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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0426話

 俺達……というよりも、グレートパル様号を威嚇していたオスティア駐留艦隊の巡洋艦。そこに突然雲海から伸びた黒い触手が絡みつき、獲物を自分の巣穴に引き込む虫か何かのように巡洋艦を雲の中へと引きずり込む。そしてその雲海から巨大な黒い人型の手が伸ばされ……俺達のいる場所へと向かって……

「っ!?」

 影のゲートを展開するのは間に合わないと判断し、咄嗟に瞬動を使用する。同時に振り下ろされる巨大な手。その手がつい数秒前まで俺達のいた場所を砕き、同時に地面を破壊された影響で千鶴の守護領域も消滅する。

「間に合えっ!」

 混沌精霊としての力を使い影槍を50本射出。同時にその影槍を使い明石、大河内、佐々木、和泉の4人を受け止める。夏美は純炎の涙を使って空を飛んでいる円が。早乙女はいつの間にかグレートパル様号の甲板へと移っており、茶々丸と相坂の姿もそこにある。近衛は桜咲が確保し、あやか、千鶴、美砂、長瀬、神楽坂の5人はそれぞれが自分で巨大な手の一撃を回避して安全な場所まで退避していた。

「無事だな?」

 俺もまた同様に、影槍で受け止めた4人をそのまま安全な場所まで運ぶ。

「え、あ、うん。ありがとう」

 いきなりの出来事にまだ頭がついていっていないのだろう。大河内が呆然とした様子で俺へとそう声を掛けてくる。
 まだ声を上げられた大河内はいい方なのだろう。他の3人はただただ唖然とその巨大な影へと視線を向けている。
 そう、大怪獣としか言えないような巨大なその魔物に。
 完全に飲み込まれているか、しょうがない。
 大河内達以外の3人を受け止めていた影槍を操作して、それぞれの後頭部を軽く殴りつける。

「きゃっ!」
「わっ!」
「へ?!」

 その衝撃でようやく頭が通常状態に戻ったのかキョロキョロと周囲を見回していた。
 そんな様子を見ながら大河内の方へと視線を向ける。ここにいるよりはまだ移動可能なグレートパル様号にいた方がいいか。

「よし、悪いがもう一度移動だ。影にちゃんと捕まってろよ」
「ちょっ、何か沈む、沈むーーーっ!」

 明石の悲鳴を聞きながら影のゲートへと沈み、次に姿を現したのはグレートパル様号の甲板にいる茶々丸の影だった。

「アクセル君!?」

 こちらを見て驚きの声を上げている早乙女の方へと、影槍を操作して大河内達を避難させる。

「悪いが、ここでこいつらの保護を頼む」
「それはいいけど……って、来たぁっ!」

 先程オスティア駐留艦隊を捕らえた触手がグレートパル様号へと伸びてきたのを見て早乙女が悲鳴を上げる。そしてここから離れるべく操舵室へと向かいながら大声で叫ぶ。

「こうなったら脱出プランBよ! 今はとにかくバラバラに逃げて第2集合地点に集結して!」

 その声が聞こえたのだろう、その場にいた面々がそれぞれの方向へと逃げ散っていく。
 さて、じゃあ俺も戻るか。
 そう判断し、影のゲートへと身を沈めながら大河内達へと声を掛ける。

「取りあえずバラバラになっているよりはこの飛行魚に乗ってれば安心だろう。俺は他の面子の応援とか今回の騒ぎを起こしてる奴をどうにかしてみる」
「うん、分かった。アクセル君も気をつけてね!」

 咄嗟に放たれた明石の声を聞きつつ、次は茶々丸へと視線を向ける。

「茶々丸、この船が武装しているとしても本格的に戦闘が可能なのはお前だけだ。護衛を頼んだぞ」
「……分かりました。アクセルさんもお気を付けて。決して無理はしないでくださいね」

 こちらの身を心配する茶々丸に頷き、影のゲートへと完全に身を沈めて建物の方へと移動する。そして見たのは地面から大量に溢れ出てくる存在。それはまるで操影術で作られる使い魔のようにも感じられ、また同時に闇の精霊の力も感じられる。操影術の使い魔に似ているということは恐らく自意識のない人形のような物だろう。命名するなら闇の人形と言った所か。

