ヘタリア大帝国
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TURN93 怪獣軍団その五
モンゴメリーは乗艦であるオークの艦橋で難しい顔で言った。
「この状況でこれ以上戦闘を続けようとも」
「勝てないね」
マリーがモニターに出て来て応える。
「これじゃあね」
「はい、戦局が変わりました」
「パルプナちゃんがね」
「パルプナ嬢、ご無事ですか」
「はい・・・・・・」
パルプナはオークのモニターにも出る、見たところ怪我はない。
だが浮かない顔でこうモンゴメリーに言った。
「ですが怪獣達は」
「いいです、こちらも無理をして戦場に連れて来ましたから」
「いえ、モンゴメリーさん達は」
「事実です、事実は否定出来ません」
モンゴメリーは嘘を言わない、だからだ。
「それに怪獣を操ることですが」
「うん、負担だったかな」
マリーもパルプナに申し訳ない顔で述べる。
「五十個艦隊規模を動かしてもらってたけれど」
「いえ、それは」
「その通りだったみたいね」
パルプナが否定しようとする態度から察したマリーだった。
「御免ね、無茶させて」
「私は」
「いいのよ、元々無茶なこと言ったのは僕達だし」
マリーもまたパルプナを慰める。
「ここは僕達だけで何とかするよ」
「それではです」
モンゴメリーがあらためて言う。
「祖国殿、殿下、ここは」
「撤退か?」
「そうする?」
「いえ、確かにその通りですが」
モンゴメリーも危ういものは感じている、だがだった。
「ここで諦めてもなりません」
「じゃあどうする?」
「ここは戦力を正面に集結させましょう」
こうイギリスに提案する。
「そしてそのうえで」
「正面から挑むか」
「側面からの攻撃は失敗しました」
枢軸軍の機動力を活かした鉄鋼弾攻撃によってだ。
「我が軍は鉄鋼弾攻撃には弱いです」
「艦艇の装甲の関係でな」
「はい、あれを使わせる前に決着をつけましょう」
正面からだというのだ。
「艦載機とビーム攻撃で」
「乾坤一擲の攻撃で、ですね」
イギリス妹はモンゴメリーの意図を読んで言った。
「それで、ですね」
「その通りです。それでは」
「よし、じゃあ全軍集結だ」
イギリスが指示を出した。
「そのうえで艦載機とビームの波状攻撃を仕掛けるからな」
「うん、それじゃあね」
「すぐに」
マリーとイギリス妹が応えてだった、そうして。
エイリス軍は数を減らしながらも枢軸軍の正面に集結した、そうしてだった。
突撃を敢行しつつ艦載機とビームを放とうとする、それで枢軸軍を討とうとする。
だがそれを見てだった、のぞみが言った。
「艦載機とビームなら」
「何の問題もないホーーーー!」
ハニーも叫ぶ。
「今の私達の艦隊にはバリアだけでなく防空システムも整っていますので」
「ここは任せるホーーーー!」
「あんた達が楯になってくれるんだな」
ドワイトが二人の話を聞いて言う。
「そういうことだな」
「はい、ここはお任せ下さい」
「完全に受けてやるホーーーー!」
「よし、わかった」
東郷も彼等のその申し出を受けた、そしてだった。
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