込むようなものだ。
 日本の戦国時代の忍者、海賊、雑賀や根来衆みたいなものを考えている。

 だが、それらは精強な反面、金での付き合いになるから信用が置けない。
 ましてや国が弱まれば、簡単に相手に寝返るようになるだろう。

 それに、まとめる人物の才覚一つで国に依るか、独立独歩になるか、という問題もある。

「う~~~~~~~~~~~~~ん………………やっぱ、まだ早すぎるか。やはり管理する側がもっと経験値を貯めないと。今のままだと国を二分するきっかけになりかねないな…………そもそも、まだ国にもなってないし」
「は、はあ……????」

 俺の呟きに、馬正が理解できない顔をしている。

 朱里や雛里ならともかく、馬正には少し難しすぎたかもしれない。
 様々なことを学んでもらったとはいえ、馬正の知的能力は朱里や雛里に比べれば、文官よりちょっと上程度でしかないのだから。

 今後の先の先…………蜀建国のことまでは馬正を含め、朱里や雛里にも構想として伝えてはいる。
 だが、国を興すことや領地を広げることはたやすくとも、統治し続けることはとても難しい。
 そのことを学んではあるが、完全には理解できていないのだろう。

 建国の際にあった崇高な理念や精神は、年月が経てば人の愚かさゆえに廃れていく。
 それをいかにして伸ばし、中興ができる程度の余地も残すことができるか。

 それでこそ国というものは百年以上続いていくと、俺は考えている。

 だからこそ……最初にできうる全てのことをやるべきではない、そうも考えている。

「まあ、それはこれから先の話さ……まずは全ての基礎となる、今の梁州を良くしていくことを考えよう。ともかく、領内警備の重要性と交易商人のもたらす利益がいかに素晴らしいかを劉焉・劉表に再度説得するとして……」
「は。あとは街道整備の強化、ですな」
「そういうこと。交易街道には見張り台や駐屯地の新規建設も盛り込んでいくとしよう。やれやれ……この賢者の石も、すぐに無くなることになりそうだなあ」

 手に持つ拳大の石。
 元の世界であれば、それはオリハルコンの触媒ともなる貴重な石だ。

 だが、オリハルコンの精製は俺にはできない。
 いや、元の世界ですらメイゼル博士を含む、全世界で数える程度でしか精製技術が確立していないのだ。
 それに最高純度のオリハルコンは、やはりメイゼル博士一人しか精製できてはいない。

 トライデントの技術開発部が、いかにオリハルコンを精製できていても…………最先端技術ではアーカムの開発部が一歩も二歩も上だ。
 それは、俺のアーマードマッスルスーツが証明している。

 フリーメンテナンス、学習機能がついた次世代型オリハルコンスーツ……『インテグラル』
 大槻が使っていた三種のスーツを統合して、平均化。
 さらに、自己修復ナノマシンを組み込んだ最新鋭スーツ。

 概念実証型にして、月の遺跡から見つかったオーバーテクノロジーすら盛り込んだ、いわば『究極のAMスーツ』
 この一着だけで、拳大の賢者の石が百個以上使われたというもの。

 この服でなければ、あのミニヤコンガの登山なんてとてもできなかっただろう。
 普通のオリハルコンスーツなら、道中で死んでいる。

 俺自身の技量は、鈴々や愛紗はもとより、星と互角かそれ以下程度。
 それを底上げしてくれているこのスーツは、まさしく俺の命綱だ。

 これも全てはこの『オリハルコン』の恩恵あればこそ。
 だが、それが精製できない以上…………俺が賢者の石を有効に使うには、純金以外の利用価値がない。

(もっとも、あの仙人たちなら精製できてしまうかもしれないが……)

 于吉はこの賢者の石を『研究』していたと言っていた。
 であれば、あるいは……

(いや、安易に頼るのは危険だな。そもそもこんなオーバーテクノロジーが蔓延したら、それこそ歴史が変わってしまう)

 それは于吉たち保守派にとっては、自身のアイデンティティの否定を意味するわけだし。
 現段階でオリハルコン製のものが広まっていないことを考えれば、おそらく精製できていないか、広めようとも思っていないはず。

 ならばこそ、手元の賢者の石もさっさと使ってしまう方がいい。
 それが仙人たちの疑念を晴らすことにもなるはずだ。

「こんなチートなものに頼らず、ちゃんとした流通と生産による税で国を富ませていかなきゃな。所詮は『あぶく銭』、ってことだ」
「ちいと、ですか? よくわかりませんが…………まあ、初期投資があるのはありがたいことです。きちんと回収できるだけの下地を作れば問題ありますまい」
「その辺のバランス……調整は、朱里や雛里に任せておけば大丈夫さ。これがあくまで『あぶく銭』だとわかっている二人ならな」
「ですな…………さて、ではこの黄金はいつも通り、深夜に金蔵に運ぶとしましょう。主よ、今夜は寝かせませんぞ」
「そのセリフはやめろ。寒気がするから!」

 お前は于吉かっ!?




