古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
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教師
「ねぇ、ラブシーンしてるのはいいんだけど、好い加減にしてよ」
アルクはキョウスケと千冬が抱き合っている横で二人を呆れたような目で見つめている。その視線に気付いた千冬は大慌てでキョウスケから離れて顔を赤くしながらも咳払いをする。
「ア、アルクもいたのか。久しぶりだな」
「あ~はいはい久しぶり、よくもまあ私が目に入らなかったわね。流石は戦乙女です事、お兄ちゃんに依存っという所ですか」
「~~っ!!!別にいいだろう!?もう何年も会えていなかったし声さえも聞けなかったんだぞ!?愛するキョウスケに!そんなキョウスケに久しぶりに会えてそれが嬉しくて堪らないんだ、悪いか!?」
千冬は顔を真っ赤にしながらもアルクに自分の気持ちを素直にぶちまけた。がアルクはニヤニヤと悪い笑みを浮かべていた。
「へぇ~愛するキョウスケねぇ~。それを聞いた感想はどうお兄ちゃん?」
「嬉しくはあるが出来れば、そういう言葉は二人っきりの時にいって欲しかったな」
「~~~っ!!!ううううるさい!!職員室に案内するから付いて来い!!」
千冬は顔をトマトよりも赤くしながらも嬉しそうな顔をしながら校舎に向かって歩き出す。アルクとキョウスケも肩を竦めて荷物を持ち直してその後を追った。
「それで一応聞いておくんだが、スーツとかはあるのか?」
「「持ってきてない、指定されてなかったし必要ともいわれなかったし」」
「…相変わらずだな二人とも」
「キョウスケ・ナンブだ」
「アルクェイド・ナンブ。宜しくね」
職員室に到着したキョウスケとアルクは早速職員室で自己紹介を行った。その際に職員室に居る教師が軒並み硬直したのはいうまでもないだろう。元とはいえ、世界最強と呼ばれた戦武人が目の前に立っているのだ。体が硬直してしまわない方が可笑しいだろう。現役を退いたとはいえ今でもキョウスケの熱狂的なファンは多く、ある意味神格的な信仰さえも集めてしまっている。まあもうキョウスケは神のなのだが。そしてそのキョウスケの妹、キョウスケとともに2対7っという不利な状況を物ともせずに相手を圧勝して見せたアルク。この二人の学園への赴任はある意味恐怖だろう。
二人は職員室で必要な書類を片付け、アルクは自分に割り振られた部屋へとさっさと向かってしまった。どうやらかなり眠いらしく寝られなかった分寝るそうだ。キョウスケも荷物を持って自分の部屋となる教員室へと向かった。職員室を出る際に千冬に耳打ちで
「夜に俺の部屋で一杯やろう」
っと声を掛けながら去っていった。その時の千冬の顔が喜びと恥ずかしさで少々赤かったのはご愛嬌。キョウスケはさっさと自分の教員室を見つけ出し、中へと入った。それなりに広く、綺麗な部屋だ。生活するのには申し分ない部屋だ。早速荷物の整理をしようとしていた時、キョウスケのバックがモゾモゾと動き始めた。キョウスケは不審に思いながらもバックのファスナーを開けると…
『ぷはぁ!苦しかった~』
「…おい、何でお前がいる、ブロンデー」
バックから顔を出したのは黄色い身体に赤い頬っぺた、先端が黒い耳に黄色い尻尾を持つ実に可愛らしい子だった。顔を出したのはキョウスケのある意味もう一人のパートナーといえるかもしれないねずみポケモンのピカチュウだった。以前に訪れたポケモンの世界でキョウスケに極度に懐いてしまったので仕方が無く神界に連れて帰ったポケモン。それからはキョウスケのペットのような扱いを受けている。
『だってキョウスケが面白そうな世界にいくからついていこうと思ってさ、ずっと荷物に潜り込んでたんだ』
「はぁ、お前という奴は…今更神界に戻す訳にはいかんし…しょうがないな」
『やったぁ!』
ブロンデーは笑いながらキョウスケの肩に飛び乗った。キョウスケは困ったような顔をするが笑っているようにも見えた。そのまま外に出て職員室でブロンデーを部屋に置く了承を貰い、再び部屋に戻った。その際に千冬は居なかったがブロンデーを見たらさぞかし驚くだろう。
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