IS ~インフィニット・ストラトス~ 魔術の使える者
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プロローグ
前書き
初めてこういったものを書きます。駄文ですがよろしくお願いします。
何か間違いなどあれば報告お願いします!
――多目的ホール外――
「美羽ってば、大事な書類を忘れるなんてね…。……まああの子らしいと言えばそうなんですが...」
自然と笑み(苦笑いも)を顔に出しながら、私は歩みを進めていく。
そもそも私の学校受験は二月に終わってしまい、後は卒業を待つだけだったのですが…。
今、ちょっとした理由で受験会場に居る。
理由は、妹の美羽がIS学園を受験するために必要な書類を忘れたため、それを届けに来た。
今年の受験は前回起きたいろいろな問題のせいで入試会場を二日前に通知するという意味があるのかわからない政府のお達しのせいです。
本来ならお母様辺りが届けるのですが、両親は【IS】の研究開発の為、海外に出張中。
双子とはいえ、兄(今更ながら私は男です)の私が面倒を見ないといけない。
まあ、妹ですからそこまで嫌じゃありませんが。
「……今日は本当に寒いですね…。早く入りましょう」
そんな独り言を自分に納得させるようにつぶやき、私は目的地の多目的ホールを目指さして入っていった。
――五分後――
「……まるで迷路ですね、IS学園でなく藍越学園の受験する場所でしたし」
入って中に居る人にIS学園の受験場所を訊いていたのは良いんだが、皆勘違いしたのか藍越学園の受験場所を私に教えてたのだ 。
藍越とIS、似てるから間違えても仕方ない、のかな?
そんな事を考えながら歩いて曲がり角を曲がると不意に――。
ドンッ――と受験生らしき中学生とぶつかってしまった。
「わ、悪い、怪我なかったか?」
「い、たた、私の方は大丈夫です。此方こそ申し訳ないです…」
見た感じ、ぶつかった彼には怪我はなさそうだ。
私自身も怪我はありませんし。
「………」
「……?」
何故か、ぶつかった彼は私の事をじぃーっと見つめてくる。
「……(はて?)すみませんが私は急ぐので、此方もぶつかってすみ――」
――そう言いその場を去ろうとすると、突如腕を掴まれた。
何事かと思い、私は彼の方に顔だけを向けると――。
「あ、あのさ。ぶつかった人にこんなことを訊くのも何だけど――藍越学園の受験場所…わかるか?」
「藍越学園ですか?ならこのまま私が来た道を真っ直ぐ行けば大丈夫です。わからなかったらこの先に女性が居ましたからその人に聞くといいのでは?」
「そうか!サンキュー!」
そう言って彼は手を握ってぶんぶんと握手すると、そのまま行ってしまった――。
「慌ただしい人でしたね。……IS学園の受験場所探しましょう――」
「あーっ!?お兄さんっ!早く持ってきて!!」
――と呟いたら廊下の奥から声が聞こえる。
それも【お兄さん】と呼ぶ声が――妹の美羽だ。
金髪のロングストレート、身長は154cm、体重はいくつでしたっけ?
