聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士
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第九話 カイザーナックル争奪!トーナメント開催
闇闘士トーナメントスタジアム
「・・・・・」
薄暗くだだっ広い空間の中に玉座に座る男の姿が・・・
「食いついたか?・・・奴は」
「はい・・・奴らは食いついたようです」
男が部下に確認すると水晶玉を取り出し、中に映し出される大河の姿が・・・
「奴を・・・高嶺竜児の血を引く奴を倒せば・・・カイザーナックルは我らの物となる・・・カイザーナックルは我らの目的の要・・・」
金色の小箱に納められた二つの深紅のナックルを見つめながら男・・・カグツチは大河をおびき出すのだった。
第九話 カイザーナックル争奪!トーナメント開催
人々で賑わう繁華街。岩場で覆われていても賑わいのある繁華街に大河達の姿があった。
「ねぇミヨ?ホントに此処なの?」
「うっさいわね!招待状の地図だとこっちって書いてあんのよ!」
招待状に記された目的地は確かのこの繁華街だった。
「とてもじゃねえが、闇闘士なんて居なさそうだな・・・」
岩鉄も辺りを見回しながら澪に呟く。
「ちょっと待て・・・何であんたいるのよ!あんた海闘士でしょ!」
「ん?良いじゃねえかよ♪袖触れ合うも何とやらって言うじゃねえか♪」
澪のツッコミに気楽に答える岩鉄。正々堂々拳を交えた大河の事を真友と思い着いてきたらしい。それを見た大河も頭を捻った。
「流石石松さんの甥っ子・・・細かい事は気にしないみたいね・・・」
「まぁ・・・あんたにもこのポジティブ精神の半分もあれば良いんだけどね」
「うるへぇ!」
澪のツッコミに反論する大河。
「それにしても・・・あたし達が散々探しても影も形も無いカイザーナックルが闇闘士が持ってるなんて・・・絶対罠よね」
「良いって・・・カイザーナックルを見付けられれば良し、闇闘士を倒せればそれで良しだぜ」
「はぁ・・・あんたと言う奴は・・・まぁ・・・まっすぐな奴」
澪の言葉に自分の考えを述べる大河。そして人でいっぱいの道を行きながら一行派へと目的地へと向かうのだった。
岩場の繁華街のど真ん中にあるスタジアム
「何だこりゃ?」
大河達は目的地へと辿り着いて唖然とした。そこはまごうことなくスタジアムだ。しかも観客と思われる人達でかなり賑わっている。
「どういう事?」
「ちょい!これ見てみ!」
疑問に思う澪の後でポスターを見つけた岩鉄が必死に手招きをしている。大河と澪は何の事と思いポスターを見るとその一文を読み上げた。
「『闇闘士トーナメント開催!闇闘士に挑戦する聖闘士参上・・・』ってなんだこりゃ?まるで格闘技の大会じゃねえか?」
聖闘士とは無縁の戦いの様になっている有様に澪は自分の推理を述べた。
「恐らく・・・奴らこの戦いを見世物にしようとしてんでしょ?」
「何で?」
「聖闘士の敗北を世間に知らしめようとしてるんでしょ・・・そうすれば聖闘士も動くと思って・・・もしくはカイザーナックルに何かしらの事があるか・・・」
聖闘士とは無縁の個人的な理由で動いている大河。当然聖闘士からの援護は来ない。
「ちきしょう!舐めた事しやがって!」
拳をバチンと叩き付け岩鉄も怒りをあらわにする。
すると黒いスーツを羽織った男が大河達の前に現れた。
「ようこそ・・・高嶺大河様ですね」
「あんたは?」
「あなた達の案内人です・・・受け付けはこちらでどうぞ」
