インフィニット・ストラトス 黒剣の死神と謳われた天才 バージョン2
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46話 再会
刀奈との一件から4日が過ぎ、俺は今ジークフリード本社に戻っている。今日はIS学園の企業見学の日である。
「もうIS学園の生徒達は来てるんですよねモニカさん?」
「はい。今は篝火開発主任と鬼灯隊長が二グループに分かれ本社を見学している筈です。しかし、社長。宜しいのですか?シャルロット・デュノアを1人だけ見学させないでまたせて?」
「いいんですよ。本人もそれを望んでいるし、何よりオーギュスト神父も何かと忙しい身ですから」
俺達はデュノアが待っている第六発表室のドアを開け、中に入るとデュノアとバロウ、それと水月が待っていた。
「悪いなデュノア。企業見学させてやれなくて」
「いえ、無理を言って叔父に会わせてほしいっていったのは僕ですから」
「……じゃあ行くぞ。あまり待たせるのは神父に悪い」
俺達は神父が待っている応接室に向かうため、近くのエレベーターに乗り、11階に上がった。応接室の前にくると、俺はデュノアだけ応接室に入れることを伝え、他の三人には他の仕事をするように伝えた。
「さて…オーギュスト神父。シャルロット・デュノアを連れて来ましたよ」
俺は扉を開け、デュノアと一緒に中に入ると、金髪の長髪を後ろで縛って神父服を着ている三十代半ばの男性、オーギュスト・マリオット神父が座っていた。
「ひさしぶりだねシャルロット。見ないうちに大きくなった」
「ひさしぶりオーギュスト叔父さん」
「叔父と姪の感動的再会だが、あまり時間が無いのは確かだ。デュノア、話したいことがあるなら早く言え」
「分かりました。じゃあ叔父さん、いくつか質問したいことがあるんですけどいいですか?」
「もちろん。私はそのためにここに要るのだから」
オーギュストは静かに紅茶を飲みながら答えた。
「一体いつからジークフリード社にいたの?」
「そうだな……二年前、ロロットが死ぬ、一週間前に真理君にここの孤児院で働かないかと誘われた時からだな」
「お母さんが死んだ日からそんなに日が経ってなかったんだね」
「本当はお前の母親も一緒に勧誘する筈だったんだよ」
俺は壁にもつれながら答えた。ロロットさんも優秀な人だからうちに欲しかった。なのにあんなことになるなんて誰も思わなかったな。
「じゃあもうひとつ、叔父さんはISじゃなくて僕の父、アドルフ・デュノアの事を嫌っているって神倉社長から聞いたよ。それは本当なの?」
「……あぁ本当だ。アイツはロロットを、お前の母親を奪った張本人だ」
「え…」
「オーギュスト神父。それは…」
「いや、シャルロットにはつらいかもしれないが、自分の母親の死因は知っておいたほうがいい…ロロットは表向きは一般人だったが本当はデュノア社が買っていた企業スパイだった」
「お母さんが…そんな」
「当然娘のお前に言える筈が無い。そんな時、我々は真理君に出会った。真理君は我々を孤児院を教員として雇い、デュノア社から守ってもらうことになっていたんだ」
「ただその後、デュノアのオッサンがそれに気づいて、俺から情報を引き出せとロロットさんに命令したんだ」
「…そんなの断れば…」
「確かに断れば良かったかもしれない。けど、ロロットさんはそれができなかった……断ればお前の命がなかったからだ。気付かなかったか自分が狙われていたこと?」
まあ気づくわけないか。あっちもプロだし、二年前のデュノアはただの一般人だからな。
「暗い話になってしまったね。そう言えばシャルロット。学校はどうだい?友達はできたか?」
「え、あ、うん。友達は沢山できたよ。それに…好きな人も…」
「織斑一夏君か。そうか……私的にはバロウ君だとずっと思っていたんだよ。小さいころからいつも一緒にいたからね」
「バロウは他に好きな人が要るって昔聞いたことがあるから…」
ハハッと笑うデュノア。バロウも可哀想に好きな奴にこんな勘違いをされてるとは。
「おっと、そろそろ時間だな。デュノア帰るぞ」
「はい。じゃあ叔父さんまたね」
「あぁまた」
俺達は応接室から出て、エレベーターに乗りこみ、第六発表室に向かった。
「デュノアは本当はお前、俺にも聞きたいことがあるだろ」
「はい。いくつかありますが一つだけどうしても知りたいことがあります。一夏についてです。神倉先輩は何か知っているんですよね」
「ああ、けどこっから先は別だ。お前が俺に得のあることをするなら教えてやる」
「そうですか」
エレベーターが目的の階に着いて俺達は第六発表室に戻った。
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