レインボークラウン
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第六十八話
第六十八話 お母さんに尋ねると
華奈子は学校の担任の先生に言われたことを夕食の時にお母さんに尋ねた。美奈子も一緒だがお父さんは仕事からまだ帰っていない。
テーブルに座っておかずのハンバーグを食べながらだ、お母さんに尋ねたのである。
「顔と性格が大事っていうけれどその顔も性格が作って先生が言ってたけれど」
「そうよ、幾ら美人でもね」
お母さんもだ、野菜をたっぷりと入れたコンソメスープを飲みつつ応える、おかずは他にはレタスとキャベツ、胡瓜を酢で揉んだサラダもある。
そのスープを飲みながらだ、お母さんもこう言うのだ。
「性格が悪いとね」
「駄目なのね」
「人相が悪くなるのよ」
「ヤクザ屋さんみたいになるって言われたけれど」
「ええ、そうなるのよ」
その通りだとだ、お母さんも華奈子に話す。
「だからね」
「性格が第一なのね」
「そう、まずそれを」
「性格が悪ちどうしようもないのね」
「意地悪な娘や乱暴な子と一緒にいたい?」
お母さんが出すわかりやすい例えはこうしたものだった。
「自分には優しいのに他の人には凄く厳しい子とか陰口ばかり言う子とか」
「ううん、嫌よ」
そうした子についてはだ、こう答えた華奈子だった。
「だって何されるかって思うと」
「そうでしょ、そういうことばかり考えてる娘はお顔に出て来てね」
「人相が悪くなるのね」
「ヤクザ屋さんみたいになるのよ」
文字通りだ、そうなってしまうというのだ。
「だからどんなにお顔がよくてもね」
「性格が悪いと駄目なのね」
「性格はすぐに顔に出るわよ」
まさに即座にだというのだ。
「だから気をつけてね」
「うん、そうするね」
「美奈子ちゃんもよ」
お母さんは御飯を食べている美奈子にも言った。
「気をつけてね」
「わかったわ。意地悪とか陰口は駄目なのね」
「そう、どうしてもよくないことを思ってしまうものだけれど」
人間の性だ、しかしそれでもだというのだ。38
「それを実際にやっていくとね」
「お顔に出てなの」
「嫌な顔になってしまうからね」
例えどんな美人でもだというのだ、この場合のヤクザ者とは別に男だけを指し示していない、先生もそうだったのだ。
「気をつけてね」
「いい性格でいることなのね」
「まずは」
「そう、二人共気をつけてね」
お母さんは二人にくれぐれもと言った、そしてだった。
三人で晩御飯を食べていく、お母さんはその後でお父さんが帰ってきてお父さんのおかずや御飯を出したのだった。
第六十八話 完
2013・8・30
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