  ―― 于吉 side ??? ――




「ふえっ、くしゅっ!」
「? お前が風邪だと? バカは絶対に引かないはずだが」
「………………言いたいことはいっぱいありますが、そこは仙人なら、としておいてください」

 はて?
 急に鼻がムズムズしたのですが…………

 誰かが私の噂でもしているのでしょうか?
 それがあの北郷盾二だったら、嬉しいですねぇ。

「貂蝉か、あの卑弥呼のジジイあたりじゃないのか?」
「嫌なこと言わないでください! 寒気がします! そんなに私が嫌いですか、左慈!」
「嫌いではないぞ。時折、消えて欲しくはなるが……」
「………………泣いていいですか?」
「煩いからダメだ」

 ツンデレでなく、ツンツンですね、左慈は……

「それより、予想通り馬超が董卓側につこうとしていたぞ。馬騰や周囲に止めさせたが…………果たして本人は連合に来るかな?」
「来ないかもしれませんね。その場合、馬騰が病を押しての参加になるのでしょうか?」
「いや、従姉妹の馬岱が率いるようになりそうだ。だが、あの馬岱では馬超ほどの人数での参加は望めないな」
「となると……戦闘では役に立てないでしょうね」
「ああ。その分物資支援ということになる。涼州はそれほど肥えた土地でもないのに、大変なことだ……」

 ふむ……
 馬超が参加しませんか……少し修正が必要でしょうか?

「数ある平行世界で、こと反董卓連合での馬超の役割はさほどの重要性はない。せいぜい陽動や街道封鎖程度が関の山だったのだろう。問題はない」
「…………そうですね。今回は劉備陣営が強化されていますし、その分を合わせれば差し引きで相殺できるでしょう」

 正直、たった一年程度で軍勢を四万近くにまで揃えたのは予想外だった。
 反董卓連合に参加する数は、その半数を見込んだとしても優に二万を越える数となる。

 数ある並行世界の中でも、今回の劉備陣営は突出した戦力を保持している。
 これがあの北郷盾二の力だとすれば…………

「やれやれ。あの賢者の石を十個渡したのは、失敗でしたかねぇ……」
「そうでもあるまい。あの資金で軍勢が膨らんだのは確かだが、それがなくても見込みで二万近くの戦力を有した試算があった。どの道、今回の劉備陣営の戦力は高かっただろう」
「…………そうですね。その上、本来なら反董卓連合時に結ぶであろう孫策との同盟は、すでに結んだも同じ状態。さらにあの、北郷盾二自身の能力もあれば……」
「まず間違いなく……反董卓連合での主力は劉備軍だろうよ。元々、武将としては一騎当千の豪傑揃いだったのだ。そこに指揮する兵が与えられたのだからな」

 劉備陣営最大の泣き所であった、兵の少なさ。
 それを武将の優良さで補っていて、あの強さだったのだ。

 そこに質だけでなく数が加わるのだとしたら……

「兵においても無理して揃えた弱兵ではなく、十分に鍛えあげられた精強揃い。今回は魏が膨れ上がっても、単独で決戦できるほどになりそうだな」
「……その懸念はありますが、それを彼は望まないでしょうね」
「お前は随分とあの男……北郷盾二を信じているのだな。しかし……少し信じすぎていないか?」

 左慈の懸念はわかる。
 私自身、彼のことを無条件で信じたい気持ちがあることを……否定出来ない。

「………………」
「お前のことだから大丈夫だとは思うが…………あくまで奴は、北郷一刀を殺すための『贄』だということを、忘れるなよ」
「……っ、それは、もちろんですよ」

