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Angel Beats! the after story

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彼女が教えてくれた希望

あっちの世界での卒業式が始まる少し前、俺はゆりに呼ばれた。
今俺がいる場所は死んだ世界戦線が作戦本部として使用していた場所だ。


「こんなところに呼びだしてどうしたんだゆり」
「あら、案外早かったわね。」
「お前が早く来いって、言ったからだろ。で、話しってなんだ。」
「少し待ってちょうだい、整理してるから」
「あんまり遅くなるとかなでたちに迷惑かけるから早くしろよ。」


これから俺たちは卒業式をする。かなでが仲間になり、みんなが消えた今俺たちがここにいる理由がないからだ。死ぬ前に学園生活を満足に送れなかった俺たちにとって卒業式は特別なことだ。この世界に未練がない今、消えることは簡単だがせっかくだからとかなでが提案して採用されたのだ。
「時間をとって悪かったわね、もうまとまったわ」
今のゆりは初めて会ったときよりも殺伐とした雰囲気やリーダーとしての責任感が消えて今はとても女の子らしくなったと思っている。多分、みんなが消えて組織がなくなり肩の荷が下りたからだろう。


そしてゆりが口を開いた。
「今から言う事を真剣に聞きなさいね。」
「あぁ」
「あなた生まれ変わるなら容姿をそのままにしたい?」
「は?」
「だ〜か〜ら、容姿そのままで生まれ変わりたいかって聞いてんのよ」
いきなりの質問に戸惑ったが一応答えた。
「それが出来るなら、そうして欲しいな」
俺は思ったことをそのまま口に出した。
「そんなあなたに朗報よ、でもその前に少し歩かない。」
「わかった」


どこに向かうかわからないが適当に歩いた。
そしてゆりが口を開いた。
そして俺は、次にゆりが言った言葉に頭が真っ白になった。
「私は黒幕のコンピュータを使い容姿をそのままにできるソフトを見つけてプログラムしたの」
何を言っているかわからなかった。
「どういうことなんだ?」
「そのまんまの意味よ、大丈夫ちゃんと説明してあげるから」


俺たちはいつの間にか外にいた。心地よい風が吹いていて気持ちよかったゆりは風で煽られている髪を少し抑えながら説明をし始めた。
「あなたたちが影との抗争の時、私が黒幕のところに行ってたのは知ってるわね?」
俺は黙って頷いた。


「で、黒幕の部屋のコンピューを片っ端から銃で壊したのも知ってるわね?」
そんな話は初耳だったが一応頷く。


「だけどその中に1つだけ壊れてなかったのがあったの、つい勢いで撃ちまくって少し後悔したけど生きているのがあって助かったわ」
勢いで撃つってどういうことだよ!と言おうとしたのを喉にとどめて続きを聞いた。
「私はコンピュータを起動させ1つのソフトを見つけたの」
「それはなんなんだ?」
「転成ソフトよ」


転成その言葉を聞き色々と考えたが答えは1つしかなさそうだ。
「最初の質問の意味がようやくわかったよ」
「さすが音無くんね。理解が早くて助かるわ」
「具体的にはどんなソフトなんだ?」
「主に消えた後の設定よ」
「設定?」


どういうことなんだと思いながらもゆりの言葉を聞く。
「顔を生前のままにしたり、ある条件を果たしたらこの世界・前世の記憶が蘇るプログラムがあったわ。」
それが本当なら俺にとっては朗報以上の知らせだった。だが確信がない限りそれは信じられなかった。
「確信がない今、それを信じていいのか?」
「それは私にもわからないわ。でもこの世界には神も仏も天使もいない。なら、信じられるのは自分がこうなって欲しいただの純粋な願いだけでしょ」


俺はゆりが言った言葉に腹を抱えて笑ってしまった。
「その通りだな」
俺は笑いながらもゆりの方を見てみると、ゆりは赤面としていた。
「あ〜もう、笑うな 、 私がこういう考えを持ったのは音無くんの影響なの」
「悪い悪いついな。でもそうだよな1番大事なのは確信でも根拠でもない自分がそうなりたいと思う純粋な願いだけだな」


ゆりも俺の言葉を聞いて微笑んだ。
「音無くんは消えたらどうするの?」
もちろん
「誰よりも早く記憶を戻してみんなと会ってみんなの記憶を思いださせるだけど、問題がな」
「言おうとしてることはわかるわ、でも心配しないでちゃんと戦線メンバーをソフトにプログラムしたわ」


本当にうちのリーダーは頼れる。そんなゆりに何回も救われて感謝の気持ちでいっぱいだった。
「ありがとなゆり、君と出会えて良かったよ。
俺の言葉にまたゆりは赤面した。
「ちょっいきなりなに言ってんのよ。」


その驚きようにまた笑そうになったが堪えてゆりの言葉を待つ。
「私もあなたと出会えてよかったわ」
いつの間にか歩いているうちにゆりと出会ったところに立っていた。
「覚えているか?」
「えぇ。あの時は大変だったわね」
「あぁ」


俺はここでゆりに会い、戦線のメンバーになった。
数多くのオペレーションをこなしている時は楽しかったでも今はもう戦線メンバーも俺を含めて4人しかいない。
だがいいんだ。今日卒業して生まれ変わってまたみんなと出会い楽しく過ごせる時間が来ることを信じて。
そう思っていると体育館の方から声が聞こえた。


「おーい音無、ゆりっぺ始めるぞ〜」
「音無さーん早く来てくださいよー」
「ゆりちゃーんはーやーく」
今残っている戦線メンバーとかなでの声だった。


「さぁ音無くんみんなが待ってるようだし行きましょ」
「あぁ」
俺はみんなのところに向かって走りながら思った。


必ずお前らを探し出して記憶を思い出させてやる。
その時まで待っていてくれ。
みんな








 
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