「気をつけろ、こいつらは木偶人形だ。感情や痛覚といったものは一切無いぞ!」
「承知したでござる!」

 近くにいた長瀬がそう叫びながら巨大な手裏剣を投げつける。
 どういう技術なのかは知らないが、先程の騎士相手には気絶で済んだ筈のその一撃は闇の人形共を真っ二つにし、あるいは砕き、破壊していく。
 確かに意志の無い人形を使って数で押すというのは悪くない戦術だろう。だが、あいにく対多数用の戦闘を得意としている俺にこの手は悪手以外のなにものでもない。

「生命ノ宴!」

 右腕の部分を生身の肉体から白炎へと変化させ、小鳥や虫といった小型の炎獣を大量に作りあげて撃ち出す。

『GYAAAAAAAA!』 

 それぞれが小型な為に上げられる声は小さいが、それでも数十、数百と重なればそれは巨大な音へと変化する。
 そして大量の炎獣はそのまま大量に沸いて出てきた敵へと突っ込み、その身体を貫通し、あるいは燃やしていく。
 同時に、桜咲や長瀬、あるいはあやかや円といった面々も同時に闇の人形へと攻撃を仕掛けていき、ものの数分で100匹近く存在していた敵は消滅したのだった。

「さて、こうなるとまずネギ達を回収した方がいいか。高畑、古菲、小太郎の3人が向かってるとは言っても、こいつらが相手だと考えれば手っ取り早く影のゲートを使える俺が行った方がいいだろう」
「アクセル君、綾瀬さん達の姿もいつの間にか消えてますわ」
「あ、バラけた時にちらっと聞いた。パーティ会場の方に回るって言ってたわよ」

 あやかの疑問に円が答える。そしてパーティ会場からも聞こえて来る多数の悲鳴を考えると、あっちにもこの闇の人形共が姿を現しているだろう。そんな風に考えていると神楽坂が口を開く。

「アクセル、パーティ会場の方には私が行くわ」
「お前1人だとちょっとな……」

 ネギの救出に関してはぶっちゃけ俺がいれば影のゲートで回収出来るから戦力と言うよりは何かあった時に機動力のある奴が欲しい。できれば長瀬辺りがいいんだが、長瀬のアーティファクトは大勢を守るというのに向いているから俺と一緒に来させるというのは悪手だろう。そうなると統率力に優れているあやかも同様。桜咲は近衛の側を離れるなんて真似はしないだろうし、千鶴の虹色領域の腕輪、美砂のセイレーンの瞳もまた大勢を守ったり、補助として有用だから却下。となると……

「円、俺と一緒にネギの救出だ。それ以外は全員纏めてパーティ会場の方に回ってくれ」
「え? 私!?」
「ああ。円のアーティファクトである純炎の涙があれば空も移動出来るから、いざという時に機動力や火力にも問題は無い」
「……分かった」

 円が頷き、俺へと近づき影のゲートへとその身を沈めていく。

「いいな、こんな所で死ぬなよ。全員で現実世界に戻るというのを最優先に考えろ」

 そう言葉を残して。





 影のゲートを使って先程の場所を離れてから数分。取りあえず距離を取って影のゲートから出てネギ達の姿をようやく発見した時、そこにあったのは崩れ落ちる通路にぶら下がっている朝倉と、それを何とか引っ張り上げようとしている宮崎の姿だった。通路の反対側では何らかのダメージを受けて碌に身動きが出来ない状態になっているネギに、そのネギを支えてる古菲と小太郎や長谷川の姿が。
 そして小太郎が古菲にネギを預けて跳躍しようとしている所だった。

「円、小太郎と一緒に朝倉を!」
「分かったわ!」

 俺の声に円は純炎の涙を使い、空中を移動して小太郎と宮崎が引っ張り上げようとしている朝倉の身体を抱え込む。

「クギミー!?」
「こんな時までクギミー言うな! このまま落とすわよ!?」
「あ、ごめんごめん。嘘。クギミー言わないから落とさないで」
「ったく、あっちはあっちで大変だったって言うのに……」
「釘宮のねーちゃん、助かったで」
「ありがとうございます」

