| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第6章:女の決意・男の勘違い
  第2話:ソックリなのは顔だけ。下は……見てないから判らない。

(ロザリーヒル)
ビアンカSIDE

結論。
あんなのリュカじゃない!
顔も声もそっくりだが、根暗でイライラする。

(ジャングル)の中で小一時間問答をし、顔と声だけ似てる根暗野郎が魔族の王『デスピサロ』と言う名前だと分かった。
そして襲われてた少女エルフが『ロザリー』と言う名である事も分かった。

3人のクズ野郎が言ってた『ルビーを独り占め』と言うのも、彼女(ロザリー)が流す涙がルビーである事から理解出来た。
だが、この根暗野郎が何故こんなにも人間に対し憎しみを抱いているのかが解らない……

ロザリーが私の事を恩人であると説明してるのに、人間は信じられないと言い張り今にも私を切り殺そうとする根暗野郎……本当にイライラするわ。
顔と声がリュカに似ているから、そんな了見の狭い事を叫くコイツに心底イラつく!
その面でそんな情けない事言うんじゃないわよ!

私としても嫌われている奴の側に居るのは不本意なので、異時代からやって来たことを説明し、一番近くの村か町(人間の住んでる場所)が何処か聞くと、『そうやって他の人間共にロザリーの居場所を知らせに行く気だろう!?』と、身勝手な因縁を付けてきて私を解放しない。
この馬鹿どうすれば良い?

私に惚れたから離したくないとか言うなら“コイツも可愛いとこがあるじゃない”と、多少なりとも甘えさせてやろうと思えるんだが、言う事が陰湿かつ身勝手だから股間を蹴り上げてやりたくなるのよね。
女好きで困ったちゃんだけど、フレンドリーだから同じ面ならリュカの方が良いわ。

そんな遣り取りを終え連れてこられたロザリーの部屋……ほぼ軟禁状態だ。
何で大好きな女の子を軟禁してるんだあの根暗? やっぱヤバイ奴?
だが次の奴の言葉で、この軟禁理由が判明する。

「ここなら人間共は簡単に近付く事が出来ない……この村は知られてないし、この塔には特殊な方法でしか入れないからな。だがロザリーが一人で寂しいのも理解している。だから人間の女……お前がロザリーの相手をしていろ! それが嫌ならこの場で殺す」

ムカツクわコイツ……
可愛い顔で『ビアンカぁ~お願い♡』って頼み込めば私もメロメロ承諾しちゃうのに、基本的に頭ごなしだ。
根暗・陰険・横暴……これで暴れん坊将軍がリュカ並だってなら、ちょっとはヨダレが出ちゃうけど……いや違う!

兎も角コイツは好きになれない。
ロザリーは欲深い人間に狙われてるし、守りたい気持ちはよく解る。
軟禁状態が不本意なのも理解出来るし、話し相手的に私を幽閉するのも理解してやる。

だけども態度がムカつくのよ! 面が同じだから余計にムカつくのよ!
少しでも下手に出てれば、私だってロザリーの為に協力するわよ……えぇ喜んで!
でもアイツの態度が許せないから、私なりの……いや、我が家なりのお仕置きをしてやろうと思う。

「解ったわ……私は人間で、アンタは人間を信用出来ない。でもロザリーは私を信用してくれてるし、話し相手として側に置いときたい。良いわ、ロザリーの為に私もこの部屋で幽閉されてあげる。でもね、私は身一つでこの時代に召喚されてきたの……着替えすら持ってないのよ! 買いに行くからお金と、買える場所まで連れて行きなさいよ!」

「ふざけるな人間! そう言って逃げ出し、ロザリーを捕まえる為の仲間を連れてくるんだろう!? 騙される訳ないだろう馬鹿が!」
本当にムカツクしゃべり方するわね……あ、でもリュカが他人を怒らす時は、もっと辛辣な口調をしてたわ。それを考えるとコイツはまだまだね(笑)

「馬鹿はアンタよ! 私に四六時中裸で生活しろと言うの!? それってアレかしら? 人間の美女を見つけたから、ロザリーとは違う雌奴隷として好きな時に犯せる穴を用意したって事? イヤだわ男って……結局女を犯す事しか頭にないんじゃない! ロザリーを犯そうとしてた連中と同レベルね、結局」

う~ん、我ながら素晴らしい口調だったと思うわ。
リュカの側でリュカのやり方を見て、それを真似する娘から学んだリュカ家の煽り術。
息子は苦手みたいだけど、二人の娘は着実に習得している煽り術。

「ふざけるな人間……よくもまぁ下品な事が口から出てくる。キサマの様な汚らわしい女と目合(まぐわう)訳がないだろ! キサマの裸なんぞ見たって、欲情などせんわ! 見窄らしい裸を晒してろ!」

