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シャワールーム

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第四章


第四章

 だが床にだ。明らかにおかしな場所があった。開かれていたのだ。
「小鬼を使ったのですね」
「そうだ、小鬼が開けた」
 役はこう本郷に話す。小屋の中央に下に続く扉がありだ。そのうえで下に続いていた。そしてその下からだ。不気味な匂いがしてきていたのだ。
 その匂いからだ。本郷は言った。
「残念な結果ですね」
「そうだな。消えた女生徒達はあの中だ」
「中に入るしかありませんね」
「まずはな」
 こう言ってであった。二人は下に降りた。木造の階段を下りてその下に行くとだ。そこにあったのは無惨な屍達であった。それがあったのだ。
 どの屍も陰惨な有様だった。首を切られそれが天井から吊るされている。どの顔も無念な顔で目を見開き恨めしそうな顔をしている。そして口からは血を流し苦悶と断末魔もそこに見せていた。
 本郷はそれを見てだ。目を顰めさせて言った。
「生きているうちに首を刎ねられたね」
「そうだな。間違いないな」
 役もその言葉に頷く。
「それはな」
「間違いありませんね」
「そしてだ」
 役はここで周囲を見回す。するとであった。
 何か鋭利な刃物で切られた手足があった。手首も足首もばらばらになりそれが転がっていた。乳房は食い千切られ前にも後ろにも棒や竹が突っ込まれていた。しかも腹が断ち切られだ。内臓が引き摺り出されていた。
 そしてだ。それを見るとであった。
 本郷は難しい顔でだ。言うのだった。
「サイコ殺人ってやつですね」
「思えばおかしな顔の女だった」
「重度の人格障害者の顔ですね」
 役もだ。そう見抜いていたのだ。
「間違いなく」
「まずは警察に連絡をしようか」
「そうですね。死体のことは警察のことです」
「そしてだ」
 役は冷静にだ。言葉を続けていた。
「そのうえでだ」
「はい、あの管理人のところに行きますか」
「私の出番はここで終わりだ」
 役は冷静に述べた。
「しかしだ。これから」
「はい、これからは俺ですね」
「シャワールームからどうして消したかだ」
 それが問題だというのである。
「それが問題になる」
「あの管理人を押し退けてそのうえで調べます」
 本郷は目を怒らせていた。その陰惨な四つの死体を見てである。胴体と頭の数がそれぞれ四つであった。それで数を把握したのである。
「それでいいですよね」
「好きにすればいい。君に任せる」
「はい、じゃあ」
 こう話してだった。まずは警察に連絡してだ。そのうえで寮に戻った。
 既に警官達が来ていた。前迫はその彼等を憎々しげな目で見据えながらやって来た二人に対しても言う。その醜い顔で。
「これは一体どういうことですか!?」
「どういうことって答えは一つだろうに」
「一つ!?」
「ああ、一つだ」
 本郷が彼女に言っていた。今彼等は寮の中にいる。警官達と共にだ。
「犯人がわかったんだよ」
「私だっていうのですか!?」
「その通りさ。今小屋の中も調べられてるぜ」
 また彼女に告げた。
「これでわかったな」
「それで私がやったっていうんですか」
「ああ、そうさ。あんたがやったんだ」
 こう言ってであった。そうしてだ。
 あのシャワールームに向かう。役に警官達も一緒だ。遅れて前迫も連れて行かれる。
 
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