古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
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厄介事
「だからな、ここはこうなっててそうなってるんだよ」
「成程な…。いや~教え方上手だな勇太」
「嫌々、キョウスケ先生のメモのおかげでもあるぜ?このメモ要点と説明が解り易く纏められてる」
「やっぱりキョウスケさんは異常って事か…」
「俺からしたら先生の事を全く知らないお前の方が異常なんだが…」
勇太は2時限目の休み時間に一夏に自分の解る範囲で勉強を教えていた。このままだと余りにも可愛そうだと思ったのだろう。一夏もそれによってかなり内容が理解出来ている節がある為かなり有難いだろう。そんな二人に近づく一人の女子が居た。
「ちょっとよろしくて?」
明らかに相手を下に見ているように上から物言いだった。勇太は一夏に続けてろと小声でいってからその女子と話をする事にした。
「なんだよ」
「なんなんですの!?そのお返事と言葉遣いは!?わたくしに話しかけられる、これだけでも途轍もなく光栄なのですからそれに相応しい態度で、対応するという事が必要ではないのですか?」
セシリアは一旦、手を口にやり言った。勇太は心底不快になった。
「まあ勇太、この問題これで合ってるか?」
「ん?ああどれどれ…っておいおい、どうやったらその選択種出せるんだよ。それは明らかにAだろ、だってここをこうするだろ?」
「ああなるほど」
「話を聞きなさい!!」
セシリアなんて無視して一夏の勉強に付きあう勇太、そんな勇太をセシリアは良く思わなかった。一夏はそんな事無視して勉強に集中している。
「なあ勇太、一つ聞いていいか?」
「なんだ?」
「国家代表候補生って呼んで字の如くその国の代表になるかもしれない候補生の事だよな?」
「ああ、まあエリートって認識でいいかもな」
「そうエリートですわ!!」
セシリアは勇太のエリートっという言葉に過剰に反応し大きな声を上げる。自分が世界に467個しかないコアの一つを所有している選ばれた人間であると大きな声で自慢している。勇太は快く思っていないが一夏は別に特別にどうにも思っていない。まあ彼の場合は比較対象が対象故に…。
「なあ、専用機持ってるエリートなんだろ?」
「そうですわ!」
「キョウスケさんだって持ってるけど、あの人より凄いって言えるのか?オルコットの言い方だと専用機持ってる誰よりも凄いって言い方なんだけど?」
「うっ…さ、流石にあの方より凄いとは言いませんがきっと互角以上に戦って見せますわ!!」
「ほう?俺と互角以上ね」
突然の声、3人は身体を大きくビクつかせながら錆付いた歯車のように首を動かして後ろを見るとキョウスケがいい笑顔をしながら此方を見ていた。
「オルコット、貴様如きが俺に互角にやるな…。粋がるな小娘、俺と同等に戦いたければ織斑先生程度の実力を持ってから言え糞餓鬼、それと席に着け。授業を始める」
「「は、はい!!」」
セシリアと勇太は大慌てで自分の席に着いた。キョウスケも千冬と同じく教卓の近くに移動し授業を開始したが、
「来月に開催されるクラス対抗戦に参加する代表者を決める。推薦したい者がいたら、手を上げろ」
どうやら近々クラス対抗戦が行われるらしい、それの代表者を決めたいらしい。すると次々と女子達から
「織斑君を推薦します!!」「私は大神君を!!」「私はどっちも推薦します!!」
っと言ったように次々に一夏と勇太を推薦していった。男でありながらISを動かした一夏と勇太が戦う所を見てみたいという心からだろう。勇太にとっては予想通り過ぎる展開である。一夏は自分が選ばれるとは思っていなかったのか大いに驚いている。
「推薦者は織斑と大神だな?ほかにいないか?」
「納得いきませんわ!!!」
バァン!!!っと大きな音を立てながら抗議の声が上がった。セシリア・オルコットだった
「このような選出などわたくしは認めませんわ!このような無粋な男が代表者など恥曝しですわ! このわたくしに!このセシリア・オルコットにそのような男に負けたという屈辱を味わえとおっしゃるのですか!?」