「ほほほっ、彼女(ロザリー)の前ではそう言うしかないわよね……大丈夫よ、私は男を理解してるんだからね。でも貴方が私に服を着させない理由なんて、ある特定の事柄からしか思いつかないのよ……だってアンタも男だから(笑) 別に責めてる訳じゃないのよ……男なんだから仕方ない事だし。大丈夫、解ったわ……私も殺されたくないし、一緒に生活をしてロザリーを説得してあげるからね。何時でも好きな時に私を押し倒しなさい……それで私の命の保証が出来るなら安い物よ」

ここまで言われて私を裸で生活させるのは、私の言い分が正しい事の証明になる。
更に言えば、私は命が惜しいとハッキリ訴えた……その為にこの根暗に協力するとも訴えた。
それなのに私を殺せば、私を信じたロザリーへの裏切りに相当する。
彼女に嫌われたくない根暗は、私の意見を無視出来ないだろう。

「く、くそっ……解った、お前の代わりに俺が買い物をしてきてやる。必要な物をリストアップしろ!」
第一段階成功ね。
だが我が家流のお仕置きはこの程度じゃ終わらんのですよ。

「アンタ馬鹿じゃないの!? 私はこのボディーラインを保つ為に、一際努力をしてんのよ! 今後必要な物の大半が、それらに属する重要アイテムなの! アンタ私が事細かに指示した下着を、町に行って大量に購入出来るの!? 女性用の下着店に行って、サイズや種類・色・形・デザインを店員に説明して買ってこれるの? 女性物の下着を事細かに指定し購入する変態男として、店の女店員に白い目で見られても問題なく過ごせるの!?」

どうだ恥ずかしいだろう。
女物の下着を大量に購入するなんて、並の男に出来る芸当じゃない。
女の扱いに慣れたリュカの様な“たらし”でもない限り、事細かに購入商品の説明をして下着を買う事何て出来ないわ!

「わ、解った……ただし逃げ出さない様に俺が見張ってるからな! キサマが逃げようとしたら、その場に居る人間共も道連れに殺してやるからな!」
ふっふ~ん! お馬鹿なボウヤね。私がアンタに仕掛ける嫌がらせは、まだまだ序の口なのよ……
逃がしておけば良かったと後悔するまで、アンタの側に居てやるんだから。

「それで十分よ……私の生活必需品が購入出来るのなら、見張られたって問題ないし、ロザリーの為に逃げ出す気は微塵も無いわ」
「ふん! サッサと行くぞ人間……」

「えぇ……じゃぁロザリー、ちょっとだけ買い物に行ってくるわね。必ず貴女の下に帰ってくるから心配しないで。それより何か欲しい物はある? お土産として買ってくるわよ」
人質というのは必ずしも側に居る必要はない。

この二人の様に、互いに愛し合っているのであれば、片方の(この場合ロザリー)心に住み着けせれば良いだけ。
私の存在を必要とさせ、出かけても戻ってくると約束し信じさせれば、根暗は私を殺す事が出来なくなるはず……
リュカが以前教えてくれた人心掌握術の一つよ。

「ありがとうビアンカ……でも大丈夫よ、欲しい物なんてないから。それより貴女が戻ってきてくれる事の方が嬉しいの」
この言葉を待ってました! これで根暗は私を殺す事が出来なくなった。
私が逃げ出したのなら話は変わるが、目障りだからと言う理由で私を殺してしまっては、大切なロザリーを悲しませる事に繋がる。ルビーの大量生産は見たくないだろう。

「そう……じゃぁ何か適当に見繕って来るわね。私のお土産センスに期待しててよね」
根暗が一際不機嫌な顔で私を睨み付けている。
気付かないフリして奴と共に外へ出ると、大きな飛龍が目の前に現れた。
根暗が言うには『フェアリードラゴン』と言うらしい。

どうやらこれに乗って近隣の町まで飛んで行く様だ……
まぁ町の近くまで乗り付けて、そこから歩いて町に入るのだろうけど。
そんな事を考えてたら、根暗はサッサと飛龍に乗り私を置いて浮かび出す。
おい、私はどうするんだ?

そんな事を思い怪訝な表情をしていると、飛龍の大きな手(足?)が私を鷲掴みにし、勢いよく大空へと舞い上がった。
うそ……何よこの状況は!?
飛龍の背中に乗せるんじゃなく、手(足?)に掴まれ宙づり状態!?

これなら嫌がらせでスピードを上げるラーミアの背中の方が幾分マシよ!
いや、アレはアレでやっぱり辛いから却下するわ!
つーか、もっとマシな運び方しなさいよ!

ビアンカSIDE END



 
 

 
後書き
すみません……

友人が「面白いから観てみろ」と海外ドラマのDVDを紹介してくれちゃった為、今週は全然書いてません。
ちょっとばかし更新が遅れますけど広い心でお許しください。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