転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0419話
ナギ・スプリングフィールド杯の優勝を決めた翌日。俺の姿はリュボースの手配したホテルではなくグレートパル様号の中にあった。
オスティアの廃都で旧ゲートポートを探していた面子が帰還したのだ。それを探索隊に参加していた円や美砂からの『念話』により知らされたので影のゲートを使ってネギパーティと合流した訳だ。
そして……
「アクセル君、ちょっと遅れたけど優勝おめでとう!」
皆が集まっている部屋に入った途端、美砂に抱きしめられて祝福されるのだった。
「うわっ、せっちゃんせっちゃん。美砂ちゃんって大胆やなぁ。うちも無事帰還のお祝いにせっちゃんに抱きついてもええ?」
「ちょっ、お嬢様!?」
そして近衛もまた桜咲へと抱きつき。
「けっ。ネギといいアクセルといい、なんで麻帆良の男は軟派な奴が多いんや。こんなん相手に負けたとか信じられんわ」
「コタロー君、もしかして羨ましいの?」
「ちゃうわいっ! 夏美ねーちゃん変な事言わんといてや」
小太郎と夏美のそんな漫才を眺め。
「ちょっと、美砂。あまり抱きつくとアクセル君に迷惑でしょ。程々にしときなさいよ。……アクセル君、ちょっと遅れたけど優勝おめでとう」
「非常に残念です。出来ればアクセルさんが優勝するシーンをこの目で見て記憶領域に保存しておきたかったのですが。しょうがないのでまほネット経由で動画データを……」
円と茶々丸にそう言われ、ネギパーティの方でも再会の喜びを一通り済ませた後にいよいよ探索結果の報告に入る。
「さぁ、これが白き翼+αの探索結果だよ! 血と汗とその他諸々の乙女のエキス的な色々とアレでソレな結果だ!」
何やら不穏な事を喋りつつ早乙女がテーブルの上へと色々と描かれた地図を広げる。
その地図にはゲートポートがあると思われる位置が明確に特定されていた。
「地図の左上。かつての空中王宮の中央部にゲートポートがあると思われるわ。……いやぁ、苦労したわよ。東京23区より広い場所を探索した上に、エンカウントする敵は全部が全部中ボスレベル。どこの隠しダンジョンだって話よね。実際、多分私達だけじゃ探索は成功していなかったでしょうね。アクセル君から派遣して貰ったクギミンと美砂、茶々丸さんがいないと一時撤退してた可能性も十分あるわ」
「クギミン言うな!」
「と、いつもの突っ込みが入った所でさらに重大な発表を。地図の左下にある星印の付いてる場所から茶々丸さんが白き翼のバッジ2つの反応をキャッチしたわ」
残り2つ? それはつまり……
「ゆえとアーニャちゃん、見つかったんか?」
近衛の言葉に早乙女が頷く。
「そう、多分ユエとアーニャちゃんはそこにいると思われるわ」
「……え?」
だが、そんな早乙女の言葉に意外そうな声を上げたのはネギだった。
しかしそれも俺の耳に微かに聞こえた程度の小声だった為か、他の者には聞かれなかったようだ。『じゃあ、あの時に会ったのは夕映さんじゃなくて違う人だったのかな?』という口の中で呟かれたその言葉から察するに、恐らくネギは綾瀬に似た人物を見た覚えがあったのだろう。
「けど、なんでオスティアの廃都なんて場所にその2人がいるんだよ」
「ちうちゃんナイス質問。私もそれが気になったからさよちゃんに偵察に行って貰ったんだけど……ほら、オスティア祭初日にフェイトの仲間らしい奴等に襲われたでしょ?」
「あぁ、調を捕らえた時の話だな。宮崎のおかげで数人分の能力や名前を入手出来ているが」
「そうそう。で、その時に他の人達も襲われたけど、それらの情報と突き合わせると暦と環って2人がユエ達が捕らえられていると思われる場所に入っていくのを見つけたのよ」
「……つまり、地図の左下にあるこの場所がフェイト達のアジトって訳か」
俺の言葉に頷く早乙女。
やはり捕まっている親友が心配なのかどこかその顔には憂いの色がある。
「敵組織に捕まってるユエにアーニャちゃん。これはやっぱり18禁的な内容に……」
ああ、うん。早乙女にその辺を期待した俺が馬鹿だった。
