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万華鏡

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第四十二話 運動会前にその七

「本当に幾らでも食べられるわ」
「いいよな、柿は」
「柿で作ったお菓子もね」
 景子は和菓子の話を出してきた、話しながら茸の味噌汁を飲んでいる。その茸は椎茸である。
「あれもいいわよね」
「山月堂でもそろそろ出て来るわね」
 里香は自分の前にいる景子に応える。景子の右手に美優がいて里香の右に琴乃がいる。
「柿のお菓子が」
「柿羊羹とかね」
「そういうの出て来るわね」
「そっちも楽しみなのよ」
 景子は目を細めさせて四人に言った。
「特に柿のゼリーね」
「和風のあれね」
「寒天を使ったのがね」
 特に好きだというのだ。
「うちでも大人気なのよ」
「ああ、その話聞いてたら」
 どうかとだ、彩夏はにこにことしてこんなことを言い出した。
「柿もね」
「食いたくなったんだな」
「お菓子でもね」
 そうだとだ、彩夏は再び美優に答えた。
「是非ね」
「柿もいいからな」
「干し柿もいいわよね」
「そうそう、あれもさ」
 美優は目を細めさせて彩夏に応えた、その間も箸は動いている。
「いいよな」
「そうよね」
「秋は柿もあるし」
「本当にいい季節よね」
 お菓子のことも含めて笑顔で話す五人だった、プラネッツの面々は秋も楽しもうとしていた。そうしてであった。
 そのゆるキャラについてだ、部長が会議の場で言った。
「後はどのゆるキャラにするかをね」
「決めてですね」
「顧問の先生にお話するだけですね」
「そう、それだけよ」
 本当にそれで終わるというのだ。
「後は理事長さんがそれぞれの系列の企業から取り寄せてくれるから」
「その着ぐるみをですか」
「そうなのよ」
 本当にそれだけだというのだ。
「楽でしょ」
「楽っていいますか何か」
「展開早いですね」
「普通の学校だとこうはいかないわよ」 
 ゆるキャラに扮しての仮装リレーをするにしてもだというのだ。
「それもね」
「申請と許可が大変だから」
「それで、ですよね」
「そうよ、うちの学校だから出来るのよ」
 八条グループが経営する八条学園だからだというのだ、学校法人という扱いで経営している。
「申請と取り寄せは数日かかるみたいね」
「それでどのキャラがいいかですか」
「それを今決めるんですね」
「早い方がいいからね」
 こうした申請は特にだというのだ。
「だから今決めるわよ」
「キャラは幾つなんですか?」
 一年生の一人が右手を挙げて部長に尋ねる。尚今は女子軽音楽部の面々だけだ。男子は男子で話しているのだ。
「それで」
「五つよ」
 それだけ頼むというのだ。 
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