Angel Beats! the after story
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いつの世界でも変わらない俺らのリーダー
俺はかなでに腕を引かれ歩き出して、もう300mぐらい歩いたら着くところまで来た。
目的地に着く前に俺はかなでの友達がどんな人なのか知りたくって聞いてみた。
「なぁ、かなじゃなくって、君の友達ってどんな人なの?」
危なかった。あっちの世界にいた時は俺は名前で呼んでいたから、つい癖で名前で呼びそうになってしまった。
あっちからすれば、まだ会って10分ぐらいしかたってないのにいきなり名前で呼ばれたら驚くわな。
これからは気をつけようと考えていたら、かなでは優しく答えてくれた。
「私の友達ですか、そうですね〜面倒見がよくって、とても頼りになるお姉さんみたいな人です。」
「ふーん、そうなんだ。いい人なんだね。」
「はい!」
友達のことを褒めた時のかなではとてもうれしそうでまるで、自分のことでもあるかのように喜んでいた。
(あっちの世界でもそうだったけど、ほんとに友達思いなんだな。)
俺がそんなことを思っていると目的地に着いたらしく、かなでが友達のところへ走って行った。
「おくれてごめんね〜行く途中で色々あって」
かなでがそう言い終えると同時にかなでの友達が少し怒りながら文句を言ってきた。
「も〜何分待ったと思ってるのよ。あんたから誘って来たのに」
「だからごめんってばー」
女の子らしいほのぼのとしたやりとりが数回行われた後、かなでの友達が俺に気付いたらしくかなでに聞いてきた。
「ねぇ、ところで後ろの人は誰?」
その反応は予想はしていたけれど、いざ少し冷たい目で見られるのはしんどい。
「あっこの人はさっき駅の近くで知り合った人だよ、ここの麻婆ストラップを持ってたから誘ったの。」
「はぁ〜あんたってほんと警戒心のカケラもないのね。」
かなでの友達が呆れながらも提案した。
「まぁいいわ、かなでが連れてきた人だから悪い人ではないわね、ところで立って話すのもなんだし中に入りましょ。」
「うん」
「で、あんたはそれでいいの?」
「ああそれでいいよ」
「じゃあ決まりね。入りましょう」
そう言い店の中に入って行った。
俺はかなでの友達が誰かに似ているような気がして考えているとかなでが声をかけてきた。
「先に行っちゃいますよ。」
そう言われ俺は急いで店の中に入っていった。
店の中はどこにでもある食堂みたいな造りになっている、お昼時のせいか中にはたくさんの客がいた。
そのほとんどが、30代のおじさんやサラリーマンが占めている中をかなでたちは堂々と歩き空いている席へと座った。
俺も奏たちの後をついていきテーブル席に座った。
「相変わらず混んでるわねここ」
男性客の多さにかなでの友達は少し嫌そうだったけどそんなことを気にせずかなではメニューを見るのに必死だった。
今の俺らの席割りは俺の前にかなでとその友達という席割りになっている。
「二人とも何食べるかもう決めた?」
かなではもう決まったのだろう。俺たちは慌ててメニューに目をとおした。
「じゃあ〜私は野菜炒めでいいわ」
「俺は麻婆豆腐で」
俺が麻婆豆腐と言ったとき奏は少し嬉しそうだった。
「すみませ〜ん注文お願いしま〜す。」
そう言うと店員がすぐに来てメニューを聞いてきた。
「野菜炒め1つと激鬼辛唐辛子10倍麻婆豆腐2つください」
かなでがメニューを言い終えると店員は少し驚いた顔をしていたがすぐにいつもの営業スマイルに戻った。
そりゃ〜驚くわな、可愛い女の子がここの麻婆豆腐を頼むなんてよっぽどのことがない限りないからな、俺もここの麻婆豆腐を完食したからわかるが名前以上に辛かったのを覚えているがあっちの世界の麻婆豆腐を食べていたおかげでなんとかなったがまた食べるとは思わなかった。
考えるのを止めるかのようにかなでの友達が声をかけてきた。
「あの、この娘のわがままで迷惑かけてないでしょうか、この娘いつもこういう感じだから心配で」