チラリと近衛へと視線を向けると、分かったという風に頷き懐からトンカチを取り出して早乙女の頭へと振り下ろす。
「痛っ! ちょっ、木乃香!?」
「あんまりふざけてると、うちのトンカチが火を噴くで?」
「火!? アクセル君じゃないんだから……あ、ごめん。分かった。真面目にやるからそのトンカチを仕舞って」
そんなバラエティ的なやり取りをしている2人を横目に、フェイトの行動を考える。その2人を捕らえたのはいい。だが、何故殺さない? いや、そもそもフェイトが殺意を明確に表したのは俺だけだ。その辺は前から多少気になっていたが……あるいはその辺に奴等の根幹があるのかもしれないな。
「フェイト達の行動はともかく、夕映さんとアーニャの居場所が分かったのは朗報です。結局どう転んでもフェイト達と関わり合うのは避けられないようですが……それでも、僕達の目標は全員が無事に現実世界に帰る事です。もちろん完全なる世界を放ってはおけませんが、向こうが今日明日にでも魔法世界を滅ぼすのでも無い限り戦闘を極力避ける方針で行きます。精鋭がフェイト達のアジトに秘密裏に侵入。夕映さんとアーニャの2人を救出してハルナさんが見つけてきてくれた遺棄されたゲートポートへ急行してゲートを使い現実世界に戻ります」
……ほう。
そのネギの判断に思わず感心する。つい昨日まではフェイトを絶対に許せない、あるいは倒すと言い張っていたネギが一晩でこうも変わるとはな。あるいは闇の魔法に関する事で昨日俺が言った話が影響しているのかもしれないが……まぁ、その辺はネギの判断なんだから俺がどうこう言う必要はない。
「脱落者を1人も出さずに帰りましょう。懐かしの麻帆良学園へ!」
ネギの言葉に、その場にいる皆が決意を露わにする。それはあやか達も同様だ。
「作戦開始は30時間後。上手く行けば明日か明後日には現実世界へと戻っていると思います。……アクセル君もそれでいいんだよね?」
「ああ、もちろん。俺がこの魔法世界で探したかった物は既に手に入れてるからこっちに残る意味というのは殆ど無いな。稼いだ金でマジックアイテムを色々と買い漁っておきたいが、それに関しては30時間もあれば十分だし。……1つ悔いが残るとすれば、召喚魔法の契約をグリとしか結べなかったって所か」
「……アクセル君、あのグリフォンドラゴンの突然変異がいれば十分だと思うよ……」
呆れたようにそう呟くネギだったが、意外な所から反対意見が出る。
「甘い、甘過ぎだよネギ君。折角ファンタジー世界に来たんだからもっとこう、空想上の生物と召喚契約を結びたいというアクセル君の希望はおかしなものじゃないよ。出来れば美形の男エルフとか、野性的な狼の獣人とか、男臭い中年の……」
「近衛」
「はいな」
早乙女に最後まで言わせずに、その頭部へとトンカチが襲い掛かる。
「ちょっ、待って待って。せめて最後まで言わせて!」
「しゃらっぷや。えいっ!」
可愛らしく言ってはいるものの、そのトンカチが振り下ろされる速度はかなりのものであり、一撃で早乙女を鎮めたのだった。
冷や汗を垂らしつつそんな早乙女を見ていたネギは、取りあえず置いておく事にしたのか他の皆に向かって告げる。
「さっきも言いましたが、作戦開始は30時間後。それまでは各自休憩しておいて下さい」
「ねぇ、ちづ姉。フェイトって?」
「あら、小太郎君から聞いてないの?」
「え? あ、うん。敵がいるっていうのは聞いてるけど詳しい事は殆ど」
「そうなの。……ネギ先生、この際ですので事情を知らない子達に完全なる世界に関係する話をしたいと思うのですがよろしいでしょうか?」
「えーっと……はい、そうですね。敵対する相手に関しては知ってた方がいいでしょうし」
「なら私にも一枚噛ませて貰おうかな」
ガバリ、とゾンビの如く蘇った早乙女がネギへと覆い被さるようにして復活する。
「うわっ、ハルナさん!?」
「事情説明するにしても、那波さんじゃアクセル君サイドの事しか知らないでしょう? ならネギ君サイドの説明は私に任せて」
「そう、ですね。……確かに。分かりました、まき絵さんを含めた皆への説明は那波さんとハルナさんにお願いします。僕はちょっと用事があるので」