案内人に受付まで連れてこられるとチーム式のトーナメントで構成されいることを説明され1チームは補欠込みで6人までなら誰でも参加できるというルールであった。
「わかった・・・俺一人で出る!」
大河は一人で選手登録するが岩鉄が止めた。
「ちょっと待てよ!一人で出るつもりか?」
「そうですね・・・あなた一人で3勝しないといけない事になりますが・・・」
受付の女性に言われて岩鉄が手を上げた。
「俺も出るぜ!闇闘士に舐められてたまるかってんだ!」
「あんた海闘士でしょ・・・ややこしくなるから止めなさいって・・・それに闇闘士同士でもカイザーナックルを手にする為に戦うんでしょ・・・」
思いっきり暴れる岩鉄を抑える澪。
兎に角選手登録を済ませると大河は早速控室に案内された。
念入りに柔軟をし戦いに備える大河。そして澪が呟いた。
「それにしてもあんた・・・」
「ん?髪のびたわね」
澪に言われて気付いた大河。自分の髪がぼさぼさに伸びている事に・・・
「そういえば・・・パライストラやら何やらで最近全然散髪してないからなぁ」
「おめえそれじゃ男がすたるぜ」
岩鉄にも言われてポリポリと頬をかく大河。すると澪が・・・
「折角の舞台だし・・・切ってあげる」
「よろしく」
そう言って試合前に澪が大河の散髪をした。適当に切っていき調節して仕上がった髪を見て唖然とする澪と岩鉄。
「ん?どうしたミヨ?鉄?」
「い!・・・いや・・・」
「マジかよ」
髪の毛が酷い事になっていると感じた大河が慌てて鏡を見るが、特に目茶目茶になっているという訳ではなかった。むしろスッキリしている。
「何だ普通じゃねえか・・・じゃあ・・・リングに行ってるぜ」
唖然としている澪と岩鉄を余所に控室を出る大河。すると澪は内に秘めた事を言った。
「・・・高嶺竜児そっくり」
「ああ・・・」
散髪で竜児そっくりの容姿となった大河を追いかける澪と岩鉄だった。
観客で埋め尽くされたドーム型の試合会場。
そこに増設された四角いリングの中心に立つ闇闘士の男の姿が・・・
「レデイースエンジェトルメン!闇闘士トーナメントへようこそ!この白熱した試合に挑戦するのは・・・チーム!『黄金のJr.』」
闇闘士の宣言と共にリングへと歩み始める大河達。
「黄金のJr.って何で?」
「ミヨが勝手に決めたの」
大河と岩鉄の言葉に澪が答えた。
「あんた達少年は黄金の輝きを秘めている・・・だから黄金のJr.・・・不満?」
「いや・・・心強いよ!」
そう言って聖衣を纏いリングに立つ大河。セコンドに付く澪と岩鉄。
すると相手サイドでは5人の闇闘士の姿があった。黒き闇衣を装着しスタンバイしている。
「馬鹿が!テメエ一人か?」
「・・・・・」
相手の挑発を大河はスルーし相手に集中している。
そうこうしている内にゴングが鳴った。
「テメエみてえなガキ!捻りつぶしてやるぜ!!」
闇闘士が大河に襲い掛かると大河の拳が闇闘士に炸裂し一撃の内に闇闘士を倒した。
白目を剥いて倒れる闇闘士。
「たった一撃で闇闘士を倒すとは・・・」
VIPルームから大河を見るカグツチは大河の力にまずまず言った評価を見せる。
すると大河の倒した闇闘士が突然消滅してしまった。
その事に驚く大河。すると澪が端末で相手を残った闇闘士を分析した。それをマジマジと見る岩鉄。
「何それ?」
「これね・・・小宇宙探知機・・・小宇宙のエネルギーを感知すんの」
澪が闇闘士に向かって端末を向けるとある事がわかった。
「そう言うこと・・・」
「どういう事?」