 そう……あの男は。
 北郷盾二は……………………




  ―― 盾二 side 漢中 ――




「で、これをすり鉢でこうやってまぜて……まぜて……まぜて……」

 ゴリゴリ

「はわわ…………この黒いものが、本当にそんなことに?」
「あわわ…………信じられないです」

 俺の傍らにいる二人の宰相が、俺の腕の隙間から覗きこむように乳鉢の中を見る。

「おいおい、危ないぞ。これは二人が考えている以上に危険なものなんだから……」

 俺は混ぜあわせた粉を、竹を半分に割った中に入れる。
 そして誰も居ない庭の真ん中において、油を染み込ませた太い絹糸の先端を、その粉の中にいれる。

 そのまま糸の反対を持ち、二人がいる場所まで戻り……

「いいか? 二人共よく見ているんだぞ?」

 地面においてあった灯籠の火のなかに、反対側の糸を入れる。

 すると、油が染みこんだ糸を伝い、急速に火が走って行き――――

 バァ――――――ンッ!


「キャッ!」
「ヒャッ!?」

 激しい破裂音と共に、庭の中心にあった竹筒がはじけ飛ぶ。
 その拍子に、飛んできた竹の破片から二人を守りつつ、その様子を眺めた。

 庭の中心は、はじけた竹筒と地面に黒いシミが放射状に広がっただけでなく、黒い黒煙が昇っている。

「今の音は何だ――――っ!」

 ドドドドド、と駆け足とともに、愛紗が庭へ顔を出した。

「!? ご主人様! それに朱里、雛里…………まさか、敵国の細作ですか!?」

 愛紗が、自慢の青龍偃月刀を掲げて俺達の前に立ち、周囲を警戒する。

 その様子に…………俺はバツが悪気に頬を掻く。

「…………すまん、愛紗。今の、俺のせいなんだわ」
「は!?」

 くるっと、俺を見る愛紗の訝しげな目。
 うーむ……先に周囲に言っておくべきだったか。

「えっとな、ちょっとした理科の……じゃない、実験だったんだよ、実験」
「じっ……けん?」

 愛紗の訝しげな目が下へと下がっていき、見られた朱里と雛里がコクコクと頷く。
 その姿に、まるでリスのようだとか不謹慎なことを考えた俺。

「…………いったいなにを?」
「あー…………まあ、ちょっとした学問の実証というか、なんというか」

 そう言いつつ頭を掻く。
 すると―――

「賊はどこなのだ――――――っ!?」

 うちの元気印が飛び出してくるわけでして。
 結局、愛紗や鈴々を交えての勉強会になってしまった。

「……ということで、先ほどの爆発が『火薬』と呼ばれるものだ。正式には『黒色火薬』と呼ばれる」
「かやく……ですか?」
「にゃ? それってラーメンの上の具材のことか?」

 はい、鈴々さん。
 名称は似ているけど、漢字が違うのですよ。
 『加薬』ではなく『火薬』なの。

「火を使う薬……そういう意味ですね?」
「朱里、正解。この黒色火薬は、硫黄・硝石・木炭を一定の割合で混ぜた時に起こる発火・燃焼反応を起こすようになる、大変危険なものだ。だが、これの有用性は数多くの発明の基になった。この燃焼反応により、俺の世界の文明は急速に発達している」
「燃焼……物が燃えて、熱が出る反応ですね? その熱を使ってものを動かす……盾二様のお話にあった動力というものの基礎、ということでしょうか?」
「雛里、さすがだね。そう、全ては熱を利用することから文明は発達してきた。人類が火を発明してから食事や生活の幅が広がったように、『熱』というものは人の生活においてとても重要なものだ。天然自然なものでは、天の日の光、地上の放射熱、気圧の温度の違いによる…………すまん、この辺は朱里たちにもまだ厳しいな」

 首を傾げる朱里と雛里。
 ついでの愛紗と鈴々は、片や顔面はてなマーク、片や睡眠呪文になっていた。

「ともかく、熱を出すのは火がもっとも簡単だ。木を擦り合わせれば摩擦よって熱が生まれ、それがある一定の温度まで上がれば着火する。火打ち石は、石と石を叩きつけた摩擦熱により火花が生まれる。全ては『熱』によって『火』が生まれるわけだ」
「はい。我々の生活においても火は重要ですし、軍略においても火計は戦術の基礎です」
「うん。今までは火を素早く広げるために油をまいたり、藁や乾燥した木々に火をつけることで火計を使ってきた歴史がある。だが、この『火薬』というものは、それ単体で火と熱を生み出すだけでなく、それに『衝撃』を加えたものなんだ」
「「衝撃…………」」

