Angel Beats! the after story
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戦線カップル
戦線初カップルとの出会い
暑さがピークを迎える8月の中旬。
かなでたちと出会って2週間ほどたったある日突然俺のケータイが鳴りだした。
ケータイの着信音を少しうざいと感じながらも通話ボタンを押す。
「もしもし」
「かなでだけど、音無さん時間ありますかよかったらこれからゆりちゃんと一緒にどこかに出かけませんか?」
「いいぜ。じゃいつもの場所だな。」
「待ってますから。」
「わかった。じゃあな、かなで。」
「はい」
かなでと呼べることが嬉しい俺は少しにやけながら支度をはじめる。
これもすべてゆりのおかげだ。まさにゆり様様だ。なぜかというと今日以外に俺とかなでたちは数回遊んでいる。
ある日ゆりが
『私たちはもう友達でしょ。だからこれからは下の名前で呼んでいいわよ。』
と言い今の状況になっている。
だが、ゆりいわゆる年上への敬意ということで俺は名字で呼ばれることになった。
支度が終わり俺は家をでた。
俺たちが言ういつもの場所というのは、かなでと出会った駅前から20分ほど歩いたところにある、喫茶店のことで、ゆりがいつも何をするか決める時に使っていると教えてくれたのだ。
最初は迷ったりしたが何回も行っているうちに今ではプライベートでも使っている。
喫茶店に着き、ドアを押し店の中に入った。
ドアがカランカランと鈴が鳴ったような音をたてながら俺は店の中を見回した。
造りは普通の喫茶店よりも少し大きいぐらいの少し落ち着くような雰囲気だ。イスとソファーが両端に分けられてカウンター席もある休憩するのにうってつけの場所だ。
かなでたちはいつもと同じように店の奥の席にいた。
「すまん。待ったか?」
するとかなでが答えた。
「ううん、私たちが早く来ただけ。音無さんは時間ピッタリですよ。」
続けてゆりも答える。
「ほんとあんたって几帳面よね。」
「まぁな」
何気無いやりとりをしながら俺も席に座る。
「今日はなにをするんだ?」
「そうね〜ってあんたたちも考えるのよ。」
ゆりはちょっと怒ったがそれが面白かった俺とかなではクスクス笑った。
「笑うな〜」
少しふてくされたゆりをなだめつつ、俺たちは考えだした。
「カラオケはいった。ゲーセンも映画も行ったからな〜
まだ他にあるのか?」
「だからそれを考えるの」
そして少しの沈黙の後かなでが発言した。
「じゃあ〜また麻婆「「却下」」
息のあった俺とゆりの言葉でかなでは固まってしまった。
「はっ!なんでダメなの?」
固まったのが解けたかなでは理由を聞いてきた。
「あんたね〜昨日も食べたよね。いい加減食べ過ぎなのよだからダメ」
「そんな〜、音無さんもですか〜?」
目をうるうるさせながら見つめてきたかなでを見た俺は反射的に庇いそうになる俺を察知したかのようにゆりは俺に向かって言った。
「音無くんダメよ。それで何回行ったかわかってるの、少しは学びなさい。
かなであなたもよ」
ビシッという効果音が付きそうな感じで言われ。
説教された俺とかなではしょんぼりした。
それからまた沈黙が続く。
10分ぐらいたっただろう。まだ沈黙が続いているがその沈黙を終わらせるように1組のカップルが店に入ってきた。
俺が入った時と同様に鈴の音がしたがそんなことを気にせず席に向かっていった。
俺たちのいる席が奥だから顔は見えないが微かに聞こえる話し声からすると年は俺とあんま変わんないぐらいだろう。
そう思っているとかなでが独り言のように呟いた。
「やっぱりカップルっていいな〜」
俺はなんとなくかなでに聞いた。
「かなではかわいいから学校でモテるだろ」
反対するかのようにかなでが言う。
「そんなことないですよ。」
それを聞いていたゆりも会話に参加した。
「なに言ってるのよ。あんた男子に告白されたりラブレターちょくちょく貰ったりしてるじゃない。」
「ヘェ〜やっぱりな」
内心、告白やらなんやらした男子高校生に俺は憤りを覚えていたのは秘密だ。
「あれってそういうことだったの」
驚いたかなでに俺が聞く。
「じゃあ、もしかしてその中に好みの男の子とかいたんじゃない?」
考えながらもかなでは答えた。
「ん〜いません」
「どうして?」
「それはですね。私、年上の人が好きなので特に音無さんぐらいがちょうどいいかな。」
それを聞けた俺は今すぐにでもガッツポーズをしたかったがそこはぐっと抑える。
ゆりが怪しんでいる口調で俺に聞いてきた。
「音無くん〜なんでそんなにかなでの恋愛事情知りたがるの〜」
それを聞かれた瞬間、頭が回らなくなってしまってパニックになりながらもかなでの表情を伺うがかなでは少し興味がありそうな顔つきをしていてもっと混乱してしまった。
回らない脳をフル回転しながら答える。
「それはだなそのあれだ、かなでが悪い奴と付き合うのは許せないからだ。」
少し本気だったがその答えを聞いたゆりたちは爆笑していた。
「音無くん、お父さんみたいなこと言ってるヤバイお腹が」
苦しそうなゆり見て次にかなでを見る。
「ゆりちゃん笑っちゃ音無さんに失礼だよ。」
そう言いながらも笑すぎたのだろう目元の涙を拭っていた。
そんなに変なこと言っただろうか?と考えていたが無駄だと思いやめた。
ようやく落ち着いた2人は頼んでいた飲み物で喉を潤している。
「ふぅ〜ほんとにどうしよっか?」
ゆりが飲みながら聞いてきた。
また振り出しに戻ったなと思いながらも考えるがいい案が思いつかない。
だがこのままだと終わらないような気がするからダメもとで提案する。
「とりあえずぶらつこうぜ。」
「やっぱりそれしかないか。」
ゆりも同じ結論になったのだろう。
善は急げだ早速俺は席を立つ。
「そうと決まったら外にでよっか。」
「はい」
「わかったわ」
そして会計をしようと歩いたが、俺たちの後に店に来たカップルが先に会計をしていた。
近づくに連れて会話が聞こえてきた。
「先輩この後どうします?」
「そうだな〜適当にぶらつくっか」
俺たちと同じ結果にいたったのだろう、そう思いながらも会計が終わったカップルがこちらを振り返った。
振り返った瞬間、俺はまたまた驚きで雷で撃たれたような衝撃が全身を巡る。
「お前たちだったのか。」
ちゃんと言葉にできたかすらわからなかったが、そんなことよりもあいつに出会えたことが嬉しかった。
俺は心の中で話しかけた。
久しぶりだな。
日向
ゆい
後書き
ほんとに現役高校生のかなでちゃんとゆりっぺ
を書くのがこんなに楽しいなんて思いませんでした。
次もどうか温かい目で見守ってください。
よろしかったら感想でもアドバイスでも指摘でもよろしいので
時間があるならより良い作品にするためにご協力お願いします。
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