大河の疑問に答える澪。
「奴らの正体は闇の小宇宙の集合体・・・つまり小宇宙の亡霊って奴よ・・・」
「そうかい・・・なら思いっきりやれるって事だな」
大河が拳を合わせ次の闇闘士と向かい合うが再びゴングと同時に倒してしまった。
たった一人にここまでやられてしまえば闇闘士も黙っておらず大河を侮るのをやめ3人目の男が大河に襲い掛かるが再び一撃で倒してしまった。
「これで勝ちかな?」
澪が端末をしまおうとするが闇闘士たちは大河への挑戦を止めようとしなかった。
「ちょっとあんた達!試合はあたし等の勝ちでしょ!」
「うるせえ!ここまでされたんじゃ闇闘士の名折れだぜ!」
澪の抗議に闇闘士がルールを無視して大河に襲い掛かろうとすると大河は受けて立ち4人目の男を倒した。
「そっちがその気ならやってやんぜ!!1敗でもしたら俺達の負けで良いぜ!」
「何を!舐めんな!!」
最後の闇闘士が大河に襲い掛かろうとすると大河の拳が闇闘士の顔面に炸裂し最後の闇闘士をも倒してしまった。
そして同時に消滅する闇闘士たち。大河の行動に澪は感づいた。
「あんた・・・まさか・・・」
「・・・ああ・・・この試合・・・完全勝利しかねぇ・・・どの道・・・あちらさんはそれ以外は認めてくれそうにねぇしな」
『完全勝利』という言葉を聞き岩鉄が立ち上がった。
「おめえ!それを一人でやる気かよ!」
「鉄・・・おめえには迷惑はかけられねえ・・・個人的な事だ」
その言葉を聞いた瞬間。黄金のJr.サイドに凄まじい闇闘士以外の小宇宙を感じ取った。
大河達が振り返ると緑の装束姿に深い編笠を被った男の姿が・・・
「誰だ?・・・あんた・・・」
「大河・・・それではダメだ・・・」
「え?」
大河が疑問に思うと男は突然澪の元へ駆けた。
「へ?」
一瞬のうちに澪を担いで観客席を跳躍する男。それを見て追いかける大河。
「鉄!次までには必ず戻る!」
「お!おい!虎!」
大河の背を見送りながら岩鉄がアタフタすると闇闘士の一人と思われる人物が現れた。
「何だ?奴は逃げたのか?・・・ふん!雑兵くらい倒した程度でいい気になるとは・・・」
「け!ほざけ!次の相手くらい俺だけで充分なんだよ!」
闇闘士の男を睨みつける岩鉄。
会場の外の人気の無い場所まで出た大河。
すると待っていたかのように男と何の危害も加えられていない澪の姿があった。
「ミヨ!」
「虎!」
大河の元へ駆けよる澪。
すると男は礼をした。
「無礼はお詫びする・・・」
「なに!?」
「あなたの戦いを見て感じました・・・今のままじゃ勝てない」
「どういう・・・!?」
大河が疑問を抱くと男は急接近し大河にボディブローを放つが咄嗟に防御する大河。
「お前!何のつもりだ!」
「先日・・・あなたと岩鉄さんの勝負を見ました・・・この高ぶる感情・・・一手お願いできますか?」
「てめえ!俺は次の試合があるんだ!」
「それを邪魔するためにやってもいます・・・それに問題は無いはずですよ?」
男の目論見がわからない大河はただ流されて男の拳に受けて立つのだった。
一方二回戦の試合会場では・・・
「黄金のJr.!選手はまだか?黄金のJr.」
レフリィの言葉に地団太を踏む岩鉄。
「ああ!くそ!虎まだかよ!」
「そうだな・・・黄金のJr.は試合放棄とみなし!しっか「ちょっと待った!」!?」
レフリィの言葉を遮るように鱗衣を纏ってリングに上がる岩鉄。
「俺が出る!」
「は?」
「6人までなら誰が出ても良かったんだよな!」
拳をバチンと合わせながら相手の闇闘士と対峙する岩鉄。その闇闘士は先程岩鉄とやりあった闇闘士だった。