 二人の天才的軍師が、互いに顔を見合わせる。
 そりゃそうだ……この時代には、火薬なんて生まれていたかどうか。
 あったとしても秘伝の秘。

 文献の最古の記録が六世紀だから、未来の技術と言ってもいい。
 だが…………それが使われていなかったという証明であるわけでもない。

 理由などいくらでもあるのだ。
 文献に記載されなかった、記載された文献が紛失された、あるいは理解されずに『氣』の力、仙人の力とされた……などなど。
 歴史など……本当は後世の人が、文献を頼りに信憑性が高いと『勝手に』判断したものにすぎない。

 その証拠こそが…………俺の纏うAMスーツのオーバーテクノロジーをもたらしたオーパーツ、『賢者の石』であり。
 数々の遺跡の封印を施してきた『スプリガン』の仕事なのだから。


「まあ簡単にいえば、火と熱を生み出すときに周囲を弾き飛ばそうとする力が生まれるのさ。これをまとめて爆発、と呼ぶ。だから火薬は総じて『爆発物』『爆薬』なんて呼ばれたりもする」
「………………」
「しゅ、しゅりちゃん…………私怖い」
「二人共、これだけでこれが怖い、と思えるならさすがだよ。そういうこと…………これは、『誰にでも扱えて、簡単に人を殺せる』ものだからな」
「「!?」」

 朱里と雛里が、怯えたようにお互いの体を寄せ合う。
 意味がいまいちわかっていない愛紗にも、二人のただならない様子に眉を寄せている。
 すでに爆睡状態の一人は…………放っておくほうが、いろんな意味で正解だろうな。

「こ、こんなものを広めたら…………大陸がめちゃくちゃなことになります!」
「そうだ。だが、いずれは誰かが見つける。その誰かはその危険性を理解せず、いろんなことを試す。そして悲劇が量産される…………俺の世界の歴史は、その犠牲の上に様々な発明がされて……最終的には大陸が、何度でも消滅できるほどの火薬が世界にあふれている」
「「ヒイッ!?」」

 朱里と雛里の悲鳴。
 それは、未知なるものに対する生物の本能。
 原初の恐怖…………だが、それこそが最も必要なものなのだ。

「理性なく、ただ溢れれば…………大陸のみならず、全ての空と海が地獄の業火となる。全ての兵器・軍略……その根源たる『知識』には、延長上にその危険性が必ずあることを……よく覚えておいてくれ」
「あうあう…………」
「………………(ガタガタガタ)」
「ご、ご主人様…………わ、私にはよくわからなかったのですが、ちょっと脅かし過ぎではありませんか?」

 おずおずと手を上げる愛紗。

 あ……………………うん。
 そうだねぇ。
 確かに脅かし過ぎたか、な?

「ま、まあ、それを理性でコントロール……じゃない、理性で安全に平和利用することも、また知識のなせる業なんだ。二人には、これから生み出すだろう軍略や兵器、そして統治には必ず『理性』を優先することを考えてくれ…………と、言いたかったんだが」
「「ガタガタガタガタ…………」」

 ……………………いかん、マジで失敗した。
 ただ、怖がらせただけだった……

「ご主人様……」
「言わなくてもわかってる…………二人共、ゴメンナサイ」

 しばらくして―――

「……にゃ?」

 目覚めた鈴々が見たものは。

 互いに抱き合いながらも震え続ける、梁州の宰相二人と。
 その宰相に平身低頭で土下座する、その二人の主人である俺。

 そして俺を呆れた様子で説教する、泣く子も黙る関将軍の姿であったとさ…………




  ―― 劉備 side 漢中 王座の間 ――




「昨日、庭で変な音がしたらしいけど、なんだったの?」
「ナンデモナイヨー……」
「「ガタガタガタ…………」」
「????」

 どうしたんだろう?
 朱里ちゃんも雛里ちゃんも、青い顔で急に震えだした。

 ご主人様は、疲れたように口から白いものを吐き出しているし……

「桃香様、その話はまたいずれ……」
「え? そ、そお? じゃあ、次の話ね」

 愛紗ちゃんまで苦笑しているし…………あんまり突っ込まないほうがいいみたい。

「はっ……では、私の方から」

 頬をポリポリと書きつつ、馬正さんが前に出る。

「警邏隊の状況ですが、定軍山方面の見張り台や駐屯地の建設に遅れが出ているようです。あそこは急勾配な上、断崖絶壁もありまして……正直、山の反対側への山道すらありません」
「あれ? 桟道は?」