「そんなことはないよ、彼女よりも俺の方が迷惑をかけたんだよすまん、だから彼女は迷惑なんてかけてないよ
それに君の友達は本当に思いやりのあるいい人だよ。」
「そうですか」
彼女もかなでと同じように友達を褒めらることは自分にとって嬉しいことらしい。
かなでの言うとおりかなでの友達はお姉さんみたいな印象を持っていた。
「あっ」
彼女は何かに気づいたらしく声を上げた。
「そういえば、自己紹介まだだったわね」
「そういえばそうだったな」
お互い自己紹介をしようと思ったときに、ちょうど店員が頼んだ料理を持ってやってきた。
「麻婆豆腐の方はどちらで?」
「それは、私とそっちの方です、野菜炒めは私の隣です。」
かなでがそう言い終わると店員は慣れた手つきで料理を置きかなでは麻婆豆腐が置かれたと同時に食べ始めていた。
かなでの友達は、野菜炒めを食べる手を止めた。
「あらためて、自己紹介しましょ。」
「そうだな、俺からでいいか?」
「いいわよ」
「俺の名前は音無 結弦、医科大に通ってる。」
「以外だわ大学生だったのね。」
かなでの友達は驚いた顔をしていた。
俺って大学生に見えないかと思うと少しショックだった。
「次は私たちね、今夢中で麻婆豆腐を食べているのが、私と同じ高校に通ってる立華 かなでっていうの
で、私の名前は仲村 ゆり彼女と同じで高校3年生よ」
またしても、俺は衝撃を受けた。
こんなところでゆりに会えるなんて思わなかった俺は硬直した。
言われてみれば、髪を伸ばしていて気付かなかったが、少しつり上がった目や口調があっちの世界と同じことに気がついた。
ゆりはいきなり固まった俺を少し心配そうに見ていたが俺はゆりに俺らのリーダーに会えたことが何よりも嬉しかった。
「ちょっ、何いきなり泣いてるよの」
ゆりがそう言い目元を拭った、この行動は今日で2回目だがやっぱり涙が止まらなかった。
「どうして泣いてるのよ、あんた男でしょ女の子の前でいきなり泣かないでよ。」
きついことを言いながらもハンカチを渡すあたりがゆりらしかった。
「ごめん、あまりにも麻婆豆腐が辛くて」
「それ、そんなに辛いのよくかなでは食べられるわねってもう完食してるし」
食べ終わったかなではとても満足そうな顔をしていた。俺も少し落ち着いたからもくもくと麻婆豆腐をたいらげる。
それから少しした後みんなが食べ終わり、店から出た。
「う〜食べた食べた、また来ようねゆりちゃん」
「ほんとあんたここの麻婆豆腐好きだよね」
呆れているように見えているけど俺にはとても幸せそうに見えた。
「音無さん、今日は付き合ってくれてありがとうございました。こっちからお願いしたのに、奢ってもらってありがとうございます。」
かなでがそう言い、続いてゆりが言う。
「今日は楽しかったわ。ありがと音無くんまた一緒遊びましょう」
「あぁ、 俺も今日は楽しかったよ、また誘ってくれないか?」
「いいですよ。次はどこの麻婆豆腐がいいですか、オススメは」
「ストップ、ストーップ」
かなでが麻婆豆腐のことを話し始めたのをゆりが止めるとゆりがケータイを取り出した。
「また遊ぶには、連絡先が必要でしょだから交換しましょほら、かなでもよ」
かなでもケータイを取り出した。俺もポケットからケータイを取り出し赤外線通信でメアドと電話番号を交換した。
「これでよしっと、いつでも連絡して頂戴、暇つぶしぐらいなら相手してあげるわ」
「音無さん、また連絡するのでその時はまた遊びましょうね。」
2人がそう言い俺も答える。
「俺のケータイにもいつでも連絡してくれ、相談ぐらいなら好きなだけ乗ってやるからさ」
俺がそう言うと、2人ともクスクス笑って言った。
「じゃあそのときはお願いしますね」
「あなたに相談なんしないとわ思うけどそのときはお願いね」
こんなんでもないやりとりがあっちの世界に戻ったような気がした。
「じゃあ、私たちはこのへんで、さよなら音無さん」
「じゃあね音無くん」
「あぁ、またな」
そう言い俺たちそれぞれの帰路についた。
後書き
奏からかなでに変えました。
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