 小太郎と宮崎がそう礼を言ってる横で、俺はネギ達の側へと降り立っていた。

「ア、アクセル君……」

 動きの取れないそのネギのその様子に、ふと覚えのある感覚があった。それは即ち……

「闇の魔法を暴走させたな?」

 その言葉にビクンッと身を震わせるネギ。図星か。

「まぁ、その件についてはともかく状況は理解しているか?」

 その問いに答えたのは、ネギではなくパクティオーカードを手にしている長谷川だった。

「ああ。早乙女から途切れ途切れだが連絡があった」
「途切れ途切れ?」
「恐らく誰かが念話を妨害してるんだと思うが……」
「まず間違い無く人形共の操り手だろうな」
「人形?」
「その話は後だ。……ちっ、距離が離れすぎているな。一旦あっちと合流した方がいいな。影のゲートを使うか?」

 そう呟いた瞬間、見覚えのある姿が円達の後方から姿を現す。それはナギ・スプリングフィールド杯の賭けで一番世話になった人物。トレジャーハンターのクレイグとアイシャの2人だった。
 同時に、通路の割れ目を埋めるかのように上空から巨大な触手が降り注いでくる。
 これは……オスティア駐留艦隊を雲の中に引っ張り込んだあの触手か!?

「聞こえているか、坊主達。嬢ちゃん達は俺が合流地点まで届けてやるから一旦ここで別れるぞ!」
「おいっ、どうするんだよアクセル。それでいいのか? このままここで別れたら戦力も分散されるぞ!」
「だが、それがベストなのも事実だ。あの触手が暴れてる中であっちの奴等と合流するのには俺の影のゲートを使うしか無いがそれを使うにも時間が……なっ!」

 壊された天井の一部がこちらへと落下してくるのを影槍を放って弾き飛ばす。

「見ての通り、影のゲートを使ってる間お前達を守りきれる確証がない」

 一瞬だけネギの方へと視線を向ける。
 もしネギが通常の状態なら影のゲートで合流するというのもありだったんだろうが……今はそのネギを守る為に古菲もそっちに手をさかざるを得ない。

「円! 聞こえているな!」
「うん!」
「行け! 待ち合わせ場所の地下物資搬入口で合流する!」
「……分かった! 絶対来てよね!」

 その声を最後に、円達が走り去る音が聞こえてくる。

「さて、後は俺達も合流場所に向かえばいいんだが……」
「この瓦礫の中、どうするアルか?」

 古菲の言葉に周囲を見回す。先程の触手の一撃で既にこの通路は崩壊寸前だが、幸いその肝心の触手はあれ以来こっちに降りかかってきてはいない。……その代わりその崩壊寸前の通路のせいで瓦礫が降り注いでるんだが……

「なっ!」

 長谷川の頭部目掛けて落ちてきた一抱え程もある天井の一部へと混沌精霊としての力で炎を作りだし瞬時に消滅させる。

「ネギ、戦闘するのは無理だろうが移動は可能か?」
「は、はい。古菲さんに支えて貰えればなんとか……」
「……そうか」

 駄目だ、このまま移動するにしても明確にネギが足を引っ張ってしまう。となると、ベストなのは一旦安全な場所に移動してから影のゲートを使う事なのだが。

「ちっ、しょうがない。幸い周囲には俺達だけだしな。……スライムッ!」

 俺のその声と共に、空間倉庫が展開。スライムの触手が伸びてくる。

「うわっ、何だよこれ。正直キモいぞ!」
「アイヤー。これは確か麻帆良であの悪魔とやりあった時のアルね。でも、確かにキモいアル」

 ん? そうか、そう言えば古菲はともかく長谷川がスライムをこんなに近くで見るのは初めてなのか。ナギ・スプリングフィールド杯でも使ったが、それだって短時間だし長谷川はかなり離れた客席から見ていただろうしな。

「安心しろ、俺の能力の1つで俺の命令しか聞かないからな。……スライム、天井部分を切断して喰らえ!」

 疑わしそうな目で見ている長谷川の前で、スライムの銀光が一瞬で数十回程走り天井を切断。そして落ちてくる石材をその身で受け止めて吸収していく。
 そして数秒程で天井の全てが無くなり、夜空だけが見えていた。

「うわ、マジかよ」

 長谷川の唖然とした声が天井の無くなった通路へと響くが、それには構わずに影のゲートを展開してネギ、古菲、長谷川、俺の4人が沈み込んでいく。

「おい、これ本当に大丈夫なんだよなぁっ!」
「だ、大丈夫の筈です。これは影の魔法でも上級魔法のゲートという転移魔法ですから」

 ネギが答えている間にも身体が沈み込んでいき、そして俺達の姿は完全に影へと飲み込まれてその場から消え去るのだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:15
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    混沌精霊

撃墜数:392 
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