 不意に気づいたように、ご主人様が呟く。

「桟道、ですか? 現在ではそのような通行できる場所は……」
「盾二様。秦の恵王が蜀王を騙して作らせた桟道は、高祖が項羽に追われた時にすべて焼き落とされています。それ以来、漢中の刺史たちは高祖が必要なしとしたのだから、と修繕を怠ってきましたので」
「あー……そうか。じゃあ修繕する必要があるな…………ついでに砦も頑丈に作ろう。馬正、目星は付けてあるか?」
「は。陽平関と呼ばれる場所が最も適していると思われ……」
「陽平関、だと!?」

 わっ。
 ご主人様が、大声でその名前を呼ぶ。

 私だけでなく、愛紗ちゃんや鈴々ちゃん、朱里ちゃんたちも目をぱちくりとしていた。

「は、はい……あの、なにか?」
「あ…………いや、すまん。そうか……陽平関、か。うーむ………………」

 ご主人様は、しきりに頷きながら顎をひねっている。
 陽平関って……なにか重要な場所なのかな?

「別の場所にいたしますか?」
「………………いや、要害としてはおそらくそこ以上の場所はないのだろうな。であれば…………馬正、多少の資金はかかっても構わない。強力強固な要塞にするように指示してくれ」
「は…………は!」
「いやまて…………俺が陣頭指揮をとるよ。その場所だけは取られちゃまずいからな。いっそ砦でなく城にしちまうか……」
「ご、ご主人様? たしかに定軍山より北西は守りの要ですが…………そこまでする必要があるのですか?」

 愛紗ちゃんの言葉に、朱里ちゃんや雛里ちゃんも頷く。
 確かに西の守りは重要だけど…………あの難所をわざわざ通ろうとする賊の人たちもいないと思うんだけど。

「………………今後のことを考えると、どうしても必要だ。愛紗のためにもな……」
「は? 私のため?」
「あ、いや…………」

 ご主人様は、ポリポリと頬を掻きつつ、そっぽをむく。

 ……どうして陽平関に砦を建てることが、愛紗ちゃんのためになるんだろう?

「ともかくだ! 陽平関については、俺が全責任を受け持つ! 悪いが、桃香もそれでいいか?」
「え、私? それはもちろん、ご主人様のことだからどうしても必要なんだろうし…………」
「すまん、感謝する。この件については、あとで朱里、雛里にも助力を頼む。馬正は現地の測量を――」

 その時。

「すいませぬ。遅れました……が、火急の知らせもあります」

 王座の間に入ってきたのは、星ちゃんだった。

「星。お主は確か、警邏隊の巡察のはずでは……?」
「ああ。だが、道中で急使の使者に会い、急いで戻ってきた。劉表殿からの密書だそうだ」
「密書!?」

 星ちゃんが王座の真ん中で一礼し、私に書簡を差し出してくる。
 私がその書簡を受け取って、中身の書状を開いた。

「…………………………ええ!?」
「どうしたんだ、桃香?」

 書状の内容に驚いて、私が顔を上げる。
 周囲のみんなが、私へと視線を集中させていた。

「ご主人様…………どうしよう!? 大変なことになっちゃった!」
「……?」
「董卓さんが…………」
「!?」

 ご主人様が血相を変えて、私のそばに来る。
 そのご主人様に、私は書状を差し出した。

 その書状を斜め読みしたご主人様。
 最後まで読んで…………天を仰ぐように顔を上げる。

「…………くそ。はやい、早すぎる……」
「ど、どうしよう、ご主人様!?」

 私は、ご主人様の腕にすがりつく。
 こんな、こんなこと…………

「お兄ちゃん! 一体どうしたというのだ! お姉ちゃんも!」

 鈴々ちゃんが、じれったそうに声を上げた。
 その言葉で、私は…………皆を見る。

 たぶん、泣きそうな顔で……

「董卓さんが……董卓さんが、小帝陛下を殺したって!」
「「「「「 !? 」」」」」

 私の言葉に、その場にいた全員が硬直した。




  ―― 盾二 side ――




 なんてこった……もう反董卓連合の時期だってのか?
 まだしばらく余裕があるものだと思っていた。

 史実では黄巾の乱収束後、五年の歳月がかかっていたはずだ。
 それがたった二年……いや、一年半でもう連合結成だって!?

