魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
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第2話『昇格試験 2』
side八神はやて
フェイト「なかなかいいチームワークだね」
はやて「せやね。だけど、難関はまだまだ続くよ」
私とフェイトちゃんはモニターを見ながら呟く。私はモニターのパネルを押す。
はやて「特にこれが出てくると受験生の半分が脱落することになる最終関門……大型オートスフィア」
フェイト「今の三人の技術だと普通なら防御も回避も難し中距離自動攻撃型の狙撃スフィア」
はやて「どうやって倒すか知恵と勇気の見せどころや」
私は軽く笑みを浮かべながらモニターに目を向ける。
すると、フェイトちゃんも笑みを浮かべてこっちを見とる。
はやて「どないしたん?フェイトちゃん」
フェイト「ううん、なんでもない。ただはやて、楽しそうだなって」
はやて「当たり前やん。なんたって私の部隊に来てくれるかもしれへん新人やもん」
それに、彼も………カズマくんもいるしな。
魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
第2話『昇格試験 2』
sideカズマ・キサラギ
ティア「弾切れ!代わって!」
カズマ「はいはい」
俺たちは今、二重になった高速道路の下部で大量のオートスフィアと交戦中。
スバルは高速でお得意のSA(シューティングアーツ)で一機一機潰している。俺とティアは岩陰に隠れて相手を狙撃しながら倒す、……まったくちまちま面倒くせ~。
カズマ「なあ、ティア」
ティア「なによ!話しかけてないでさっさと撃墜しなさい!」
カズマ「いや、一機一機落とすより砲撃でいっきに撃墜した方がよくないか?」
ティア「やれるものならやってみなさいその瞬間あんたもあたし達も生き埋めになって即あの世行きだから」
カズマ「………それは嫌だな」
ここで死んだら洒落にならんからな。時間はまだあるし一つ一つ確実に潰すのが得策か…。
カズマ「交換終わったか?なら、交代してくれ」
ティア「ったく、あんたは…」
ティアと交代してほどなくしてスバルがやや遠くの方で最後の一機を撃墜する。それを確認してからスバルと合流する。
ティア「よし、全部クリア」
スバル「次はどうするの?」
ティア「このまま上。上ったら多分最初に集中砲火が来るわ。だから、あたしとカズマが狙撃するからスバルは警戒しながら少し休んでて」
スバル「うん、わかった」
ティア「あんたもそれでいいわね?」
カズマ「ん、わかった」
ティアに言われて頷く。しかしなんだろう、この嫌な感じは……何もなければいいが。
ティア「行くわよ、カズマ!スバル!」
スバル「うん!」
カズマ「ああ。……っとその前に俺から提案を一つ…いいか?」
ティア「なによ?」
スバル「?」
side八神はやて
フェイト「うん、確かに伸び代がありそうだね」
はやて「せやろ?」
フェイト「残るは最終関門…だね」
はやて「うん、そうやね」
どうやって突破するかしっかり見せてもらうよ?
sideスバル・ナカジマ
スバル「やったねティア、カズマ!」
カズマ「まあ、あんだけ時間を使えばな」
私はターゲットを破壊しながらカズマとティアに言う。
カズマは「当然だな」という顔をしている。
カズマ「ティアのマルチショットがちゃんと決まったからな。普段は確率低いけど……」
カズマは少し離れた所で囮として使ったアンカーガンを回収しているティアに聞こえないように言った。そんなこと言ってるとまた怒られるよ?
スバル「それだけティアは本番に強いって事だよ」
ティア「ちょっとあんた達聞こえてるわよ!さっさと片付けて次に―――っ!」
ティアがカズマの方を見てなんか驚いてるどうしたんだ?
sideティアナ・ランスター
カズマの後ろに攻撃型のオートスフィアが一機いた。
しかもあの馬鹿気づいてないし。このままじゃ、確実に被弾じゃない!
