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ヘタリア大帝国

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TURN98 サイボーグ外相その一

                    TURN98  サイボーグ外相
 枢軸軍主力は満州に着いた、そこからシベリアに攻め込むつもりだった。
 しかし彼等が到着したその時にだった。
 ソビエト軍の大軍が再び来ていた、その彼等を見てだった。
 プロイセンは呆れた顔になった、それでこう言った。
「おいおい、今から第八世代の船に乗り換えてって思ってたのにな」
「もう来たんだね」
 ハンガリー兄も言う。
「速いね、ソビエト軍も」
「突貫修理で気合入れて修理したなこりゃ」
 プロイセンは己の乗艦から敵軍を見ながら言った。
「向こうも働いてるな」
「別に働かなくてもいいけれどね」
 グレシアはぽつりと本音を述べた。
「ずっと休んでいてくれていいから」
「全くだね、シェスタしていてくれていいのに」
 イタリアはまた出て来たその大軍を見てここでも泣きそうな顔になっている。
「ロシアにはないのかな」
「ない」
 ドイツがそのイタリアに言う。
「あるのは南欧だけだ」
「えっ、そうだったんだ」
「御前達とスペイン位か」
「私もですよ」
 セーシェルもだった、自分から名乗り出る。
「毎日お昼寝していますよ」
「そういえばそうだったな」
「はい、お昼寝気持ちいいですよね」
「そうしてくれたら楽なのに」
 イタリアはソビエトの大艦隊を見ながら言う。
「何でそうしてくれないのかな」
「それは私も同感ですが」
 ユーリは自分の祖国の言葉に同意はした、だがそれでもだった。
「しかしそれでは負けますので」
「ソビエトが負けてくれたらいいのに」
 それが楽だからだ。
「何でそんなに働くのかなあ」
「勝つ為です」
 ユーリはイタリアに突っ込みを続ける。
「ですから我々も」
「えっ、俺いつもシェスタは忘れないよ」
「俺もだぞ」
 ロマーノもだった、兄弟揃ってである。
「そうしないと調子が出ないから」
「何でソビエトはしないんだ」
「昼寝をしないで働こうとは思わないのか?」
 ドイツは真顔でイタリア兄弟に問うた、今もモニター越しに話す。
「ソビエトは強制労働だぞ」
「シェスタしないで?」
「いざとなれば夜もだ」
 寝ないで働くというのだ。
「濃い紅茶を飲まされて強制的にだ」
「そんなことしたら疲れちゃうじゃない」
「多少疲れても働くことだ」
 それが大事だというのだ。
「普通はそうだ、日本を見ろ」
「そういえば日本いつも真面目に働いてるね」
 無論昼寝なぞせずにだ。
「というか太平洋の国も人達も皆シェスタしないで働いているけれど」
「おい、それが普通だろ」
 田中が呆れながらイタリアに突っ込みを入れた。
「イタリアさんちょっと怠け過ぎだろ」
「俺怠けてないよ」
「けれどあんた働いてるの午前中だけだろ」
 つまり午後はシェスタをしているのだ、毎日。
「もうちょっと働かないと駄目なんじゃないのか?」
「だって俺働くの嫌いだから」
 実にわかりやすい言葉である。
「だからね」
「イタリアさんらしいけれどそれってどうなんだよ」
 田中も勤勉ではある、確かに暴走族めいてはいるが。 
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