 早すぎる…………こっちの予定では、最低でもあと一年以上はあると思っていた。

 于吉や左慈……彼らの歴史の修正速度を、楽観視しすぎたということなのか!?

「ご主人様! 董卓さんが…………」

 あ…………桃香。

 桃香が、俺の腕を揺する刺激で思考の渦から抜け出す。
 周囲を見れば、皆が俺の顔を見ていた。

「………………ああ。劉表の書状はこうだ。袁紹から檄文が各地に届いているらしい。その内容は、董卓が謀反を起こして小帝陛下と宦官全てを殺害。新たに陳留王を献帝として祭り上げて、洛陽で悪逆非道の執政を行っている。この暴虐に董卓の魔の手から袁紹が助けだした何皇后は、自身の子の後を追うように自害なされた。悪逆非道の董卓の魔の手から、献帝陛下を諸侯全ての手で取り戻さんがために、ここに大連合の結成を宣言する。漢王朝に義心ありき勇将は、疾く馳せ参じたし……」
「嘘だ!」

 俺の言葉を否定するように声を上げる人物。
 顔をあげなくてもわかる。

 愛紗の……声だった。

「愛紗!」
「あ…………す、すみません、ご主人様」

 星の叱責に、自身が犯した非礼に頭を下げる愛紗。
 俺は、必要がない、と首を振る。

「気持ちはわかる。俺がいない間、この梁州がいかに董卓……いや、董仲穎殿に恩義を受けてきたか、朱里と雛里からも聞いている。桃香が州牧になれたのも、ひとえに董仲穎殿の口利きのおかげだろう」
「で、でしたら!」
「わかる、といったよ、愛紗。少し落ち着くんだ」
「………………っ、はっ!」

 俺の言葉に、ようやく自身の感情を抑えこむ様に下がる愛紗。
 まあ、激昂したくなる気持ちもわかる。

 桃香が受けてきた恩義は本当だし、その董卓の部下である張遼――霞には、俺も含めて恩義がある。
 愛紗は、個人的にも霞との連絡も取り合っていたらしいし…………

「この書状には、宦官であった段珪からの正式な告発文が袁紹の手元にあるらしい。献帝陛下を傀儡に仕立てあげた出来事の詳細が書いてある。その内容を……宗正である劉虞が認めた、ともな」
「……劉虞? 劉虞だとっ! またしても……またしても、あやつかぁっ!」
「っ! 落ち着け、愛紗! いつもの冷静なお前は、どこにいったというのだ!」

 再び激昂した愛紗を、星が羽交い絞めにする。
 それほどまでに愛紗の怒りは激しかった。

「星、これが落ち着いていられるか! 白蓮殿を困難に陥れた劉虞が、今また恩義ある董卓殿を……! これが許せることだというのか、お前は!」
「愛紗、いい加減にせよ! 今お前が騒ぐことで、状況が変わるというのか!? 今のお前は、激昂して叫ぶだけだ! 董卓殿の苦境が騒ぐことで解決するなら、存分に叫ぶがいい!」
「…………っ!」
「だが、そんなことをしても時間が過ぎるだけでなんの解決にもならん! 今は冷静に怒りを貯めるのだ! それを晴らす機会は、かならずある!」
「…………………………~~~~~~~~~~っ!」

 声にならない叫びと共に、脱力する愛紗。

 劉虞への怒り、自身の無力さ、そして星の正論に反論できない悔しさに。
 きつく閉じた愛紗の瞼には、じんわりと涙が浮かんでいた。

 ……先日来の白蓮の援助の件でも、理解はしても納得はしていなかったのだろう。
 ここにきて、再度の悔しさに声を荒げる気持ちはわかる。

 だが………………

「………………星の言うとおりだな。愛紗、これ以上叫ぶなら退室を命じる」
「ご、ご主人様!?」

 俺の言葉に、桃香が顔を上げる。
 だが、俺が桃香を見ると……

「…………っ」

 桃香は、目を見開きながら顔を伏せた。

 何故桃香が目を伏せたのか…………俺にはわからない。

「星。すまないが……」
「…………わかりました。いくぞ、愛紗」
「……………………」

 星が愛紗の拘束を解いて、肩を組むようにして力の抜けた愛紗を支える。
 その星に引きずられるように目を閉じ、唇を噛み切れんばかりに強く噛んだ愛紗が…………何も言わず、王座の間から退出していった。