「OK。カモっちもこっちね」
「ん? 何で俺っちを?」
「まーまー。いいからいいから。こんな美少女と一緒に過ごせるんだからオコジョ冥利に尽きるでしょ」
そういう風に言いながら、那波と早乙女はカモを連れて、事情を知らない面々と一緒に移動していく。
「アクセル君はどうするの?」
その背を見送っていた俺へと円が声を掛けてくるが、俺の予定はもう決まっていた。
「さっきも言ったようにマジックアイテムの買い漁りだな。何しろ300万ドラクマ近くも軍資金があるしな」
そもそも俺が魔法世界に来た目的は不老のマジックアイテムを手に入れる事だった。それは意図せずしていきなり入手出来たのだが、どうせならより多くのマジックアイテムを入手しておいた方がいいだろう。
……断じて、レモン達に対する賄賂という訳ではないと言い切らせて貰うが。
いや、純粋に技術班達にしてみればまさに未知の存在である魔法だ。熱狂する程にのめり込むと思うからせめて技術班全員に渡る分くらいのマジックアイテムくらいは入手しておきたいんだよな。……ホワイトスターに戻れるかどうかってのは超が修理してくれたマーカーがどれくらいこの世界の位置をリュケイオスに発信してくれるかに掛かってるんだが。
そもそも既に俺が魔法世界に来てから約2ヶ月。もしかしたら既にマーカーを辿って麻帆良にレモン達がいる可能性も考えられるか。……うん。レモンやマリュー、コーネリア用に使えそうなマジックアイテムを大量に買っておいた方がいいな。
一応修学旅行としての報酬で転移札に関してはかなりの数があるが、あれは使い捨てだからおいそれとは渡せないし。
頭の中でそんな風に考えると、美砂と共にショッピングに向かうという円達と別れて、俺はいつものローブを被って影のゲートで出掛けるのだった。
「いらっしゃい。今日はオスティア祭記念でサービス品がたくさんあるよ。どうだい? ローブの兄ちゃん」
「そこにある杖を5本、腕輪を10個、指輪を20個くれ」
「……本気か? 幾らオスティア祭だからって割引にも限度があるぞ?」
胡乱気にこちらを見る店主の目の前へと空間倉庫からドラクマの詰まった袋を取り出してドサリ、と置く。
「おい、これ……」
「見ての通り本物だ。で、売ってくれるのか?」
「あ、ああ。もちろん。貰う物さえ貰えれば文句は言わないさ」
唖然としながらも杖や腕輪、指輪といった魔法発動体を包んでくれる店主。俺はそれを受け取っては空間倉庫へと収納していく。
「そう言えば、魔法の初心者用の教本とかは売ってないのか?」
「あー、そういうのはここじゃなくて書店だな。大量に買い物をしてくれた上客だ。よければ俺の弟がやってる書店に紹介状を書いてもいいけどどうする?」
「あぁ、頼む」
「よし、ちょっと待っててくれよ」
そう言い、素早く手紙を書き上げる店主。
「はいよ。店の前の大通りを真っ直ぐ左の方に進んで、仮契約屋の所を右に曲がってそのまま進めば左側に見えてくる筈だ。アセーロ書店って看板が出てるからすぐに分かるだろう」
「助かった」
礼を言い、教えられた通りに書店へと行って魔法書を手当たり次第に買い漁る。
何しろ軍資金が軍資金だから、めぼしい魔法書は全部買って空間倉庫へと放り込んだ。
そしてそのまま他の魔法屋を探して大通りを歩いていると、ふと人混みが集まっている場所があるのに気が付く。
目的の物を手に入れた為に気分が良かったというのもあるのだろう。好奇心に負けて覗いてみると……その言葉が聞こえてきた。
「かつて自らの国と民を滅ぼした魔女、災厄の女王。アリカ・アナルキア・エンテオフュシアの遺児……と」
その言葉を口にした20代程で陰険そうな顔付きをした男の視線の先にはネギの姿があった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:15
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
混沌精霊
撃墜数:392
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