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DQ3 そして現実へ…  (リュカ伝その2)

作者:あちゃ
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勇者オルテガ

 
前書き
♪俺はオルテガ~! ダンディー勇者!!♪
♪天下無敵のいい男ー!♪

ジャイアンの歌のリズムで歌ってください。
続きは誰か考えて! 

 
<ゾーマの城>

大魔神との戦闘で武器を失ったティミー…しかもアルルを助ける為、肋骨にヒビが入ってしまい(最終的に折ったのはアルル)、安易にホイミで回復させられなくなってしまったティミーは、甚だ戦力外に陥っており、本来ならアルルと共に先頭を歩いているのに、今はリュカの側で守られている。
そんな異世界の勇者を伴ったパーティーは、大魔王ゾーマの城を奥へと進み行く。

広大な1階部にはバリアの床で守られた玉座があり、マリー知識をリュカが活用し、玉座の裏に地下への階段を発見する。
地下にはルビスの塔で体験した、回転する床が細い網目状の通路に設置されており、通過に失敗すると下の階へと落下してしまう。

5度ほど落下したところでリュカが業を煮やし、「あ゙~もー!ムカつくんだよコレ!!」と床の回転装置をドラゴンの杖で叩き壊しながら通過を成功させる。
「力業かよ…開発者が可哀想だ…」
そんなマリーの呟きは、側を歩いていたティミーに聞こえていたらしく、「マリー『開発者』って?」と聞いてみたのだが、「ん、何の事?」と可愛く小首を傾げ誤魔化されたので、それ以上は聞けなくなってしまう。


さて…
そんな罠と凶悪なモンスター蔓延るゾーマの城を探索する事10時間が経過…
かなりの地下へ下りたところで、美しく輝く地底湖が広がるフロアへ到達した。

「うわ~…綺麗な所ですね…」
その美しさに思わず溜息を漏らすのは、非戦闘要因のアメリア。
「しかし大魔王の居城という事を忘れてはいけません!禍々しい気は、そこら中に蔓延しております」
気楽な事を言うアメリアに、少しばかりキツイ口調で釘を刺すのはルビス…彼女も戦闘への参加率は0だ。

そんな女性2人のやり取りに一同が微笑んでいると、リュカが不意に呟いた。
「…遠くで誰かが戦闘している音が聞こえる…」
リュカの言葉を聞き、皆が止まり音を消して耳を澄ませる。
「「「「……………」」」」

「…何も聞こ「本当だ!モンスターの雄叫び…男性の息づかい…剣を振るう金属音…」
いの一番に聞こえなと文句を言おうとしたアルルだが、彼氏の言葉に遮られもう一度耳を澄ましてみる。
勿論アルルにはそれでも聞こえないのだが、自分より遙かに格上のティミーには聞こえると言うので、リュカの時とは違い最大限に信用してしまう。

「も、もしかして…オルテガさんかな…?」
単純な推測から答えを導き出し、娘のアルルを見つめながら呟いてしまうティミー…
「そ、そんな…お父さんは1人でこんな強力な敵が蔓延るダンジョンで戦っている!?無茶よ…は、早く助けなくっちゃ!」
言うが早いかアルルは既に走り出しており、地底湖を迂回する様に走り出す。

「あ!1人じゃ危険だよ…待ってアルル!」
その後を追うのは彼氏のティミー。
他の皆も慌てて後を追うが、我を忘れているアルルとそれを追うティミーには追いつけない。








「くそー…頭が複数あるのって卑怯だよなぁ…同時に何回も攻撃してきやがる!美女とのベッドでの戦闘だったら、俺だって同時に何人でも相手出来るのに…コイツ相手じゃなぁ………」
一見すると細身だが、各所への筋肉の付き方が尋常ではない髭面の男は、目の前の『キングヒドラ』を警戒しながら、場にはそぐわない呟きを吐いている。

数々の戦闘を1人で潜り抜けてきたその男は、体中に消えない傷を携えており、髭を剃ればかなりの美男子である事は瞳で判る。
常人では両手で扱うであろう巨大なバスタードソードを片手で軽々と振り回し、巨大なキングヒドラと対等に戦っている。

「あ゙~くそっ!こんなに苦戦するのなら、あの馬鹿(ナール)を連れてくれば良かったかな…コイツの炎よけ代わりにはなっただろうに…」
気持ちは解るが酷い事を言う男は、空いている左手でライデインを唱え、相手が怯んだ瞬間を突いて右手の剣で攻撃を繰り出す。
しかしキングヒドラは複数ある頭を器用に動かし、男の攻撃を辛うじて躱すと鋭い牙を剥いて噛み付いてきた!