セシリアは自分が推薦されないのがさぞかしご不満なご様子。なら何故自分で推薦しないのかと思った一夏であった。まあ思っている事は間違っていない、キョウスケと千冬だって思っている事だし。
「実力から行けば私がクラス代表になるのは必然の筈ですわ!それを物珍しいからという理由で極東の猿にされては困りますわ!私はこのような島国でIS技術の修練に来ているのです!大体こんな国にこの様な施設が有ること事態が可笑しいのです!極東のわざわざ遅れている国にこの様な重大な施設を作る事次第が可笑しい事のですわ!」
「イギリスだって大した国自慢無いだろ。世界一不味い料理一位の何年覇者だよ」
っとぼそっといった一夏の一言にセシリアは顔を真っ赤にして噛み付いた。
「貴方!私の祖国を侮辱するのですか!!?」
「お前が先に侮辱したじゃないか」
「確かに」
「っ~~!!!貴方達ねぇぇええ!!」
「好い加減にしろお前ら」
っと千冬の一言と、教卓に叩き付けた出席簿の音で言い合いは沈静化された。が、キョウスケは何か言いたげな勇太を見た。
「大神、何か言いたげだな」
「先生達後で補習だろうと何だろうとしてもいいのですみません。セシリアさん、あんた、自分が言った意味分かってるのか?」
勇太は席から立ってセシリアの前に歩いていき、セシリアを睨みつけながら言い放った。
「なんですの?もしかして私と戦うのが怖いのですの?」
「そこじゃない!あんたは自分が言った言葉がわかってるのか?」
「煩いですわね!!そんなに私と戦うのが怖いと言うことなんですわね!!」
「そうか、わかったよ。織斑先生、キョウスケ先生、これの処分はそっちで決めてください」
そう言って制服の内ポケットから、ICレコーダーを取り出して、キョウスケに渡す。それを見たセシリアは顔を真っ青にしながら、その意味を理解した。
「ICレコーダーって………ま、まさか」
「あんたは『代表候補生候補』なんだよな?一夏は自分の置かれている状況に分かってないからいいけど、けどあんたは違う。自分が一体何処で、一体何を言ったのか、その意味が分かっていたらなら、あそこまで言えないはずだ!!」
「あ、ああ………」
セシリアはもしもICレコーダーの内容が日本とイギリス政府に知らされたら自分がどうなるのか想像してしまい、油汗と冷や汗が体中から噴出していく。
「あんたは自分の国を、自分の家族を、あんたの言った言葉のせいで、どうなるか分かってたのか!!俺は、自分の生きて育った場所がどんな場所か分かってるから、あんたの言葉にはここではある意味耐えなきゃいけない。だけど、その言葉が言っていい時と悪い時くらい今度から考えろ!!一夏!お前に関しては後で俺がみっちり状況説明もしてやる。次は無いぞ、わかったな!!」
「あ、ああ、わ、わかった!!俺だってオルコットの言った事は俺だって許せない!お前の言ってることは千冬姉とキョウスケさんを侮辱してるのと同じ事だ!」
一夏の言葉、セシリアはそれを聞いた瞬間に自分の言葉が目の前に居る世界最高峰のIS操縦者を侮辱してしまったと気付いてしまった。それによる完全にパニックになってしまい、遂に限界を向かえ
「きゅうぅ…」
気絶した。
「おい織斑、止めを刺すなそれと」
「がぁ!?二重の痛み!?」
一夏の頭を千冬の出席簿とキョウスケの拳が襲った。
「「先生と呼べ」」
「は、っはい…」
「織斑先生、オルコットは私が保健室へと連れて行きます」
「…お願いします」
千冬は少し嫉妬の視線でセシリアを睨んでいた。その視線を受けながら気絶しているセシリアを持ち上げて、教室を出て行くキョウスケ。
「(ふん、あんな小娘に嫉妬する事などない。キョウスケは私の夫だ、私だけの私のだけのな…ふふふふふふふふふふふふふふふふ…)それと大神、お前は放課後、私とナンブ先生による3時間休憩無しの組み手だ」
「ゲェッ!!?」
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