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ソードアート・オンライン 白銀の死神

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番外編
  黒の剣士:7

 
前書き
久々の更新です

3/3一部修正しました 

 
帰り道の小川の橋を渡ろうとしたその時、索敵スキルにプレイヤー反応があった
キリトも気付いていたらしく、急いで渡ろうとしていたシリカの肩をつかむと一際低く張った声で言った

「-そこで待ち伏せている奴、出てこいよ」

「え…!?」
その数秒後、がさりという音がして木の葉の中からプレイヤーが出てきた
カーソルはグリーンではあるが

「ろ…ロザリアさん…!?何でこんなところに…!?」
現れたプレイヤーは散々俺たちをからかっていたプレイヤー、ロザリアだった
ロザリアは唇の片側を釣り上げた笑いを浮かべ言う

「アタシのハイディングを見破るなんて、なかなか高い策敵スキルね、剣士サン。あなどってたかしら?」
そうしてシリカの方に視線を動かす

「その様子だと首尾よく≪プネウマの花≫をゲットできたみたいね。おめでと、シリカちゃん」
シリカはその意図が読めないようで、数歩後ずさる
嫌な気配を流しやがって

「早速その花を渡してちょうだい」

「…!?な…何を言っているの…!?」
そこで、今まで無言だった俺は口を開く

「そうはいかないな、ロザリア。いや、オレンジギルド≪タイタンズハンド≫のリーダーさん」
それを聞いたロザリアの眉がピクリ、と跳ね上がり唇から笑みが消える

「え…でも、だって…ロザリアさんは、グリーン…」

「オレンジギルドと言っても、全員がオレンジでない場合も多いんだ。グリーンのメンバーが街で獲物を見繕ってパーティに紛れ、待ち伏せポイントに誘導する」

「昨夜の盗聴野郎もあいつの仲間だろう」

「そ…そんな…。じゃあ、この二週間、一緒のパーティにいたのは…」
ロザリアは毒々しい笑みを浮かべながら言う

「そうよ、あのパーティの戦力を評価すんのと同時に、冒険でたっぷりお金が貯まっておいしくなるのを待ってたの。本当なら今日にでもヤッちゃう予定だったんだけど……一番楽しみな獲物だったアンタが抜けちゃうから、どうしようかと思ってたら、なんかレアアイテム取りに行くって言うじゃない。《プネウマの花》って今が旬だから、とってもいい相場なのよね。やっぱり情報収集は大事よねー」
そしてロザリアは言葉を切りこちらに視線を向け肩をすくめた

「でもそこの剣士サン達、そこまで解っていながらノコノコその子に付き合うなんて、馬鹿?それとも本当に体でたらしこまれちゃったの?」
その言葉に反応したシリカが短剣を抜こうとしたが、キリトがその肩を掴む

「いいや、どっちでもないよ」

「そうだな。俺たちもアンタを探してたのさ、ロザリア」

「-どういうことかしら?」

「あんた、十日前に三十八層で≪シルバーフラグス≫って言うギルドを襲ったよな?」

「メンバー四人が殺され、リーダーだけが脱出したギルドだ」

「……ああ、あの貧乏な連中ね」

「そのリーダーだった奴がな、最前線のゲート広場で泣きながら仇討ちしてくれる奴を探してたんだよ」
殺気を含ませた鋭い声を出して言う

「でもな?その男は依頼を受けた俺たちに向かって、あんたを殺してくれ。とは言わなかった。『黒鉄宮の牢獄に入れてくれ』……そういってたよ。」

「―――あんたに、奴の気持ちがわかるか?」

「解んないわよ、そんなこと」
ロザリアは興味もなさそうに言う


「何よ、馬鹿みたいね正義派ぶって。ここで人を殺したってほんとにその人が死ぬ根拠無いし。そんなんで現実に戻った時罪になるわけないわよ。だいたい戻れるかどうかも解んないのにさ、正義とか法律とか、笑っちゃうわよね。あたしそうゆう奴が一番嫌い。この世界に妙な理屈持ち込む連中がね」