そう思った瞬間あたしは思わず叫びながら走り出していた。
ティア「カズマ、防御!!」
カズマ「え?―――うわ!?」
間一髪で私はカズマに体当たりをして攻撃をかわす。その後すぐに体勢を立て直してカズマとは反対方向に走る。
オートスフィアは私を標的として攻撃してくる。それをかわしながらオートスフィアにアンカーガンを向ける。
しかし、その瞬間足が引っかかってあたしは身体のバランスが崩れて地面に倒れる。
スバル「ティア!!」
ティア(うるさいわよスバル。あんたはそこでカズマと隠れてなさい、こいつは私が倒すから!)
地面を転がって狙いを定め直して撃つ。しかし、一発は外れたけど二発めで何とか直撃した。
side八神はやて
はやて「ん?なんや?急に画面が砂嵐になって何も見えんようになってもうた」
フェイト「サーチャーに流れ弾が当たったみたいだけど……大丈夫かな。みんな…」
side高町なのは
映らなくなった画面を見ながら操作してみるけど何も映る気配がない。
なのは「何かトラブルかなぁ?リイン一応様子を見に行くね」
リイン『はいです。お願いします』
レイジングハート[私もセットアップしますか?]
なのは「そうだね、念のためお願い」
レイジングハート[All rigth]
sideカズマ・キサラギ
カズマ「ティア!」
俺とスバルは急いでティアに駆け寄る。
ティア「騒がないで何でもないから…」
スバル「嘘だよ!グキッて音がしたよ!怪我したでしょ!?」
ティア「だから、何でも無い―――つぅ!」
立ち上がろうとするが痛みで上手く立てないティア。
カズマ「……すまん、ティア。油断してた」
ティア「……あたしの不注意よ。あんたに謝られるとかえってむかつくわ」
カズマ「………」
ティア「走るのは無理そうね。これじゃあ、最終関門は抜けられない」
スバル「ティア…」
自分の足を見つめながら呟くティア。
それを見つめるスバルと俺。
ティア「あたしが離れた位置からサポートするわ。そうすればあんた達二人でゴール出来る」
スバル「ティア!」
ティア「うっさい!次の受験の時はあたし一人で受けるつってんのよ!」
スバル「次って……半年後だよ…」
ティア「迷惑な足手まといがいなくなればあたしはその方が気楽なのよ!」
強がっているけどティアの考えてることが簡単にわかる。
自分が居たら俺たちまで不合格になる、自分のせいで……責任感が強くて仲間思いのティアが思いそうなことだ。
ティア「わかったら、さっさと―――くっ!」
無理して立ち上がるが痛みで顔が歪んでいる。
スバル「ティアを置いて行くなんて…そんなの嫌だよ!」
ティア「それじゃあ、走れないバックスを抱えて残り少しの時間でどうやってゴールすんのよ!あんたに考えがあるなら言ってみなさいよ!」
スバル「それは………」
カズマ「……一つだけ」
ティア「え?」
カズマ「裏技だけど、一つだけ方法がある」
俺の言葉にティアとスバルが振り向く。
スバル「裏……技…?」
カズマ「ああ、反則ギリギリ……もしかしたら試験に落ちるかもしれないけど……だけど上手くいけば、三人一緒にゴールできる……はずだ」
俺も自信があるわけじゃない。
だがもう、どんなに無茶だろうがそれしか方法はない、それでもスバルは乗り気だった。
スバル「やろうよ、ティア!」
ティア「スバル…?」
必ず成功する……と言たげなスバルの顔。まったく、どこからそんな自信が湧いて来るんだよこいつは。
スバル「私…ティアとカズマと三人でゴールしたい!」
ティア「……わかったわ」
スバルの言葉にティアは半ば諦めたように同意した。
ティア「……それじゃあ聞かせて貰いましょうか。あんたが考えた反則ギリギリの裏技作戦を……」
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