スタイルはモデルになれるのでは?と思うくらいです。
っと、何考えてるんだ、私は――。
呼ばれた方の廊下を歩くと、若干仁王立ちしていた美羽は――。
「お兄さんっ!遅い!!」
「ご、ごめん。何でか藍越学園の受験場所教えられて迷ってたんだ」
言うや、その表情は仕方がないなぁといった顔。
「……帰りに何か奢ってよね?それで許してあげる!」
そう言い、私の顔を何度も見てくる美羽。
いや、美羽さん?……元々は忘れ物をしたあなたが悪いのですけど――などと言えば反撃(肉体的な方向)を受けてしまうのでやめておきましょう。
「わかりましたよ。……でも、あんまり高いのをお願いしないでくださいね?」
「わかってるって、じゃあお兄さん。ここで大人しく待ってね♪」
そう言うと、慌てて戻っていく美羽――。
――と、不意に後ろから声をかけられた。
「君、受験生?」
「え?――いいえ、違――」
「時間押してるから早く入って向こうで着替えて。ここ、四時までしか借りれないからやりにくいったらないわ。まったく――」
「え、ちょっ――!?」
問答無用とばかりに背中を押されて、美羽が入ったドアの向こうへと入れられた。
「よっ、と!」
「お兄さん!?どうしたの??」
無理矢理入れられた拍子に私は体勢を崩しかけ、あたかも運動ができない風に倒れると頭上の妹の心配そうな声が聞こえてきた。
「い、いえ…何を勘違いしたのか私の事を受験生に間違えたらしくて…。忙しいのか顔も見ずにここに入れられました」
「そっかぁ…。――まぁあまり気にせず、せっかくだからお兄さん。『IS』を生で見ていくのもいいんじゃない?」
そう私に言うや、直ぐ様カーテンを開く美羽――。
開いたカーテンの先にあったものは甲冑のような物が鎮座していた。
厳密に言えば甲冑ではなく――『IS(インフィニット・ストラトス』――と呼ばれるパワードスーツだ。
本来は宇宙空間での活動を想定して作られていたのだが『兵器』――そして『スポーツ』へと変わっていったらしい。
「……確かこれは『打鉄』でしたね――」
「そうだよ、コストパフォーマンスに優れた日本を代表するIS――」
「確か――男には使えないんでしたね?」
「うん。最初の発表の時に各国の男の軍人や研究者が触ってみたんだけど……うんともすんとも動かなくて女性にしか――ってお兄さんが触っても反応しないよ?」
「ん?まあせっかくだし、ちょっとだけ触ってみたくなって」
「もう!触って問題起こさないでよね、お兄さん!?」
軽い気持ちで私は美羽にそう答えた――。
その時は私の知る未来とはかけ離れていたのですから。
ですが、私は開けてはいけない箱を開けたのかもしれない――。
この『IS』に触れた事から私の運命は変わってしまったのだ。
そっと、触れるようにISの装甲に手を置いた
――その瞬間。
「なっ!?」
「え――」
キンッ――
金属音が頭に響く。
直接視覚野に接続されたように、訳のわからない数値が知覚出来るようになった。
「な、なんですか――」
「う、嘘……!?お兄さんが…IS動かしてる!?」
美羽も、何が起きたのかわからないながらも、目の前の俺がISを動かしたという事実だけは認識しているように感じた――。
そして、私自身がいろんなことに混乱している間にもISの機能は展開、作動を続けていく。
――視界も気づけば先程よりも清涼感が増し、クリアに。
――清廉とした視界に変わっていた――。
「あ……。……わ、私先生に言ってくる!!」
言うやタタタッと駆けて出ていく美羽――。
状況の把握がいまいち出来ないながらも――私、いや俺は母様が言っていた事を思い出していた――。
『ISはネ、触れたその瞬間からISの基本的な動作や操縦方法などが直接意識に流れ込んでいくのヨ。――でも、ユウヒは男の子だからIS動かせないワネ』
――動かし方の情報……流れて来ないんですけど....
「ど、どうやって動かせば――てっ!?」
ふらふらしながら――バタンッと、俺は前のめりで転けた。
顔を強く打ったはずだが、痛みは感じなかった。
「っっ……。歩くことすらままならないんですね……」
そんな自分の声が虚しく響く――。
その後――あっという間にIS学園の関係者らしき人達に別室へと連行され、既に受かっていた高校への入入学など取り消され、政府関係者やテレビ関連のニュースやらであっという間に世界中に広まってしまった――。
――史上初、男のIS操縦者の誕生――。
あの時、私の運命は確かに違った。だけどISに触れたとき確かに私の運命は変わったのだ。
そして私はIS学園への入学が確定した――。
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