 その場に、一滴の涙と……血の痕を残して。

「ふう…………」
「盾二様……」

 思わず出てしまった溜め息。
 それを心配そうに見上げてくる朱里の視線が……今だけは、少し煩わしかった。

「……話を戻すぞ。袁紹は漢王朝の重臣だった宦官の正式な告発文を持ち、それを皇室であり、宗正である劉虞が『真実だ』と認めた。このことで……董仲穎殿は漢王朝の逆臣であることが決定的になった。ゆえに……これに反対する者も逆賊となる可能性が高い」
「えっ!?」
「………………」

 俺の言葉に桃香は驚き、朱里と雛里は目を閉じて俯く。

「にゃあ…………つまり、とーたくのお姉ちゃんは絶対に助けられないってことなのか?」
「………………ああ」

 鈴々の言葉に、頷くことしかできない。

「董仲穎殿の面識は……ないんだよな?」
「…………うん。基本的に書簡と献上品のやりとりだけ。今度、洛陽に参内した時に面会することになっていたけど……」
「……女性であることだけは、霞さんから聞いていましたので」

 桃香の言葉に、朱里が補足を入れる。
 ……そういや、義勇軍の時に霞が『月』って真名らしきものを呼んでいたな。

 やはり女性だったのか……

「さて……困ったことに話はまだある」
「……これ以上何が?」

 桃香が、疲れたように顔を上げる。
 気持ちはわかるが…………な。

「劉表はこの呼び掛けに……応じるそうだ。漢王朝への忠義を示すためにも応じる、そう書かれてある」
「………………」
「劉表は……以前から何進将軍の右腕と呼ばれていたぐらいだ。宦官に殺された何進将軍の無念を晴らした董仲穎殿に、敵対はしたくないということだが……状況がそれを許さないらしい」

 本来の歴史なら、宦官大虐殺は袁紹や袁術が行った筈だが……
 于吉の言葉が正しいのならば、演じる役者はだれでもいいのだろう。

 そもそも連合の発起人は……袁紹じゃなかったはずだ。

「それと……劉焉については、南蛮からの侵攻を受けていて手が離せないらしい。本当かどうかは知らないが」
「……確かに、最近南蛮との諍いが増えていると報告がありました」

 雛里の報告――おそらくは商人や細作からの情報だろう。
 確かに、劉焉が反董卓連合に参加したというのは聞いたことないが…………

「巴郡の厳顔さんから、南への商人が度々南蛮人に襲われているという話がありました。今回の事に関係あるかどうかは定かではありませんが……連合に参加しづらいというのは本当かもしれないです、あう……」
「……ありがとう、雛里。さて、そこで俺達だ…………まずはみんなの意見を聞こう。雛里はどう思う?」
「あわ……あわわ…………わ、わたしでしゅか……!?」

 俺の言葉に、あわわと慌てる雛里。
 いつもならその様子に苦笑するところだが……

「え、えっと…………その………………わ、私は、連合に参加する……べきだと思います…………あぅ」
「雛里ちゃん……」
「ひうっ!」

 桃香の言葉に、瞬時に頭を隠すように蹲る雛里。
 俺は、帽子に全身を隠すように縮こまった雛里を見て、桃香を睨む。

「あっ…………ご、ごめんなさい」
「………………ふう。雛里、その理由(わけ)は?」
「あわわ………………」

 俺に促されて、こわごわと立ち上がる雛里。

「あの…………や、やっぱり、相手の大義名分が立ち過ぎています。これに反対した場合……董卓さんの次は、桃香様が粛清されかねません。それに。劉焉さんのように断る正式な理由も立場もありませんし……劉表さんが参加している以上、三州同盟を守る上でも董卓さん側に着く訳にはいかない、かと……」
「ふむ…………朱里の意見は?」
「…………ほぼ、雛里ちゃんに同意、ですね。三州同盟の手前、劉表さんと敵対するわけには行きません。三州同盟の中心が劉表さんなのは、間違いありませんから……」

 荊州・益州・梁州の三州同盟は、劉表という政治力に長けた人物が桃香の後ろ盾になっているからこそ、劉焉も賛同している部分がある。
 逆を言えば、桃香個人では劉焉が同盟を結ぶことなどありえなかったのだ。
 