「ぐわ!…くっそ…いってーな!」
男も辛うじて避ける事が出来、キングヒドラの牙は彼の左腕を掠っただけだった。
それでも巨大な牙が掠ったのだ…その傷は小さくない。
相当量の出血が見られ、慌ててベホマで傷口を塞ぐ。

「やばい…もう魔法力が残ってない…一旦逃げるかなぁ…でも、こんな奥まで来ちゃったしなぁ…逃げ切れないだろうなぁ…」
ニヒルな笑みを浮かべながら、一瞬だけ考えを巡らせてから両手で剣を構え直し、キングヒドラへ向かって踏み込む男。

ウネウネと動く複数の首を避けながら、今まさに炎を吐こうとしている頭目掛け剣を振り下ろす!
(ザシュ!)
快音と共にキングヒドラの頭が1つ切り落とされる。

だが次の瞬間…
残った頭の1つが、突如男の目の前に鎌首を擡げ現れ、強烈な燃えさかる炎を吐き付ける!
「ぐわぁぁぁ!!!」
全身を炎に包まれ後ずさる男…
トドメを刺す為に、更に炎を吐いたキングヒドラ…

しかしトドメの炎は、誰も居ない空間を通過し消え、男の命を奪う事は出来なかった。
何故なら、すんでの所で駆け寄ってきたアルルが男を庇う様に押し倒し、キングヒドラよりも離れた所に男を避難させたからだ。

「お父さん…大丈夫、お父さん!?…ベホマ」
涙で顔を濡らしながらアルルは男の上に覆い被さり、炎で焼けただれた身体をベホマで即座に治療する。

「お…お父さん………!?お前…まさか…アルルか?アリアハンに残してきた俺の娘、アルルなのか!?」
傷が癒えた男は、自分の上に覆い被さる少女を見て、驚きながら確認する。
「うん…勇者オルテガの娘…勇者アルル、大魔王を倒す為にアリアハンからここまで来ちゃいました!」

父に再会出来た嬉しさから…命を救えた安心感から…アルルの涙は止まることなく溢れ出る。
そんな愛娘を見たオルテガは、
「あ…あのクソジジイ(アリアハン王)…俺の娘にまで危険な事を押し付けやがった!!あの俗物親父(実の父親)も、喜んで差し出しやがったんだろうな……許せん!」
と、泣きながら(アルル)を抱き締め雄叫びを上げる。
炎の攻撃によって髭は焼け落ち、その端正な顔立ちがハッキリと判る。

しかし何時までも再開の感動を味わっては居られず、未だ複数の頭を持つキングヒドラが、倒れ抱き合う親娘を焼き払おうと、複数の頭で同時に炎を吐き付けてきた!
「きゃあ!」「うおぉ!」
互いに強く抱き締め、互いに少しでも守ろうと身を縮めるアルルとオルテガ。

「フバーハ!」
だが、その瞬間聞こえてきたのは異世界の勇者ティミーの声…
アルル・オルテガとキングヒドラの間に立ち塞がり、炎のダメージを軽減させる魔法『フバーハ』を唱え、敵の攻撃を凌いでいる。

「ぐ…ぐぁ…くそー!!」
しかしキングヒドラの炎攻撃は強力で、翳した両手から焼けただれて行く。
「ティ、ティミー…逃げて!」
愛しの彼氏の苦痛に、泣き叫びながら逃げる様に懇願するアルル。
「うるさい!僕の事はいいから、早くお父さんを連れて退避しろ!もう…持ちそうにない!」
だが絶体絶命を悟ったティミーは、初めてアルルを怒鳴りつけ、彼女等だけでも生き延びる様動こうとしない。

「いや~、ティミー!!」
「クソー!!!!」
若い勇者の2人が共に叫び声を上げ苦悶する!

(ヒュッ……ザン!)
すると何処からともなく一降りの剣がティミーの目の前に突き刺さり、キングヒドラの炎を切り裂き彼等を守る様に現れた!

「な、何だ…こ、これは…天空の剣…!?」
そう…それは異世界(グランバニア)へ置いてきたはずの、ティミー専用の武器『天空の剣』だった。
「な、何故これがここに!?」



 
 

 
後書き
まだ本性は現れてません。
実はとっても真面目人間だったりして…
「真面目人間が、愛人を作る訳ないだろ!」(byミニモン) 
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