「ほう……?」

「……で?あんたその死に損ないの言う事真に受けて、アタシらを探してたわけだ。ヒマな人だねー。ま、あんたのまいた餌にまんまと釣られちゃったのは認めるけど……でもさぁ、たった三人でどうにかなるとでも思ってんの……?」

そう言うとロザリアは唇に笑みを浮かべながら、右手を掲げて素早く二度宙を煽ぐ。
途端に向こう岸の両脇の木立が激しく揺れ、茂みの中から次々に人影が現れた。そのほとんどは紛れも無いオレンジ色だ。
その数、十五前後

……いや、気付いていたがな

待ち伏せに気がつかなれば確実に向こう岸で囲まれていただろう数である。
その十五人のうち、二人のグリーンがいて、そのうち一人の男は、昨晩シリカ達の部屋を盗み聞きしていた男の逃げ去る後ろ姿と同じ。針山の様なとがった髪形をしていた。

十五人の盗賊は、皆派手な格好をした男性プレイヤーだった。
全身に銀のアクセサリーやサブ装備をじゃらじゃらとぶら下げている。ニヤニヤとした笑いを浮かべる男たちは、シリカの体に粘つくような視線を投げかけている。
その視線に激しい嫌悪感を感じて、シリカはキリトのコートの裏に姿を隠し、小声で囁きかける。

「き……キリトさん、ナオさん……人数が多すぎます。脱出しないと……」

「大丈夫、俺かナオが逃げろ、というまで、結晶を用意してそこで見ていればいいよ」
穏やかな声でそうシリカに答えると、シリカの頭にポン、と手を置き、そのまますたすたと端に向かって歩き出した。

「そういうこった。そこで見てな」
俺もそう言いながらシリカの頭をポンポン、と叩くとキリトの方へ向かっていく

……とそこにシリカの大声が響いた
「キリトさん――!!ナオさん―――!!」
その時

「ん……?キリト?ナオ…?」
不意にオレンジの一人が呟く

「その恰好…盾なしの剣士―――。≪黒の剣士≫、それに…」
そして急激に顔を蒼白にしながら数歩後ずさる

「ろ……ロザリアさん……。やばいよ、こいつら…。ビーター上がりの、攻略組だ…。し、しかも白い奴、『オレンジ狩り』の≪白銀の死神≫、だ……」

それを聞いたオレンジ共の顔が強ばる。ロザリアもたっぷり数秒程口を開けて固まっていた。だが、我に返ると甲高い声で喚きだした

「こ、攻略組や『オレンジ狩り』がこんな所でウロウロしてるわけ無いじゃない!どうせ、名前をかたってひびらせようっていうコスプレ野郎に決まってる!それに――もし本当に《黒の剣士》や《白銀の死神》だとしても、この人数でかかれば余裕だわよ!」

その言葉に勢いついたのか、一番前の大柄な大剣使いオレンジが叫ぶ

「そ、そうだ!攻略組なら、すげぇ金とかアイテム持ってんだぜ!しかも『オレンジ狩り』の一人を殺ったってんなら、俺らの名声も上がる!美味しい獲物じゃねえか!」
それを聞いた他の奴等も同じ事を口々に叫びながら自分の武器を抜き放つ

「キリトさん!ナオさん!無理だよ、逃げようよ!」
シリカがそう叫ぶが俺たちは動かない。それを見た相手のオレンジ共は諦めたと思ったのか、ロザリアと二人のグリーンを除いた十三人が猛り狂った笑みを浮かべながら橋を駆け抜けて来た

「やれやれ。面倒だなぁ」
仕方ない。少しだけやりますか 
 

 
後書き
と言うわけで更新。

ナオ「中途半端な」

まあ、連続で投稿するつもりだし。ここで眠らせる訳にもいかないし

ナオ「さいで」

さいです

感想まってます 
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