 相手は中央で政治実績もあり、州牧という新しい官職まで作った人物だ。
 対して桃香は、黄巾の乱での功績で刺史に抜擢され、つい最近州牧になったばかりである。
 政治的信用に足る実績を上げているわけではない。

 何より劉焉は皇族でもある。
 同じ皇族である劉虞が袁紹側を認めた以上、それに反対する者との同盟は自身の信用の失墜にもなりかねない。

 劉焉自身が劉虞を批判しているならともかく…………それに対する姿勢は中立である以上、董卓側につくことは三州同盟にとっては大ダメージになるだろう。

「…………馬正は?」
「…………は。個人的には董卓殿への恩義がありますが……梁州のことを考えれば、ここは参加せざるを得ますまい」
「にゃー…………おっちゃんもとーたくのお姉ちゃんと戦うのに賛成なのかー」
「………………断腸の思い、ではある」

 鈴々の言葉に、馬正が苦い顔で頷いた。

「鈴々は……?」
「う~~~~~~ん……う~~~~~~~~ん…………」

 俺の言葉に、鈴々は腕を組んで体を揺らしながら悩む。
 しばらく悩んだ後――

「……だめなのだ! 鈴々にはとーたくのお姉ちゃんを裏切りたくはないのだ! 街のみんなが困るのは嫌だけど…………お姉ちゃんを裏切るのも嫌なのだ!」
「…………つまり、鈴々は董仲穎殿の味方をするべきだ、ということだね?」
「~~~~~~~~っ、そうなのだっ!」

 さんざん考えぬいて、それでも自分の意見を言う。
 たとえそれが間違っているとしても……

 その心情がありありと分かる顔で、俺を見る鈴々。
 その瞳は…………どこまでも真直だった。

「そうか…………あとは愛紗と星の意見だな。二人の意見は後で聞くとして……」
「ご主人様は……?」
「ん?」

 桃香の声に、振り返る。
 桃香は俺を見つめていた。

「ご主人様の意見は、どっち……?」
「………………最終決断は、愛紗と星の意見を聞いてからにしてくれよ?」

 俺は、息をつく様に嘆息してから……桃香を見た。

「俺の意見は――――」

 その時――
 ふいに、桃香の顔に浮かんだその表情を見て。

 俺は……激しい罪悪感に襲われながら、答えることになったのだった。
 
 

 
後書き
さて、数多くの恋姫創作の中で出てきたであろう火薬の登場です。
これを出すと絶対に突っ込まれそうなので、先にいろいろ説明しておこうかと思います。

実は、この作品の中で以前に火薬に否定的なことを書きましたが……それはあくまで『鉄砲』についてなんですよね。
では何故鉄砲が否定的なのか……いろいろありますが、代表的なものに製鉄技術の未熟さが挙げられます。

銃の歴史は、実は最古は唐なんです。
ですが初期の銃(飛発)と呼ばれるものは、木の板の上に横に穴を開けた筒を縛り付けて、火薬と丸く磨いた石玉を入れて発射したものだったそうです。重くて2~3人で板を持って担いで発射されたそうですが……石玉が割れたり、砲身が火薬に耐えられなかったり、火薬が足りなくて発射もしないなど、ほとんど飛ばなかったそうです。

500年経ってもそんな製鉄技術なのに、500年前に火縄銃のような精密な製鉄技術を教えたとして、それをできるかといえば……答えはNO。
これは、火縄銃を実際に見ればわかるのですが、ものすごい精密な金具と製鉄技術の結晶なんですよ。
現代では、金槌で作れと言われても絶対出来ません。
現代では再生不可能とまで言われる、当時の刀職人の最高峰の人物たちが寄り集まって、何十年の歳月もかけて完成したのが種子島であり、国友銃を代表する日本製火縄銃です。

そんな技術が、設計図があります、製鉄法を教えます、さあ鉄砲作れでできるか……できるわけありませんがな。

モノ作りは根気と個人の技量が物を言います。
現代の機械に頼る製法ですら、個人の技量で天と地の差があります。
昔のまともな工具もない時代、玉鋼どころか鋳鉄の製造技術すらない、純度の低い鉄の剣が『何でも切り裂く神の剣』などともてはやされていた時代に、鉄砲なんて。

主人公が神のような製造技術チートをつけるか、魔法でもつけるならともかく、ねえ?
まあ、個人的意見ではありますが……

だからこそ、この作品では銃器の持ち込みはありません。
そんなのなくても、方法なんていくらでも……(ボソ) 
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