「ほぉ・・・おめえ見てえなぁチビが海闘士か」
「ほざけ・・・俺はな」
ゴングが鳴ると闇闘士が襲い掛かるが岩鉄の拳に沈められてしまった。
「その耳かっぽじいてようっく聞きやがれ!俺の名は岩鉄!黄金のJr.の切り込み隊長だ!!さっさとかかっていやがれ!!」
その言葉に控えている闇闘士たちは次々と岩鉄に襲い掛かるのだった。
そして
凄まじい衝撃と共に大河と男の拳がぶつかり合う。
「やるな・・・お前」
「あなたこそ」
大河と男はお互いの力を認め合うが時間がない事に大河は左拳を構えた。
「悪いが・・・俺には時間がねぇ!決めさせてもらうぜ!!」
大河のブーメランフックが男に向かって飛ぼうとした瞬間。
会場の外まで溢れてきた観客の歓声がそれを遮った。
それと同時に男も拳を納めた。
「そろそろだな」
「え?」
「どういう事?」
男に連れられ大河と澪は試合会場の観客席に向かった。
そこには一人戦う岩鉄の姿があった。相手は5メートルはありそうな巨漢の闇闘士だ。
「へへ!4人倒したのは褒めてやるぜ!だが所詮テメエ見てえなチビに勝てるわけねえだろう」
「ぐあ!」
闇闘士にやられたのか顔面が腫れあがっている岩鉄。
「鉄!・・・どうして」
「彼は君の・・・真友の為に戦っている」
「え?」
「あなたは自分だけが傷つけばいいと思っていませんか?」
「それは・・・」
「あなたに今必要なのは・・・真友に頼る勇気を持ち共に戦うことです・・・あなたの師高嶺竜児がそうしたように・・・少なくとも今の岩鉄はそうです・・・」
岩鉄の姿を見てそう思う大河。
確かに岩鉄は大河の為に戦っている。そうでなければあそこまで傷ついても立ち上がるようなことはしない。
「鉄!」
会場からリングサイドまで跳躍する大河。
それを見て澪も飽きれながら後を追いかける。
やれやれと言った表情で男もそれを見つめる。
「はぁ・・・はぁ・・・」
岩鉄が息を切らせながら立っていると大河と澪が駆けつけた。
「鉄!」
「虎・・・」
「鉄・・・俺・・・悪かった・・・一緒に戦ってくれ!」
その言葉を聞いてボロボロの岩鉄は元気を取り戻し立ち上がった。
「鉄?」
「おめえの言葉が・・・元気をくれたよ」
「ごちゃごちゃうるせえ!!」
巨漢の闇闘士が岩鉄に向かってきた瞬間。岩鉄は天高く跳躍した。
「出た!!」
大河が見上げるとそのフィニッシュブローを放った。
「ハリケーン!ボルト!!」
「!!」
岩鉄のハリケーンボルトが闇闘士に炸裂した。
リングにめり込み敗れ去った闇闘士。
「勝者!黄金のJr.」
3回戦進出と同時に膝を付き倒れる岩鉄。
「鉄!」
「ちきしょぉ・・・思ったより強ぇでやんの」
闇闘士の実力に少し侮っていた岩鉄。これから先にはもっと強い闇闘士が現れる事を予想できた。
「よし!次は俺が・・・う!」
「虎!?」
大河が立ち上がろうとすると急に腕を抑え苦しみ始めた。
先程の男の戦い・・・そして前回の岩鉄との戦いのダメージが尾を引いていたのだ。
そうこうしている内に闇闘士同士の試合はあっけなく終了し無情にも三回戦が始まっていくのだった。
後書き
三回戦の開始だ!だが俺も鉄もダメージが酷く戦うことが出来ない!澪が自ら鋼鉄聖衣を纏いリングへ上がった!だが澪一人では勝つことが出来ない!その時二人の龍が駆けつける!
聖闘士星矢Ω 虎座の聖闘士 駆けつける龍達!結成!黄金のJr.
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